Page10–「演劇の冒険者」
『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2024.6.09
6月9日(日) 「演劇の冒険者」
今週も当たり前のように
土曜日、日曜日がやってきて、
これまた当たり前のように、
メンバー達が元気に
稽古場に顔を揃える。
稽古場の雰囲気はすごくいい。
その雰囲気の中、
充実した稽古を行うと、
ここ最近はどの役者も
気持ちいいくらい良くダメがとおる。
だから稽古も順調に進む。
土曜日に出された同じダメを
今日は出さずに済むというのは、
本当に演出家冥利に尽きるというもの。
各役者は、
ダメ出しの意味をちゃんと理解していて、
私の想像をはるかに上回る芝居で、
ダメを通す実力も
皆さん持ち合わせているので、
演出をしてもとても楽しい。
この調子で進めば、かなり完成度の高い
芝居になるのは間違いない。
それでも、さらに上を目指してもらうべく、
あえてダメを出すと、そのダメに応えようと、
またさらにいい感じの芝居となるので、
そのいい感じの芝居が共演者に波及して、
ちゃんと相手に届くセリフで、
会話のキャッチボールも出来ていて、
聞いていて心地よい。
早口でセリフをまくしたてる者もいないし、
たんに大声を出して何を言っているのか?
分からないようなセリフを言うものもいないし、
身体に余計な力が入って、
ロボットのような動きをする役者もいない。
これまで声が小さいと
指摘を受けた役者も声量が増して、
それでいて怒鳴っているわけじゃなく、
ちゃんとセリフが届くという
技量も身についていて、
かなりハイレベルな芝居となっているのは、
死に物狂いで自主稽古をしたのでしょう。
何度も何度も台本を読み込んで、
稽古日以外でも、
極力、集まれるメンバー達は
稽古場に集まっているそうだ。
みな稽古のない時でも、
普段からちゃんと発声練習を
続けているのだろうし、
毎日のように台本と
にらめっこしている賜物だろう。
本稽古で行うのは、
発表の場であるというのも、
ちゃんと理解をしているからこそ、
本稽古のない時間では、
本気で努力している。
それほどの努力をしなきゃ、
あそこまで成長しない。
ちょいと前の劇団ふぁんハウスでは、
どうしても出来ない人がいた場合、
セリフを大幅にカットされたし、
役を降ろされるってこともあった。
さすがに今はそこまではないけれど、
それでも今のメンバー達は、
つねに緊張感を持って稽古に挑んでいる。
自分の頭の中だけで、
色々な理屈を考えて、
それが正しく間違っている
ということもなくなり、
余計な事を考えず、
素直に演じるのが結果として
ナチュラルな感情を呼び起こし、
そのナチュラルさが相手役に伝わり、
相乗効果でますます
いい感じになっているシーンもある。
これはお互いのコミュニケーションが
ちゃんと取れているからこそ。
感心したのが、メンバーを
思いやる気持ちも持っていて、
「相手の立場」で、
モノを考える事が出来るので、
ギクシャクした稽古場にはならず、
例えばダメを出されて
悩んでいる役者がいると、
「自主稽古しましょう」と、
誰からともなく
声をかけあうという環境。
皆さん、普段は色々とお忙しいので、
劇団ふぁんハウスに人生全てを捧げる!
というわけにはいかないけれど、
それでも、
「ちゃんとした芝居を創る責任」
を皆が自覚しているからこそ、
自主稽古に参加出来ないものは
ちゃんと自分で訓練しているし、
自主稽古に参加できるものは参加して、
メンバー同士のコミュニケーションを
大切にしている。
今日も稽古終了後、
すぐにそれぞれが声を掛け合い、
忙しい時間を割いて、
それぞれのセクションでの
稽古を行う計画をたてていた。
当然、
メンバーが厳しいダメを出されている最中に
居眠りをするなんて人はいない。
(当たり前だね・・・笑)
この調子でいけば、
おそらく今度の稽古では、
さらなるいい芝居が期待できる。
劇団ふぁんハウスを設立し26年目。
今では、劇団ふぁんハウスの
本当のファンの方も
大勢いて下さる劇団となっている。
そうした全てのお客様のためにも、
ちゃんとした
本物の芝居をお届けするために、
「まっ、いいか」はなくして、
ちゃんと、やって行こうと思う。
これは前回号にも描いた
劇団「惑星ピスタチオ」の元所属で、
現在は病気療養中の保村大和さんが、
10数年前、劇団ふぁんハウス公演を
ご覧になっあ後に下さったメッセージ。
(惑星ピスタチオ・・・
1989年~2000年まで活動。
腹筋善之介、佐々木蔵之介、保村大和らが所属
観客動員20000人を突破し、
日本の小劇場界で大人気を博した演劇集団)
ここから・・・保村さんのメッセージ。
「大変面白く、感動しました。
ふぁんハウスさんの取り組んでいることは、
きっとまだ誰も踏み込んだことのない
領域への冒険の旅だと思います。
まさに演劇の冒険者です。
色々なことを
言ってくる奴もいるでしょうし、
道に迷うこともあるでしょうけど、
ふぁんハウスにしか
たどり着くことのできない
『ふぁんハウス流・本物の芝居』
を目指して突き進んでください!」
まさに「本物」の方からの
このような熱いメッセージは、
とても勇気を頂ける。
稽古が出来る事に感謝して、
「演劇の冒険者」の旅は続くのでした。


