「なんで俺がこんなことをやらなあかんのや」 竹本和弘
うちのベランダから手を伸ばせば届くところに
ビワの木があり、丁度今頃になると実をつけます。
その実を狙ってカラスがやってくるのも今の季節です。
毎年の恒例行事の如く。
朝から
「カーカー」
と仲間を呼んでいるのでしょうか?
数匹のカラスがうちのベランダの手すりに。
ベランダの戸を開けると、
ばさばさと大きな羽音を立てて飛んで逃げて行きます。
戸を開けたままにして網戸にしておいても
彼らはやってきます。
少し観察していると、
ビワの木の枝につかまって実をもぎ取り、
それをくわえてうちのベランダの手すりに止まり、
そこで実を食べ
種をうちのベランダに捨てている様子。
「コトン、コロコロコロ、コトン、コロコロコロ」
という種をベランダに落とす音が
聞こえるのです。
時にはベランダに降り立って
そこで実を食べている様子も窺えます。
数年前、そんなに美味しいものなのかと
手を伸ばして実を一つもぎ取って
食べてみたのですが
まずい。
八百屋やスーパーの野菜売り場で売っているものとは全然違う。
こんなものを必死になって食べにきている彼らを
ちょっと不憫に思ったものです。
先日その彼らの様子を写真で撮ってみようと試みましたが
近づくと逃げていきます。
その後、洗濯物を干しにベランダに出ると、
なんとビワの種だらけ。
まだ実が残ったものもありました。
選択物を干す前に、
ビニール袋を持ってベランダに出、
それらを拾って
その袋に入れました。
「なんでこんなことを俺がやらなあかんのや」
と思いながら。


