Page6 –「チームワーク」

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団長の独り言 2022.06.26

6月26日(日)「チームワーク」

久々に目覚まし時計のない朝を
迎えられる日曜日。

昨晩はその喜びをかみしめながら、
稽古で疲れ果て、気を失うように
床についたのは午前1時くらい?

しかし、いつもの習慣なのか?
年寄りになってきた証拠なのか?
今朝も自然と5時に目を覚ます。

しょうがないので一旦起きて、
トイレに行って水をガブガブ飲んで、
そんでタイマーで切れた扇風機を再び回し、
なんとなくうつらうつらして
夢ばっかり見ていると、
「ピンポ〜ン」と玄関のベルが鳴る。

時間は午前8時ちょうどくらい。

「誰だよ!こんな早朝に!」

と思いつつ、
インターフォンのモニターを確認すると、
「宅配便でーす」
という爽やかなお兄さん。

確かに午前中着で指定したけどさぁ〜。
まさか日曜日の午前8時に配達して下さるとは
思ってもいなかったけれど、
まぁー午前中指定で11時50分に持って
来られるよりかは全然オッケー!

早く持って来ていただいたほうが、
午前中の時間も有意義に使えるからね。

殺陣で使用する刀をありがたく受け取り、
団長としての1日が始まる。

朝食を済ませ、
なんだかんだやって車に乗り込むと、
なんだ!なんだ!
車の温度計が40度を超えている!

おいおい、
こんなに暑いんじゃ〜車が壊れるんじゃないの?
オーバーヒートになりやしないかヒヤヒヤしながら
水温計とにらめっこしつつ、目的地へと向かう。

空はどっからどう見ても、真夏の空。
梅雨明け宣言ってしてないよね?(6月26日現在)
でもこれはどうみても「梅雨明け」の空なのに、
6月だからって事で、気象庁は意地はって
「梅雨明け」って言わないのかな?
まぁーなんでもいいけど、
とにかくこれは完全に真夏の空だね。

そんな炎天下の中、
私はどこに向かっているのかといえば
劇団倉庫でして、倉庫内に眠っている
エンターテイメント的な衣裳を取りに来たのです。

やがて
車はオーバーヒートする事なく到着。

倉庫の扉を開けると、「むおぉぉぉぉ〜。」
室内温度は80度くらいあるんちゃうか?
ってほど鉄のコンテナは太陽光線で
熱せられていて、奥に行けば行くほど
室温は上昇している。

それなのに、
よりによって衣裳の入ったケースは
倉庫の一番奥に積み上げてあり、
その衣裳ケースの周りには、
様々なモノがこれでもかぁ!ってくらい
積んである。

その状態を見て
「辞めよっかなぁ〜」とも思ったけど、
今のうちに劇団内にある衣裳を
皆さんに合わせてもらって、

「着られる・着られない・
役の人物像に合う・合わない」等を
早く決めなきゃ、
色々と予定も詰まってくるので、
タイミング的にはやはり今日が望ましい。

「はぁ〜」と大きくため息をつき、
ペットボトルに入った水を数本用意して、
気合を入れていざ倉庫内へ突入開始!

倉庫の奥に入ると、そこはサウナ状態。
作業中、あまりの高温のため、
何度もめげそうになったけれど、
劇団メンバーみんなが衣裳を観た瞬間に
「うぁ〜すご〜い」って言って
笑顔になってくれる姿を想像し、

呼吸するのも苦しい中、
「うりゃ〜」「どりゃ〜」
って掛け声を掛けながら、何度も何度も
水分補給をしながら頑張ったけれど、
頭痛がはじまり、
軽い熱中症の症状らしきものが出てきた。

やばいなぁ・・・
と思いながらも自分の体調と会話しつつ、
なんとか乗り越えたけど、
作業を終え車に戻り、
ガンガンエアコンを掛けても
頭痛とめまいは治まらない。

本当は、このあと洗車でもしようかな?
コンタクトレンズ買いに行こうかな?等
思っていたけれど、
全て中止にして家に帰って冷や麦を作ってもらい、
それを食べて仮眠タァ〜イム!

約1時間半ほどかな?
クーラーを掛け熟睡したら、
かなり楽になったので、
水をガブガブ飲んでいざ稽古場へ。

到着するやいなや、「衣裳あるからね」と
言って部屋に衣裳を運び込み
お披露目すると、皆さんの反応は
想像していたよりもやや小さな
反応ではあるものの、
とても楽しそうに衣裳選びをしていて、
そんな楽しそうにしている皆さんを見て、
「頑張って持ってきた甲斐があったなぁ〜」
って嬉しくなる。

しかも!あまりにも、
誰も彼も嬉しそうにはしゃいでいたので、
予定していなかった役の人物のメンバーにも

「ドレス着てもらうかもしれないから、
どうぞ!試着してちょうだい」

とつい言ってしまうと、

「自前のドレスが家にあるので、
稽古場から10分ほどで取ってこれるので、
持ってきます!」

って事になるメンバーも現れ、
自前の衣裳を披露してもらうと、
稽古場は益々可憐な華が咲き乱れる。

ドレス姿の女性陣がずらりと勢ぞろいすると、
なんだか本編の筋と違ってくるような
気がしないでもないが、いいの!いいの!

衣裳選びをしている過程で、お互いに意見を出し合い、
褒め合うメンバー同士がすごくいい雰囲気で
コミュニケーションをとっていて、
新メンバーが加わった事で、
なんとなーくぎこちなかった稽古場に、
チームワークも芽生え、華やいだ空気が
稽古場に流れていたからね。

それにドレスを着ない予定のメンバーも、
似合っていれば、場合によっては
そんな場面もどんどん作りたいし。

やっぱりね、エンターテイメントは
華やかじゃなきゃ!

楽しく、
でも「お遊び気分だけじゃダメだよ!」
っていうメリハリもつけつつ、
この日も充実した稽古を行ったのでした。


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