Page14–「綾部公演成功までの軌跡・・・その2」
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団長の独り言 2025.09.05-②
「綾部公演成功までの軌跡・・・その2」
今回の公演の大道具は、
デザインは三井優子さんで、
演劇まちづくりの会の小嶋さんが
リーダーとなって造って下さった。
劇場が広いので、
東京公演での「ふたりのゆめ」の
セットよりもかなり大きくなっている。
その舞台セット、
そして小道具等は我々が
劇場に到着した時には、
すでに搬入をして下さっていたし、
照明機材も、
前もって劇場スタッフの方が
全て吊って下さっていたので、
時間的に節約が出来て、
何より精神的にもゆとりが出来たのは
とてもありがたかった。
まず紗幕を全員で吊り、
いざ道具の建て込みだ。
劇団サイドからは、
大道具等の建て込みは、
建て込みを行えば
右に出るものはないと
業界でも有名な堀越の兄貴と、
堀越さんの弟子でもある、
我らの舞台監督である高橋さんに、
設計から製作まで一手に行う
エキスパート舞台美術の三井さんに、
あとは劇団メンバーの
小路さん、大野さん、澤さん。
「演劇まちづくりの会」からは
大道具リーダーの小嶋さんを含め、
3名の方がメインとなり作業を行い、
皆さんの知恵と工夫と技術力で、
立派な舞台セットが完成した。
道具が完成すると、
今度は照明さんのシュート作業の時間。
シュートとは、舞台頭上高くに吊られた
照明機材の位置を、照明オペレーターの
プラン通りの位置に合わせ、
照明機材を微調整していく作業の事。
照明さんは、
普段から大変お世話になっている
株式会社「六工房」の大塚栞さん。
大塚さんは単身綾部に乘り込み、
現地の照明会社スタッフさん2名と
劇場スタッフの井田さんと共に、
きめ細やかな作業を繰り広げてくれた。
現地スタッフの方々は
大塚さんよりも相当年配で、
しかも「初めまして」の方々なので、
「大丈夫かな?」とちょっと心配になり、
私は客席にてシュート作業を観ていたが、
大塚さんは、めちゃめちゃ頼もしい。
舞台上で照明機材を調整する
「ながーい特殊な竿?」
を持って待機する現場スタッフの方にも
物怖じする事なく、はっきりとした口調で
堂々としながらも、
ちゃんと相手を敬いながら、
的確な指示を出している。
いやぁ~大したものだ!
ちなにみ大塚さん、
待ち時間に現地照明部の方々と
笑顔でコミュニケーションをとっていたのは、
さすがだなぁ~と思った。
コミュニケーションと言えば、
舞台監督の高橋さんや音響の野中君とは
劇団の打ち上げの席でや、
飲み会の席でお話はするけれど、
照明の大塚さんや舞台美術の三井さんとは、
付き合いこそ長いものの、
飲み会等はやった事はなく、
普段の劇場でもお互いに忙しいので、
なかなか雑談等は出来なかったのだが、
今回はお二方とも
東京駅移動からずーっと一緒だったので、
大塚さんや三井さんとも
沢山お話が出来たのはすごく良かった。
そんな大塚さん率いる照明チームの
シュート作業が終わると、
今度は音響の野中君の出番。
ピアノとヴァイオリンの音の調整や、
歌を歌う役者達の
マイクのレベルチェック等、
いわゆる「サウンドチェック」が始まる。
その野中君、音響機材が結構あるので、
前日高円寺での芝居が終わったその足で、
音響機材を車に積み込み、
夜遅くに東京を出て、
綾部には我々が到着するちょっと前に到着し、
手際よく仕込みをしてくれていたのは、
さすがだ。
彼との付き合いは、
劇団創立時の前からだから約30年!
綾部でもそんな話になったのだが、
なんと!私と出会った時、
彼は20代の前半だったんだって。
サウンドチェック前、
音響ブースでそんな想い出話をした。
さてそのサウンドチェックだが、
大道具の建て込みが
予定よりもずれ込んだ影響で、
予定時刻の21時までに
終えるのは難しい。
そう読んだ舞台監督の高橋さんは、
22時までの延長申請を行う。
その事を現場にいらした
四方顧問にも伝えると、
すぐさま我々を宿舎まで送って下さる
「まちづくりの会」の皆様に、
迎えに来てくださる時間変更の
連絡を入れて下さった。
おかげ様でギリギリまで
サウンドチェック行う事が出来て、
22時ちょい前にこの日のスケジュールは
すべて終了。
劇団ふぁんハウス軍団20名は、
コオロギの鳴く夜分の中丹文化会館に
ずらりと並ぶ車に分乗させていただき、
向かうは劇中にも登場する
「フレッシュバザール」という
深夜24時までやっているスーパーへ。
ここで、夜食、お酒、お菓子など、
ブラックTシャツを着こんだ
劇団ふぁんハウス軍団がお店を占領し、
ワイワイ言いながら買い物をして、
各グループを宿舎に送って頂だき、
長い長い1日が終了したのでした。


