Page1–「『想い出の香里ヶ丘に夢が咲く』始まる。」

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団長の独り言 2026.04.27

「想い出の香里ヶ丘に夢が咲く」始まる。

17時45分、稽古場到着。
稽古場となる施設には、
稽古のない期間にも
何度となく足を運んでいたけれど、
稽古初日の稽古場というのは
やはり緊張する。

まずは自動販売機の前に立ちお金を入れて、
キリマンジャロコーヒービッグサイズを選ぶ。
ほら、高速道路のサービスエリア等に
設置されている
豆から挽いてカップで提供する本格的な
コーヒー販売機があるでしょう?
あれです、あれ。

出来上がりまでの時間を
デジタルで表示しているのだが、
今日はやけに長く感じる。

あと20秒・・・あと10秒・・・
よし!出来た!
ちゃんとフタまでつけて出てくる
親切な自動販売機からカップを取り出し、
目の前にある稽古場へ。

開いている扉から入れば、
すでに着席している大勢のメンバー達が
一斉に私に注目し、
「まってました」って空気になったかと思うと、
みんなが拍手で出迎えてくれて、
益々緊張し、と同時に照れ臭く、
なんとも言えない気持ちになる。

「な、なんだ?その拍手は?」
と聞けば、
「新作完成、お疲れ様。」という
ねぎらいの拍手が、自然発生的に沸いたらしい。

「稽古開始までに脚本を完成させる」

これは、
設立以来28年間貫き通していて、
今回も稽古開始ギリギリで間に合ったので、
皆さんのねぎらいが嬉しい。

演出席には、印刷された「仮台本」が人数分、
ドーンと積まれている。
準備作業をしてくれた
千秋ちゃん、ゆみさん、ご苦労様。

お二人はすでに脚本は読んでいるけれど、
あとの見えるメンバー達は、
この山積みの脚本が、
気になって気になってしょうがないはず。
(見えないメンバーには、
事前にテキストデータを
メールにて送っている)

すでに全員揃っているので、
すこし早いが「想い出の香里ヶ丘に夢が咲く」の
記念すべき最初の稽古をスタートさせる。

すぐにでも脚本をお配りしたいのは
山々だけど、配ってしまうと
ページをめくりたくなるだろうから、
まずは
どういった作品なのかの説明をざっと行う。

この作品は、私が育った
大阪府枚方市香里ケ丘1丁目にあった
E3号棟に住んでいた人達の物語であるので、
出演者達は、みな大阪弁をしゃべらねばならない
という事をまず伝える。

最初は、演じる役者の事を考えて、
「標準語」でのセリフの
やり取りで物語を描いていたが、
なんかしっくりこない。

物語自体は完全なる
フィクションなんだけど、
10代の私が実際に体験した
楽しかった想い出、辛く苦しかった想い出等を
元に描いているので、
「標準語」でのやり取りだとなんか違うし、
タイトルに「香里ヶ丘」が付く意味もなくなる。

そこで思い切って、
出演者の大半は「枚方の人」ってことにして、
セリフを全て大阪弁にしてみた。

すると、パソコンのキーボードを
たたく速度も速くなり、
登場人物達が面白おかしくしゃべり始める。

描いている時に大笑いし、
時に涙しながら夢中で描き続る事が出来た。

何度も描くが、
物語全体としては全くのフィクションだけど、
「平野恒雄」のモデルとなる
「長尾敦子」が15歳の時に体験した「出来事」は、
全て実話なので、そりゃー感情移入もするってもの。

私の人生のほぼすべてを知り尽くしている
中学生の頃からの友人の水田に
完成脚本を読んでもらったら、
速攻で「生々しいなぁ~」という
感想が返ってきた。

そんな作品を、
関西出身者がひとりもいない
出演者が演じる事になるので、
これはねぇ~相当ハードルが高い。

「大阪弁っぽく」言うことは、
なんとなく出来ると思うけれど、
やるからにはネイティブな
大阪弁で演じてほしい。

そんな私の話に続き、
千秋ちゃん、ゆみさんからは
制作的な説明を行い、いよいよお待ちかね!
うずうずしている皆さんへ「仮」台本を配る。

作家としては、緊張する瞬間。
皆さん、早速ページをめくり始める。

配役は仮台本に記されているので、
自分がなんという役を演じるのかは、
各自すぐに確認できる。

ただ、その役の人物がどんな人で、
どんな事をするのか?
まるで見当もつかないはず。

誰も彼も戸惑っている感じだったので、
本当は今日は行わない予定だったけれど、
「読み合わせ」をやってみる事にした。

もちろんほぼ全員が初見なので、
役作りもへったくれもない。
しかも書かれたセリフが大阪弁・・・

どうなることか?とハラハラしたが、
意外と言っては

皆さんに失礼かもしれないが、
思ったほどヘンテコな大阪弁ではないし、
「当て書き」だからってのもあるけれど、
すでにキャラクターを掴んでいるし、
これはいける!という手ごたえを
感じることが出来た。

しかし・・・長い。

描いていて、うすうす感じてはいたが、
私の想いが強すぎて、かなりボリューミーに
なってしまっている。

読み物としては、
違和感なく読み進むようだけど、
実際に皆さんが「演じる」のを聞いていると、
その長さを実感する。

前半が終わった時点で時計に目をやれば、
すでに1時間半は経っている。

このあとの
クライマックスに続く後半も、
前半とほぼ同じくらいの量はある。
ってことは上演時間が3時間!?

2時間以内の芝居にしなきゃいけないので、
こりゃー
また相当カットしないといけないなぁ・・・。

でもね、何はともあれ、
幸先のいいスタートを切り、
やる気と熱意に満ち溢れた
劇団ふぁんハウスは、
また動き出したのでした。


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