Page33 –「チムドンドンする人生芸夢」

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団長の独り言 2022.05.15

「チムドンドンする人生芸夢」

次回公演、「久美・美容室物語板橋公演」は
10月20日(木)、21日(金)、
板橋区立文化会館にて開催する事が決まり、
キャストを一部変更して、さらにバージョンアップさせた
芝居にする予定なのだが、その次の第42回公演も、
2月25日(土)、26日(日)赤坂区民センターにて、
「人生芸夢」という作品を上演する予定。

この「人生芸夢」という作品は、
2003年3月「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
というタイトルで上演し、
その後、
2009年7月に「人生芸夢〜私の青空〜」
というタイトルで再び上演した。

この二つ。
同じ「人生芸夢」というタイトルで、
どちらも「ひなびた温泉街にある芝居小屋」の
お話ではあるのだが、
「夢のとおり道」と「私の青空」は、
続編的な要素のあるものの、
まったく別の作品だ。

劇団ふぁんハウスホームページを
検索していただき、
そこから「公演」→「アンケート結果」と
進んでいただくと、
過去それぞれの「人生芸夢」が
どんな作品であったのか?が
分かりやすく描かれているので、
ぜひそちらも御覧下さい。

さてさてその「人生芸夢」、
2023年2月に劇団ふぁんハウス
第42回公演として復活するのだが、
どちらの脚本をベースにすべきか?
という事を決めるべく、
過去公演ビデオを見てみた。

2003年に上演した「夢のとおり道」は、
ホームビデオで撮ったものなので、
画質もアングルも、かなり劣悪な
感じだったけど雰囲気は伝わる。

なにせ約20年前の作品だから
当たり前だけど私が若い!

そして懐かしいメンバー達が
飛んだり跳ねたりしていて
センチメンタルな気持ちになりながら、
ついつい見入ってしまう。

内容は自分で言うのもなんだけど、
一言で言えば面白い!

次に13年前に上演した「私の青空」だが、
こちらの今でもお世話になってる
ビデオ制作会社「プロスタッフ」さんが
創って下さったものなので、
3つのカメラで収録されていて、
カット割りも素晴らしく臨場感もあり、
役者の表情もよーくわかり、
鈴木千秋、小山恵子、
そして音楽はアマティアズと、
現在も大活躍してくれているメンバーに、
竹内の兄貴も三枚目の刑事さんの役で
登場している。

こちらも当たり前だけどみんな若くて、
楽しみながらじっくり観たけれど、
こちらはこちらでやはり面白い。

どちらベースにしようかなぁ?
なかなか決まらず、
月日ばかりが過ぎて行ったら大変だぁ!
あんなに時間があると思っていたのに、
顔合わせの時期が迫ってきたので、
こうなりゃ「2つの作品のいいとこ取り」
をしようと考えながらも、
「夢のとおり道」をベースに描く事にした。

そうと決まれば、
とにかく脚本を見直さねばと
テキストファイルに収められた
「人生芸夢〜夢のとおり道」を読んでいくと、
出演者がめちゃめちゃ多くて、
しかも全ての出演者に見せ場がある。

この当時は、
「来るもの拒まず」スタイルで、次から次へと
出演希望者に入団してもらっていたので、
8割芝居経験のない方が集まり、
目の見えないメンバーが10名以上、
目の見えるメンバーも10名以上という
大所帯の座組となってしまった。

なぜにここまで
人数を増やしたのかと言えば、
この公演の前の公演(第6回公演)で、
メンバーの裏切りやらあれやらこれやらで、
すっごくいやな雰囲気の中、
無理やり公演を行ったって事もあったので、
なんだろうなぁ?
私の中で意地みたいなものがあり、
「よーし!見返したろう!」
って想いで、
かなり気合を入れての公演だったので、
沢山の出演者の出るお芝居にしたんだよなぁ
・・・確か。

いわば、
当時の平野恒雄の渾身の作品ってとこかな?

もともと劇団ふぁんハウス公演は、
第6回公演まで舞台セット全てを
メンバー達が手作りで制作していたので、
そりゃーひどいものだったのだが、
何せほら、第7回公演「人生芸夢」は、
私にとっての「渾身の作品」だったので、
舞台セットもプロの方にお願いし、
なかなかの気合の入れようだった。

ただ、出演者の半分が目の見えない役者で、
しかも出演者の大半は芝居経験ゼロ。
それでも私は全ての役者に
見せ場を作ったがために、
とてもなく長い芝居となってしまったのだが、
アンケート結果でもお分かりのように公演は大成功。

苦労の連続だったけど、
出演者やスタッフ達の熱意で成功したんだよね。

この作品の成功で、今の劇団ふぁんハウスの
方向性みたいなものが完全に確立したようなもの。

その想い入れのある「人生芸夢」、
20数年経ち、私もあの頃より多少なりとも
落ち着きましたので、劇団ふぁんハウスでの
経験を生かして、最高のエンターテイメント作品に
しようと今からチムドンドンする団長でありました。


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