Page8–「細かい演出」
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団長の独り言 2024.5.26
5月26日(日) 「細かい演出」
「ふたりのゆめ板橋公演」
のチラシが完成し、
チケット発売も間もなくとなる
5月最後の土日の夕方、
いつものように全メンバーが
稽古場に顔を揃え、
充実した稽古を繰り広げる。
ここ最近、物語の前半部分の
稽古が続いているので、
昨日の土曜日で前半部分を固めて、
今日の日曜日は、
物語の後半部分の稽古を行おうかなぁ?
って予定だったけれど、
どうしても先に進められない。
いつもならば、
「まぁ~しょうがないか」となるところでも、
今回は「出来るはず!」という想いから、
細かく細かくダメを出し続ける。
一見、くだらないギャグ的要素を含んだ
ちょっとした登場シーンでも、
何度も何度もやり直し、
「そうですか?」という短い一言の
セリフの言い方も、
「それ!」となるまで、
何度も何度も言い直してもらい・・・。
もしかすると、観る人によっては、
「どっちでもいいよ」となるような
ホントに細かいこだわりかもしれない。
だからと言って、今までのように
「しょうがないかぁ・・・」
と諦めることはせず、
私の想いを遠慮なくぶつけ、
ひたすら同じダメを出し続ける。
ただ・・・
ダメを出され続けている役者は
たまったもんじゃないだろう。
それでも、なんとしてでも、
「演出」の想いに応えようとしてくれる。
「出来ない」理由をもっともらしく述べ、
演出に無意味な議論をふっかける人は
誰一人としていない。
そんなメンバーとの信頼関係が
あるという大前提だからこそ、
私も「あえて」細かいダメも、
遠慮なく出させて
いただいているんだけどね。
そういえば、
劇団ふぁんハウスを26年も続けていると、
色々なタイプの役者がおりました。
ダメを出す度に不満そうな顔をする人。
「こんな事をやって
何の意味があるんですかぁ?」
と言って、
「自分が出来ない理由」を正当化するため、
稽古を何度も中断させて、議論をしたがる人。
私の本音としては、
「そんな事はいいから、
まずは演出の要望通りに演じてみてよ」
ってところ。
でもね、そういった役者と、
まともに対峙していたら、
稽古時間がいくらあっても足りないわけで、
こういう時は、自分の「こだわり」を
押し付ける事はさっさと諦めて、
これまで心血注いで描き上げた
脚本であるにも関わらず、
時には躊躇する事なく、
セリフや役の人物設定を、
演じる役者がやりやすいように、
大幅に変更するという事もやってきた。
こうする事によって、
稽古はドンドン進むし、
気心の知れていない役者との
大人な関係性も保てるからね。
実際、柔軟に
役者の個性と癖と技量に応じて、
脚本や演出を変更してみたら、
その役者にしか出来ない
味を見つけ出せる事も多々あったし、
そこからまた新たなる
アイディアが浮かんで、
それはそれでおもろい脚本へと
生まれ変わるって事も、
しょっちゅうあった。
だから役者の技量に合わせて、
演出や脚本を変更するってのも、
それはそれでありだと、
私は思っている。
でも今回は、私の「こだわり」を
キチンと演じてもらいたいなぁ~って
何故か強く思うわけですよ。
「こだわり」って言っても、
明確なる綿密な演出プランが
あるわけじゃないのだが、
演出席に座って、
皆さんの「完成した」と思われる
芝居を観ているとね、
「もっと出来るだろう!」
って今回は特に感じてしまうんです。
ちょっと偉そうに言わせてもらえば、
「殻をぶち破って欲しい!」
ってところ。
ただこの
「殻をぶち破る」というダメ出しを、
「ハチャメチャになる」と勘違いをして、
「悪ふざけ」をすることが
「殻をぶちやぶる」事だと思っている
人もいるので、そこは注意が必要。
決して悪ふざけをして欲しい
わけではないし、受け狙いの
うすっぺらい芝居を
してもらいたいわけでもない。
稽古中、そんな話をしつつも、
「こんな風に!」
って私が実演してみたり、
本題とは直接関係のない例え話で、
私の意図を理解して貰おうとしたり、
あとは「蒲田行進曲」の
銀ちゃんまで私が演じってみたり・・と、
そんなもんだから、
稽古が全然進まないのです。
でもいいんです!
ダメを出した後、芝居は幅が広がり、
観ていてグッと惹きつけられる
箇所がどんどん登場しているからね。
ただ、さすがに、
いつまでもこんな事細かな
稽古をしてもいられないので、
せめて
「同じダメ出しをされない」よう、
よろしく頼みますよ~。


