Page19 –「劇場でお会いしましょう」
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団長の独り言 2022.02.06
2月6日(日)「劇場でお会いしましょう」
10月2日(土)に出演者全員の
顔合わせを行い、それから早4か月。
今回は苦戦しましたなぁ・・・。
何せほら新作なものだから、
私も出演者も手探り状態の中、
試行錯誤を繰り返し、
段々「久美・美容室物語」の形が見えてきて
「いい感じかな?」と思いきや!
稽古を重ねるほど
「脚本ダメかも・・・」と
思い悩んでしまう事もあり、
半分ノイローゼ状態で脚本を練り直し、
それでもしっくりこなくて、
また落ち込んで・・・。
役者に対してはひたすら、
「芝居をしない!」「普通に!」
というダメを出し続けるが、
「抑揚のある大袈裟なセリフ」
とか、
「リズムのついたセリフの言い回し」
とか、
「甲高い声のトーン」が
こびりついてしまっているので、
「そんなお芝居はしないように!」
というダメをひたすら出し続けるが、
「演じている気」にならないのか、
どうなのか?全然ダメが通らず、
それでも根気よく
「違う」「まだ駄目」というダメ出しを
繰り返した。
それは声だけではない。
「演じる」となると、
身体にも余計な力が入りすぎてしまう
メンバーもいて、その都度
「力を抜いて、リラックスして」
と言い続けるが、こちらも、
どーしても力が入ってしまう癖は抜けず・・・
「どうしたらいいのやら?」
途方に暮れる何てこともあった。
私もそんな大層な役者じゃないし、
そもそもそんな偉そうな事を言えるほど、
役者として大成功をした奴でもないので、
偉そうな事を言っている自分自身が
なんだか空しくもなったりもしたけれど、
私だけが
違和感を覚えているわけじゃないってのは、
周りのみんなの反応で感じる事が出来るので、
「ダメを出すと本人が反発してくるかも」
ってのも覚悟して、
勇気を出し、遠慮なくダメを出し続けて
させてもらった。
そもそも芝居をしているのに、
「芝居をするな」ってどういう事?
って疑問に思う人もいたかもしれない。
それでも、やっぱり違和感があるのは
間違いないのだから、
これまで劇団ふぁんハウスが、
成功し続けてきたという歴史が裏付ける
己の実績を信じ、
「感情を演じるな」
「芝居するな」
「相手にモノを言う」
「声を低く」
という事を、
自信を持って言い続ける日々だった。
感情なんてものは、演じるものではなく、
自然と湧き起こるものだと私は思っているし、
特に今回の「久美・美容室物語」って作品は、
そういった自然な感情の動きが
芝居を引き締めるのは間違いない。
「相手にモノを言う」
「落ち着いて」ってのは、
20数年前、私が通っていた
東映演技研修所で、
金子宏先生から何度も何度も
ダメを出され続けてきた事なのだ。
あの当時は、
「この人は何を言っているんだ?」
と本当に全くもって、
先生からのダメ出しは理解出来なかった。
理解できないくせに研修所を卒業すると、
先生が主宰している劇団に入り、
数年間お世話になったけど、
やっぱり先生の創る芝居に違和感を持ち、
ダメ出しが理解出来ず、むしろ反発心すら起こり、
その劇団を辞めて私はプロダクションに入り、
映画やテレビの仕事を何作品もこなし、
舞台と言えば商業演劇に限り出演し・・・
と一時はプロの役者として喰えるようにまでなり、
金子イズムなんてのは、
すっかりどこかへ行ってしまっていたのに、
ここ数年くらい前からかな?
「相手にモノを言っていない」
「落ち着いて」
「声を低く」
なんてダメを、無意識のうちに、
ことごとく出すようになっていた。
今では金子先生が、
何を言わんとしていたのか?
すっごく良く分かる。
多分あの頃の金子先生は、
58歳だか59歳だったはずなので・・・
今、私が丁度金子先生と
同い年になったって事だ。
これまでも何度となく、
「相手にモノを言っていない」
ってダメは出したけれど、
今回ほど、
しつこくしつこく徹底的に
「相手にモノを言っていない」
「声を低く」
というダメを出し続けた事はない。
その成果が、よくやく身を結んだかな?
と感じる事が出来た昨日の土曜日、
そして今日の日曜日の通し稽古だ。
昨日の土曜日は、稽古場へ初めましての
照明・唐沢千弥子さんがお越しになる。
お見掛けしたところお若い方なのだが、
前任者の土門さんとほぼ同期だって事なので、
12年以上は照明さんとして
活躍しているって事だから、ベテランさんだ。
その唐沢さんと
舞台監督の高橋さんが見守る中、
通してみると、集中力を切らす事なく、
いい感じで持っていってくれたけど、
もう一息!
そこで夜の部の稽古でも「通し」をしよう!
と言うと、なんと唐沢さんも
お付き合いしてくれるという!
その笑顔の中に、
「職人気質」と「やる気」がにじむ。
どんな照明を魅せて下さるのか!?
楽しみです。
唐沢さん、よろしくお願いしますね。
翌・日曜日、最終通し稽古。
稽古場には、すごい音響機器を
持って来てくれた音響の野中君、
そして舞台監督の高橋さん、
受付スタッフの鄭主永君、平野美岐が
見守る中、粛々と最終通し稽古を行えば、
ダメ出しノートに描く事はほぼなくなり、
いい芝居の数々。
ちゃんと相手にモノ(セリフ)を
言っているのが何よりいいよね!
テンポもいい。
いよいよ2月11日に劇場入りだ!
こんな世の中だからこそ、
お越し下さる皆様が
笑顔になっていただける心温まる
お芝居をお届けします。
「久美・美容室物語」
面白いですよ〜。
どうぞ、ご期待くださいね。
それでは、劇場でお会いしましょう。


