Page21–「ゲネプロ、そして初日へ 」

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団長の独り言 2024.7.20-6

7月20日(土) 「ゲネプロ、そして初日へ」

12時、予定通りゲネプロ開始。
ゲネプロとは、
全て本番通りに行う最終リハーサルの事。
本番と同じなので、お客様がご入場の際、
場内に流れるBGMも勿論同じ。

誰もいない客席の一番後ろの演出席に
結構緊張しながら腰を落ち着け耳を澄ませば、
「綾部市歌」と「ふるさとはあやべ」
が流れている。

「綾部市歌」というのは、
今回の作品「ふたりのゆめ」で、
物語の重要な街として出てくる
「京都府綾部市」の歌。

何故にこの曲を
場内で流そうって思いついたのか?と言えば、
劇中でとても需要なポイントとして出て来た
「ゴンドラの唄」の作詞者で、
綾部市にとてもゆかりの深い
吉井勇が綾部市歌を作った時、
作詞の校閲に携わったとの事を、
「ふたりのゆめ」麻布公演を
1月に御覧になられた
綾部市出身で京都府府議会議員の
四方源太郎先生から教えていただき、
早速「綾部市歌」を
ユーチューブで拝聴したら、
めちゃめちゃ感動してしまって、
是非ともお客様がご入場の際に流して、
劇場を綾部にしよう!と思い、

ピアノ演奏のアマティアズが
インストゥルメンタルに編曲したものを
さりげなく客席に流して欲しいって事を
音響の野中君に伝えていたら、
彼は「ふるさとはあやべ」という曲も
ご自分で用意してきてくれて、
ゲネプロの開演前に流し、
「どうですかぁ?」と言ってくれたので、
もちろん、おっけー!を出し、
この2曲を開演前のひと時、
会場内にさりげなく流す事にした。

ゲネプロ開始前、
誰もいない静まり返った客席に、
二つの「綾部」の歌がいい感じで流れる。
その曲を聴きつつ、心を落ち着かせる。

やがて2ベルが鳴ると、
「綾部の歌」は静かにフェードアウトして、
アマティアズとかぶちゃんの演奏による
「ゴンドラの唄」でゲネプロは始まった。

最初の出だしから、
感動的なラストシーンまで、
どの役者も落ち着いているし、
心配していた声もよく通り、
とってもいい感じで、
ゲネプロは無事終了。

ただゲネプロで完璧すぎただけに、
私の脳裏には一抹の不安は残る。

上手くいったあとの芝居というのは、
油断とおごりからミスをしてしまうのが
舞台の芝居ってもので、
まぁ~それでも
「完璧」に越したことはない。

みんながのりにのったその勢いで、
初日の本番は、もっとすごいことになると
期待をしつつ、集合写真を撮り、
受付ボランティアスタッフさんへのご挨拶と、
劇団ふぁんハウス名物の
気合入れの儀式
「いち、にー、さん、ダァ~」で
みんなでこぶしを天につき上げ、
約2時間後の本番に備える。

15時15分、開場。
例の「あやべの歌」が流れる客席に、
次々にお客様がお越しになる。

暑い中、お越し下さる
皆様には感謝の気持ちでいっぱい。
何が何でも楽しんでいただくものを
お届けしなきゃ!と
客席を映し出すモニター画面
を見ながら、気合を入れる。

そして16時ちょうど。
劇団ふぁんハウス
第45回公演「ふたりのゆめ」が、
いよいよ幕を開けた。

出だしは、
ゲネプロの時以上にいい感じ。
何より主役・三浦知世役のゆみさんが、
とってもいい。

稽古中、彼女は「知世」を
掴むことがなかなか出来ず、
ずーっと苦戦しまくっていたが、
初日では私が求めていた
「三浦知世」を堂々と演じている。

彼女が堂々と貫禄のある芝居を
行っていると芝居全体が引き締まる。

それに輪をかけて、
2場で登場する
芸能事務所マネージャー「岸本良美」役の
あゆみちゃんも、本番直前に
芝居を変更したにも関わらず、
その芝居を自分のものにして、
彼女の魅力全開で「知世」と対峙し、
二人ともカッコいい!
よーし!
「老人ホーム」チームが
いい感じで芝居をスタート
させたのだから、
続く3場の「居酒屋門出」チームも
頑張らねば!

3場では、私演じる居酒屋の
常連客「源さん」が登場する。

1月に行った前回の麻布公演の楽日は、
居酒屋チームが出だしからグタグタ・・・
袖で出番を待っていた私は
イライラマックスで、
そのグタグタを挽回すべく
テンポを上げた芝居で
シーン3をひっぱったのだが、
私演じる「源さん」が、「毎度!」って
言って入ってくる時、

「お前ら、何やっとんじゃ!」

っていう私の心の声が、
この場にいた役者達は、みなちゃんと
聞こえたらしい。

もちろん、
お客様には分からないように演じたけれど、
共演者は当然分かったみたいで、
その後の芝居のテンポは戻ったのだが、
今回は最初からバシッ!と行きたいところ。

幸いにして、シーン1、シーン2と
いい感じで進んでいたので、

居酒屋チームも、
そのテンポに乗せられて
いい感じでは進んでいるが、
ただノリノリな感じではなく、
このシーンに出ている役者達は、
一歩一歩踏みしめながら
演じている感じがして
「固さ」が気になった。

その「固さ」が
継続しなければいいのだが・・・
と思いつつも芝居は順調に進み、
1幕の後半、
「老人ホーム開館40周年記念パーティー」となり、
私は下手花道の奧から、
みなの芝居をじっと観ていた時、
事件は起こったのでありました・・・・。


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