Page3–「前に進む」

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団長の独り言 2025.06.27

「前に進む」

「ふたりのゆめ綾部公演」の稽古は、
とても順調に進んでいる。

突然のキャスト変更もあったけれど、
危機感を持って、懸命に
新なるキャストを探したところ、
突然の事であるにもかかわらず、
バランス感覚のある素敵な方が
快諾して下さり、
胸を撫で下ろしている。

綾部公演は、
劇団ふぁんハウスにとっても、
そして綾部市民の皆様にとっても、
これまで経験した事のない
ビックプロジェクト。

本番まで、
いよいよ2か月になろうとしている現在、
「演劇まちづくりの会」(総勢数十名)
実行委員の皆様は、
何度となく全体会議を開き、
会計、チケットの販売、宣伝活動、
大道具制作、小道具の調達、
本番当日の我々の宿泊や送迎の手配から、
食事の手配の準備等々、
多岐にわたり議論して下さり、
我らふぁんハウスを迎えて下さる準備を、
着々と進めて下さっている。

そうした皆様の熱意にお応えするには、
「芝居を創る責任」をメンバー全員が
キチンと自覚をして、
「綾部の皆様のため!」
という思い胸に、芝居と
向き合わねばならない。

だからなのか?どうなのか?
みんな早々と稽古場へ来て、
準備を済ませると台本に目を通し、
集中力をたかめているので、
稽古開始前はとても静か。

そんな緊張感漂う中、稽古を開始する。

基本的に劇団ふぁんハウスの
稽古というのは、真剣さの中にも
誰もが「笑顔」になるような
雰囲気となっているようで、

今回も稽古が始まると、先程までの
静まり返った稽古場の緊張が解けて、
温かい空気が流れ始める。

勿論、本番間近になってくると、
時として
「厳しいダメ出し」も、
しなきゃいけなくなる役者も出てくるので、
役作りに追い込まれる役者は
笑っている余裕すらなくなるのだが、

それでも基本的に、
私はギスギスした稽古場の雰囲気ってのは
苦手なので、常にサービス精神を交えた
ある意味一種の
「ショー的」な演出を心掛けて、
芝居を創っていく。

すると役者の皆さんは、
私に乗せられてドンドン変化して、
昨日も今日も
新しい芝居がドンドン誕生した。

前回の
「ふたりのゆめ板橋公演」に
出演した役者は勿論の事だけど、
「ふたりのゆめ」初出演の役者も、
ほとんどセリフを入れて来ているので、
台本を持っている場面もあるけれど、
新メンバー達も、
セリフを自分のモノにしているので、
シーン稽古を行う際、
最初は、細かい事は言わず
好きなように演じてもらうと、
新メンバーの皆さんは、
芝居経験豊富な方々達なので、
何も言わずとも色々とやってくれる。

そこで役者達のやりたい事を感じ取り、
「そーしたいのならば、
もっとこうしたほうがさらに面白くなる」
と言ったダメを出し、実際に演じてもらえば、
益々パワフルになり、
芝居全体も活気に満ち溢れていく。

今日の稽古では、
新メンバーどおしのやり取りである
オニタン(鬼丸禎子)と、
溝口敬居子さんとのシーンを
見せてもらったのが、

いやぁ~ほんとに期待通り!
いや、期待以上の最高のシーンとなり、
恐れ入りました。

オニタンのぶっ飛んだ芝居を
溝口さんはちゃんと受け、
今日「初めまして」の二人とは
思えない息の合った芝居に、
私は思わず声を上げて笑ってしまう。

芝居が始まる前の二人を、
さりげなく観察していると、
多少の距離を保ち、
どちらもとても物静で、

「よろしくお願い致しますぅ」

ってな茶道でのお手合わせのような
静かな感じの挨拶を交わしていたのに、
いざ芝居が始まると、
二人ともぶっ飛ぶ!!

そういう自己解放的な芝居は、
どちらかと言うと私は好きなので、

「そこまでやるなら、こうしたらどう?」

とさらなる演出を付け、
そこにラムさん(小池陽子)が、
繊細でおしとやかっぽい普段の
彼女からは想像もつかないエネルギーで、
二人に負け時とぶっ飛んで絡むと、
稽古場はもう爆笑の渦。

真面目にそして真剣にぶっ飛んだら、
こんなにもすごいシーンになるのか!
と演出を付けている私自身驚いた。

溝口さんの凄いところは、
私の意図する芝居パッ!とやり、
時にエンターテイメント的に、
時にリアリティーあるしんみりとした
芝居をもさりげなく演じ、
また、どんな役者にも
ちゃんと合わせられるところ。

彼女は、私の大好きな
「劇団・空間演技」ご出身の役者さんで、
岡部耕大さん(空間演技主宰)に
鍛えられなんだろうなぁ~ってのが伺える。

新劇出身の堀越(健次)さんとのやり取りも、
今はまだお互い探り探りやっているが、
エネルギッシュだけど、感動的な場面では、
リアリティーのある芝居で
ちゃんとしめてくれるから頼もしい。

ここの1か月の間に、
仕事の合間を縫って、尾道での映画の仕事、
綾部でのワークショップ、
綾部公演に向けての制作関連の事、
さらには我々が所属している
麻布演劇市関連の事等々・・・

心も身体もかなりハード出来事が続き、
そんな中でとても残念な事もあり、
様々な事案がドサッ!とのしかかり、
精神的に結構しんどい事ばかりだけど、
稽古場で、
みんなの笑顔とエネルギッシュな芝居に
触れながら集中して稽古をしていると、
「頑張ろう!」と元気になれる。

よ~し!まずは「綾部公演」だ!
本番まで2か月!
皆様の笑顔のために、稽古に精進します。


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