Page3 -「変化する脚本!」

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団長の独り言 2021.10.17

10月17日(日)「変化する脚本!」

先週に引き続き、
今週の土日も読み合わせを行ったのだが、
まずはTさんが脚本をチェックしてくださった
箇所をみんなに伝える。

Tさんというのは、2年ほど前の
「夢めぐり・板橋公演」で
劇団ふぁんハウスの
芝居を初めて御覧になられた方で、

その数日後、芝居の感想とご指摘を
メールにて送って下さったのだが、
驚いたのはその内容!

どれもこれも全て、
「なるほど!」「確かにそうだなぁ!」
というものばかりで、
しかもそのご指摘には愛情があり、尚且つ、
作者であり演出でもある私の想い以上の部分まで
キチンと観て下さっているのがよーく伝わる感想に、
いたく感動した。

そこで、(当時)出来立てのホヤホヤの
「明日への旅路」の脚本を、
Tさんにチェックしていただきたくなり、
勇気を振り絞って
「描き上げた脚本の感想と矛盾点等
お聞かせくださいませんか?」
という連絡をとってみたのだ。

メンバーからは、
何処のどなたかも分からない方に、
未発表の「新作」の添削をお願いするなんて、
それはいくらなんでも・・・って言われたけれど、
演じる立場の人間からだけの感想ではなく、
完全なるお客様目線での第三者の方にも
チェックしてもらいたいなぁーって、
常日頃から思っていたので、
素晴らしい感想を下さった
Tさんならば、きっと的確な意見を
言ってくださるに違いない!と想い、
ダメ元でお願いをしてみたのですよ。

そしたら、
とっても快く引き受けてくださり、
ドキドキしながら、
脚本を郵送させていただいたのだ。

その数日後だったかな?
Tさんは、お送りした脚本をわざわざコピーして、
何十箇所にもわたって気になる部分を抜粋し、
赤ペンで添削してくださったものと、
手書きの暖かい感想文を送ってきて下さった。

丁寧さとご指摘の的確さはもちろんのこと、
勇気のいただけるTさんからの感想文も拝読し、
またまた私は感動してしまう。

こりゃーどうしてもTさんとお会いして
直接お話を伺いたくなり、山手線の某駅の
「ルノワール」という喫茶店で初めてお会いした。

約2時間くらいだったかな?
「初めまして」のTさんと平野作品について語り合い、
Tさんがとってもお好きな女優さんやお芝居のお話も伺い、
すっごく有意義な時間を過ごさせていただいた。

その日の稽古では、Tさんからご指摘を
受けた矛盾点や改良点等を修正し、
「もっとこうしたほうがいいのでは?」という
Tさんからのアドバイスもそのまま採用させていただき、
「明日への旅路」は完成し、大成功を収める事が出来た。

その次の作品「ざ・クリーンキーパー」も、
昨年の春ごろかな?
もちろんTさんに添削をお願いした。

ただちょうどコロナが猛威を振るい始めた時期で、
お会いしてお話するのも憚るような世の中であったので、
この時はメールにてのやり取りのみであった。
(劇場には赤坂、板橋ともにお越し下さったのだが、
コロナ禍なのでご挨拶すら出来ず・・。)

そして「久美美容室物語」。
今回もTさんは脚本のチェックと
ご感想を快く引き受けて下さり、
先日、約2年半ぶりに「ルノワール」でお会いして、
これまでのお礼と、
今回の作品についてのお話をさせて頂く。

その1週間後、今回もとても丁寧な添削と、
ありがたいご感想を速達にて郵送してくださった。

ドキドキしつつ読ませていただくと、
相変わらず「なるほどなぁ!」のオンパレード!

本当にTさんって凄い!と改めて思う。

で、ご指摘いただいた箇所で、
明らかにおかしな所はどんどん修正し、
脚本の内容そのものに触れる箇所に関しては、
稽古の始まる前、みんなで議論に議論を重ねた。

Tさんのご指摘は、
その場面を演じる役者達も実は「ん?」って
思っていたそうだが、それぞれがバラバラの
解釈をしていたという事が分かったので、
ここはTさんのご指摘を踏まえた上で、
みなの意識統一すべく、有意義な話合いを行い、
誰もが納得する脚本へと修正する事が出来た。

こうして、修正やカットを繰り返し、
私の凸凹した脚本が、
なんだかいい感じになってきた。

その「いい感じの脚本」を使っての今日の稽古は、
「読み合わせ」だけのつもりだったのに、
いてもたってもいられなくなり、
気が付けば立ち稽古となってしまう。

するとどうだろう!
座って演じているのと違って、
みなの表現力にもエネルギーが増し、
各人物のキャラクター像もはっきりしてきた!

でも、まだまだ始まったばかり。
長丁場の稽古!気を引き締めて行こうと
思うのでありました。


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