Page15–「『夏の夜空へ 板橋公演』 を振り返る」

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団長の独り言 2025.04.17-1

「夏の夜空へ板橋公演」を振り返る

「夏の夜空へ板橋公演」、終わりました。
お越しいただきました多くのお客様、そして、
劇団ふぁんハウスを支えて下さった
多くの関係者の皆様、
本当にありがとうございました。

お客様が描いて下さったアンケートを拝見し、
今回も大変楽しんでいただけというご意見、
ご感想が圧倒的に多く、
また大きなミスや事故等もなかったので、
公演自体は
「成功」と言えるのかもしれませんが、

劇団的には
反省点やら悔しい点等が沢山あり、
同じ「悔しさ」を繰り返さぬよう
気持ちを引き締めなきゃ!というのが、
公演終了2日経った現在の心境です。

そんな
「夏の夜空へ板橋公演」を仕込みの日から、
振り返っていきたいと思います。

4月17日(木)天気は晴れ。

午前6時30分、劇団倉庫集合。
いよいよ「夏の夜空へ板橋公演」が始まる。

劇団倉庫には、舞台監督の高橋さんと
劇団メンバー9名が集まる。

ここ10数年間、
劇団ふぁんハウス公演は
夏か冬かだったのだが今回4月。

「どんな服装で作業をしたらいいか?」

という事に悩む。

倉庫での作業は、
動いているうちに暑くなるのは
分かっているけれど、
起きた時点(午前4時)での
外の気温は13度とか14度とかで、
体感的に「寒い」と感じる。

ただ天気予報では、
日中は25度くらいまで
気温はあがるみたいなので、
仕込みの間、
外出もせねばならない状況も
ありうることを考えると、
うーん・・・

結局、半袖Tシャツに
ふぁんハウストレーナーに、
薄手だけど内側にボアの付いている
ジャンパーを着て、念のため
ウルトラ・ダウンジャケット
(薄手のダウンジャケット)を持ち、
美鶴さん(平野美鶴)と共に劇団倉庫へ。

集合時間の10分ほど前に到着すると、
既に全てのメンバーが揃っている。

どの顔も笑顔、笑顔、笑顔!

朝早くから「ありがとう~」って
思いつつ車を降りると、ひんやり寒い。

風邪をひいては一大事なので、
私は薄手のジャンパーの上から
ウルトラダウンジャケットを羽織り、
真冬の装いで
トラックの到着を待っていると、
来ました!
シゲタさんの2トンロングのトラック。

扉を開けると、
前日、舞台美術さんの倉庫で積み込んだ
今回の舞台装置が!

「今回はこれかぁ!」

と思いつつ、劇団倉庫内の道具類を
ジャンジャン出して行く。

すると・・・
ドライバーさんが不慣れなのか?
どうなのか?
荷台の上にはいるものの、
特に指示をしてくれる雰囲気でもなく、
荷台の下にドンドンと
物が増えていく。

そもそも美術さんの
倉庫からの積み方も甘い。

このまま任せていても時間はかかるし、
全部乗り切れないぞ!と判断し、

ドライバーさんには
荷台から降りてもらって、
私はトラックの荷台に素早く乘りこみ、
劇団メンバーに指示を出しつつ、
ガンガンと積み込んでいく。

最初の積み方が甘かったので
かなり苦戦するが、
私が若い頃、売れない役者時代に
様々な運送屋さんで働き、
10トン車で全国各地を走っていたし、
2トン車や4トン車で、
数十軒以上の引っ越し業務を
こなした経験もあるので、

この荷物の量であれば、
どんな積み方をしなきゃいけないか?
というものは今でも感覚的に分かる。

そこで右肩をかばいつつ、
「次、それちょうだい」
「その次にソファー行こうか!」
「あと何がある?」等の指示を出し、
約1時間ほどで積み込み終了。

普段来て下さる、すっかり
顔見知りとなったドライバーさん達は、
めちゃめちゃ積込みが上手だし、
劇団ふぁんハウスの荷物の癖も
よーく把握して下さっているから、
シゲタさんには絶対的な信頼を寄せている。

この日来てくれたドライバーさんも
不慣れではあるが、
人柄はめちゃちゃいいし、
無事にこの荷物を安全に
運んで下さればそれでいいので、
クレームを入れる事もせず、
荷物の積込みを完了させた。

荷積を終え、
ドライバーさんと笑顔で世間話を交わし、
一足先に劇場へ向かうトラックに、
みんなで手を振って見送る。
無事劇場まで運んでねぇ~。

トラックを見送った倉庫作業チームは、
恒例のセブンイレブンで朝ご飯を購入。
移動中の車の中で食べるんだけど、
初参加の「おにたん」事、鬼丸祥子さんが、
「これって何ご飯ですか?」と聞いてきた。

彼女としては、お昼ご飯を
買う時間もないのかもしれないと
思っての質問だったのだが、
新鮮な質問にちょっとほっこり。

朝の渋滞にはまりつつ、
8時30分過ぎ劇場に到着すれば、
トラックはすでに到着していて、
駅から目のみえないメンバーを
誘導するメンバー達や、
照明スタッフの皆様も
続々と劇場前に集まってくる。

そんな「ふぁんハウス一家」と
笑顔で他愛もない話をしていると
開門時間となり、
それ~いけ~とばかりに搬入開始。

ここの劇場は、
超巨大な搬入用エレベーターが
備え付けられているので、
2階小ホールへの搬入は効率よく行える。

みなで手分けをして、
トラック満載の荷物を降ろし切り
ドライバーさんに挨拶をすると、
「成功をお祈りいたします!」と、
ちょっと照れた感じで言ってくたので、
私は「ありがとう!」と満面の笑顔で返す。
彼の言葉がすごく嬉しく、胸に沁みる。
(そんな事を言われたのは初めて!)

そんなささやかな出来事がありつつも、
全ての荷物を劇場に運び込むと、
受付設置チーム、舞台建て込みチーム、
楽屋作業チームに分かれて、
作業を開始するのでした。


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