Page8–「嬉し寂しの治療終了」
『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2025.08.02
8月2日(土)「嬉し寂しの治療終了」
去年の8月8日、
私は右肩腱板断裂の手術を行った。
命に関わる
外科手術ではなかったけれど、
そうだなぁ~
術後から半年までは、痛みと不安で、
かなり精神的にもしんどかった。
それは
「再断裂」のリスクがあるので、
手術が成功したからと言っても
油断は出来ず、
痛みに一喜一憂する日々
だった気がする。
日常生活に関しては、
術後3か月まではかなり制約があり、
当然ながら重たいものを持つのは
絶対にダメで、激しく腕を振るのも、
車の運転もダメ・・・
GYMも全く行けず、
仕事も3か月間休むという
人生を体験した。
4か月目からは、
車の運転をしてもいい許可を
いただいたので
仕事に復帰はしたものの、
ハンドルに手を添えているだけで、
右肩から肩甲骨にかけて
右半身全体がだるーくなるし、
まだまだ右腕は垂直に上げるには
程遠いって感じで、何かの拍子に
「つい」右腕に力を入れてしまい
痛みが走ろうものならば、
後悔と心配でクヨクヨした。
「今度こそ、再断裂したかも!」
痛みが続くと、後悔の念で夜も眠れず・・・
だから、
理学療法士のI先生のリハビリや、
執刀して下さった
スーパードクター・K先生の診察の日が
待ち遠しくて仕方がなかった。
ただタイミングのいいことに
安静に過ごさねばならなかった
8月~11月までの期間は、
劇団活動がうまーい具合に
長期のお休みだったので、
精神的に「無理をする」という事もなく、
なんとか日々生活してきた。
その後、
術後半年でのMRI検査の結果で、
「ちゃんとくっついてます」
というK先生の診断!
これで山を越えたとホッとしつつも、
それでもまだ油断は出来ず、
日常生活は問題なく過ごせるからこそ、
さらに用心しながら、
リハビリに通い、
自主リハビリにも励んだ。
そんな生活が1年続いた8月2日。
術後1年目の節目として
稽古前に病院に行き、
レントゲン&MRI撮影を行い、
K先生からの診察を受ける。
診察室に入ると、いつもの笑顔で
私を迎え入れてくれるK先生。
モニターには、
私の右肩のMRI画像が映し出されているが、
その説明の前に、まず可動域の確認や
「どうですか?」
「何か気になる事はありますか?」
という問診をしてくださる。
私は、MRIの結果が気になるので、
問診の間も、チラチラとモニターに
目をやるが、先生の穏やかな口調から、
おそらく問題ないのかな?と思いつつ、
気もそぞろで先生の問診を受け、
さぁ~おまちかね!MRIの説明です。
先生はマウスをくりくりと動かし、
3Dの私の右肩の画像を示しながら、
「こんな感じでしっかりくっついてますね。」
「筋トレの負荷を上げても大丈夫です。
これからは筋肉を付けて行ってください」
と笑顔で言って下さり、
ついに筋トレ解禁の許可をいただく。
飛び上がりたい気持ちを抑え、
次回は半年後に肩の状態をチェックしていただく
予約を取って、K先生の診察は無事終了。
その後、
I先生のリハビリを約40分間受けて、
可動域等や痛みのチェックと、
新しい「自主リハビリ」を教わり、
「これでリハビリは終了です。」
と言われた。
言われた瞬間、嬉しさと、
何故か「寂しさ」も込み上げる。
不思議だよね?
リハビリに通わなくていいって事は、
それだけ良くなったって事なのだがら、
喜びの感情だけでいいはずなのに、
「寂しい」って感情が
沸き起こるんだからね。
I先生のリハビリは、
手術を受ける2か月ほど前から始まり、
手術を受けた翌日から
I先生は病室に来て下さり、
装具のつけ方、外し方の
厳しいトレーニングも含め、
多い時には1日に2回のリハビリ、
退院してからは週に2回、
術後3か月、
仕事復帰してからは週に1回、
そして術後半年経ってからは
2週間に1回と、
段々と
リハビリの回数も減って来てはいたが、
リハビリに通ってI先生に
身体の状態をチェックしてもらうのと、
月に1度、
スーパードクターK先生の診察を受けるのが
私のライフワークになっていただけに、
K先生の診察は半年後だし、
「リハビリ」は卒業ってなると、
喜ばしい事なのに、
何故か「寂しさ」がこみ上げる。
どちらの先生にも、
大袈裟に握手を求めたい感情が
湧いてきたけれど、
I先生もK先生も、私の診察の後にも
患者さん達が待っているわけで、
私の感傷に付き合っていただく
わけにもいかない。
だから、お世話になった先生方には、
精一杯の笑顔で「感謝」を伝え、
理学療法士のI先生には、
「また機会があればお願い・・・」
と言いかけた言葉を飲み込んだ。
だって「機会」なんて
あってはいけないからね。
もう二度と、
あんな辛い想いはしたくないわけで、
もっとお世話になりたい感情と、
お世話になる事があってはならない!
という想いが交差しながら、
医者と患者の関係って、
なんだか不思議だなぁ~
って思った。
お会計を待っている間、
待合室の椅子に座りながら、
ちょうど1年前、入院の手続きの際、
不安だらけで
この椅子に座っていた事を思い出す。
「成功するのだろうか?」
「麻酔が覚めなかったら?」
「再断裂しないかな?」
「またバイクに乘れるのかな?」
「仕事に復帰する事出来るのかな?」
そして、
「芝居、出来るようになるのかな?」
あの不安で押しつぶされそうになった
1年前と同じ椅子に座り、
私は「健康」のありがたみを
噛みしめながら、
お会計を済ませ病院を出た。
振り返って見上げると、
私が入院した病室の窓が・・・
今日のこの日が来ることを信じつつも、
「もし再断裂したら」
が常に頭を支配しながら、
不安な入院生活を送り、
あの窓から外を眺めていた。
「ありがとうございました!」
私は深々と病院にお辞儀をする。
サードオピニオンまでして、
探したこちらの病院は
全てにおいて最高でした。
真夏の太陽を浴びながら、
いよいよ昼夜連続稽古に突入した
稽古場へ向かう。
稽古場には、
全メンバーが顔を揃え、
綾部の皆様に
喜んでいただける芝居を創るべく、
13時~21時30分まで、
充実した気迫ある
稽古を行ったのでした。


