Page17–「大切な大切な場当たりは続く。」
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団長の独り言 2026.08.06
「大切な大切な場当たりは続く。」
場当たりというのは、
これまで稽古場では行う事の出来なかった
実際の舞台での照明の変化と色合いの確認や、
音響のタイミング、ボリューム等の確認を
メインとした、スタッフさんのための
総合確認作業の事で、
物語を途中で止めては場面を飛ばし、
また次の場面といった具合で進めていく。
スタッフさんのための作業なので、
役者は必要ないのか?といえば、
全くそんな事はなく、
役者の芝居きっかけで音が入るし、
照明も変化するし、
何より「暗転」という
稽古場では絶体に出来ない
「暗闇での移動」がある。
稽古場ではすんなりいっていた
「暗転」も、いざ本舞台で行うと、
「あれ?」なんて事もある。
もちろん稽古場での稽古で
「転換稽古」を行う際、
私も舞台監督も「暗い中での動き」
を想定しつつ、
難しい個所は修正してきたが、
それでもいざ本舞台で行えば、
主に役者の不慣れから来る問題点が、
この場当たりでは起こる。
あとは照明さんが作ってくれた色と、
私がイメージが違った場合や、
音響さんの音の入れるレベルやリバーブ
が私のイメージと違う場合には、
私のイメージを伝え、
修正をしてもらうという事も行う。
ただ照明さんも音響さんも、
本当にめちゃくちゃ優秀で、
私のイメージ通り、
いやそれ以上に素晴らしい音と光で
芝居を盛り上げてくれるから、
ほぼダメを出す事はないんだけどね。
むしろ、
これは劇団ふぁんハウス限定だと思うが・・・
転換時による一部の役者の動きの修正に、
かなり時間をとられる場合が多々ある。
「昨日今日板の上(舞台)に
あがったんじゃ~ないんだから、
いい加減ちゃんと出来できないかなぁ?」
とイライラする場面が何度もあるが、
その都度丁寧に説明し、
時には役者の技量に合わせて、
芝居を変えるなんてこともするが、
何度指摘しても理解してくれないと、
毎回の事なので「だからぁ!」
とつい声を荒げてしまう事もある。
しかし、ここ最近は、
私の性格をよーく把握している
舞台監督の高橋さんは、
私が爆発する直前に危険?を察知し、
サッとフォローに入ってくれるので、
いや~な雰囲気に
ならずに済むことが多くなり、
あとは「暗転」がなんたるか?を
知っているレベルの高い役者達も増えたし、
そんな様々な要因のおかげで、
特段大きな問題点もなく、
この日の場当たりはとてもスムーズ進み、
気が付けば21時を回っていて、
完全退館時間まであと30分となる。
みなで片付けを済ませ、
明日の初日を控え、
それぞれがそれぞれの想いを胸に
帰路についた。
8月7日(金) 初日
朝、外に目をやれば、雨は大丈夫そう。
仕込みの日は「雨が降らない」と
前回の団長の独り言にも描いたけれど、
それ以上に49回の公演全て、
雨の初日は経験した事がない。
身支度を整え、平野カーに乗り込み、
最初に行うのが、
ハウンドドッグの「フォルティシモ」
という曲を選択する事。
東京公演での初日の朝は、
必ずこの曲を聴きながら
劇場へ向かうというのは、
28年前の第1回公演から
ずーっと続いている。
「♪激しく、たかぶる夢を眠らせるな
溢れる想いを諦めはしない!♪」
よっしゃ!と気合を入れて、
渋滞の激しい国道をノロノロ走り、
集合時間の50分前、
劇場近くのファミレスに到着。
そこで美鶴さんと共に朝食を摂り、
いざ劇場へ向かうと、
開門前であるにも関わらず、
全メンバーが楽屋入口前に顔を揃えている。
初日の朝に全メンバーが
顔を揃えてくれていることほど
嬉しいことはない。
一人でも欠けたら大変な事になる。
みなの自己管理に感謝しつつ、
午前8時50分、
笑顔で楽屋入りを済ませ、
午前9時30分、舞台上に全員集合し、
まずは
劇団ふぁんハウス恒例の成功祈願から。
約1年前の綾部公演の時は、
高倉神社の宮司様にお越しいただき、
立派な祭壇の前で、
成功祈願が執り行われたので、
その記憶をたどりつつ、
明治神宮の神のお札を前に
劇団ふぁんハウス流の成功祈願を行い、
集中力がさらに高まったところで、
昨日の場当たりの続きを行うが、
クライマックスシーンの連続なので、
照明と音の変化が目白押し。
時間がかかるのは
想定内ではあったけれど、
舞台監督を中心とした、平野組の
スタッフのチームプレーは素晴らしく、
複雑な変化の数々をもバシッと決め、
改めてプロのすごさを見せられ、
特に一番の見せ場である、
「あのシーン」は、
素晴らしい音と光のコラボを
突然現れて、
度肝を抜かされたのでした。


