Page21–「『夏の夜空へ』への想い 」 (鈴木千秋)」
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団長の独り言 2025.06.02
「『夏の夜空へ』への想い 」 (鈴木千秋)
皆様こんにちは。
団長・平野恒雄に代わり、
今週は鈴木千秋が
『独り言』を担当いたします。
よろしくお願いいたします。
4月の「夏の夜空へ 板橋公演」を
終えて1か月ちょっと。
新年度に突入する慌ただしさも
あったからでしょうか、
日々、目まぐるしく過ぎてゆきます。
きちんと自分の現在地を確かめつつ、
今後の劇団活動に備えねば!
と、気持ち引き締めております。
18年前の初演から
出演している「夏の夜空へ」。
13年前・12年前の再演に続き、
4回目の上演でも、
同じ役を拝命しました。
再演作品に出演できることも、
必ずしも同じ役で出演できるとは
限らないので、ありがたくもあり、
身の引き締まる思いでした。
それにしても、
18年も前の作品に出演していたとは、
劇団ふぁんハウスとの付き合いも
随分長くなりました。
ライフワークと言ってもいいくらい、
「劇団ふぁんハウス」は
切り離せないものとなっています。
劇団ふぁんハウスとの出会いは、
友人に誘われて
劇団ふぁんハウス公演を
観に行ったことがきっかけです。
当時、
私は劇団ふぁんハウスのことは知らず、
また視覚障害についての
知識もありませんでした。
公演を観る前に、
劇団ふぁんハウスが
どんな劇団か調べてみると…
おや?飲み会の写真が
たくさんアップされています。
「団長がコーラが好き」、
ということが分かりました!
そして、とても熱く一生懸命、
活動していることも分かりました。
劇団ふぁんハウスへの知識が
それほどほない状態で
舞台を観ましたが、
生演奏のエネルギーに心を掴まれ、
ひたむきに芝居と向き合う姿に、
とても感動したことを覚えています。
それからしばらくして、
稽古見学を経て、
劇団ふぁんハウス作品に
出演することになりました。
最初に出演した作品は、
約20年前、
急きょ代役で稽古途中からの
参加でした。
稽古がかなり進んだところに、
新参者の私が入る状況になりますので、
心を決めて出演することにし、
緊張のなか、
初めての稽古に参加しました。
相当プレッシャーはあったはずなのに、
幸い?私はあまり緊張しているように
見られないようで、なんとか皆と
うまくやっていけたように思います。
劇団ふぁんハウスの公演では、
見えない人が、見える人の役を
演じることがあります。
そのため、私も見えない人に、
見える人の動きを
伝えることがありました。
その作品には、
皆でダンスを踊るシーンもあったので、
ダンスの振り付けも、
皆と一緒に稽古したと思います。
それから、歩く、イスに座る、
人と話をする・・・等、
日頃行なっている
「見える人の動きを伝える」
ということは、とても新鮮な気持ちで、
自分自身を見つめ直すことにも繋がり、
発見の連続でした。
そんな劇団ふぁんハウス初出演から2年後、
「夏の夜空へ」の初演がありました。
劇団ふぁんハウスで
私が演じてきた役は、
明るく一生懸命な新人キャラが
多かったのですが、
「夏の夜空へ」では、
それまでとは全くイメージの違う
役でした。
今回、再演するに当たり、
あらためて初演・再演の
「夏の夜空へ」の映像を観ました。
当時、低めの声を出せるように
意識していたのですが、
今とは声が全然違います。
声は高いし、
何より若いことに驚きました!
(当然といえば当然なのですが…)
そして芝居も若かったなぁ、
と感じました。
そのときにしか出せない声や、
身体の動きもあるかもしれませんが、
今できる精一杯を出せるよう、
2025年版の「夏の夜空へ」に
挑みました。
今までの公演でも、
毎回、反省点・課題はあったのですが、
今回も、反省点が多く、
反省点ばかりで、
深い海の底から
なかなか浮かび上がれない
気持ちでおりました。
それでも、
脚本・作品の良さ、演出の良さ、
共演者やスタッフの皆様との
チームワークの良さで、
お客様はお芝居を楽しんでくださり、
また感動もしてくださったとのこと。
本当にありがたいことだと思います。
20年という節目の年、
自分自身と向き合い、
一歩ずつ丁寧に
歩んでいきたいと思います。
そして劇団ふぁんハウスは、
9月の「ふたりのゆめ 綾部公演」、
来年1月の
「夏の夜空へ 麻布公演」に向けて、
精力的に動いていきます。
梅雨入り前の
すっきりしない天気が続きますが、
ぜひ元気な劇団ふぁんハウスの活動を、
ホームページやSNSで
チェックしていただき、
健やかにお過ごしいただければ
嬉しいです。