「立ち稽古!」 小山恵子

ここ最近、秋を通り越して急に冬になったような寒さ。
特に朝、晩の寒さには肩をすくめてしまうほどの風。
コロナ感染が落ち着いてきたものの、
この寒さの中、体調管理はますます要注意です。

10月に入ってから新作の舞台の稽古が始まりました。

今回の稽古では珍しく前もって仮台本を配り、
同時に配役の発表となりました。
こんなことは私の知る限りでは、
ふぁんハウスで初めてのことです。

だいたい稽古の初日に稽古場で仮台本を渡されて、
全員が初見で読み合わせ。
この読み合わせはオーディションのようなもので、
読み合わせを進めていきながら
「今度はこの役を読んで下さい。」とコロコロ読む役が変わります。

いくら初見だからといえども、
役者をやるからには活字に慣れて、
スラスラ読めなくてはいけない。
そんな話を何度も聞いていたので、
手に汗握るほど毎回ドキドキでした。

そのオーディション兼ねた読み合わせを1、2回してから、
配役が決定。
そして改めていただいた役で読み合わせ。
この読み合わせは2回位してから、
すぐ「荒立ち」稽古をやっていました。

今回みたいに読み合わせに時間を掛けたのは初めてで、
その分、新作執筆の経緯やメンバーの感想等じっくり話して
読み合わせができたのは役作りにおいて非常に為になったと思います。

私の印象だと今までの「荒立ち」稽古は、
「立ち」稽古。
たまたま当時の私の配役がそうだったのか
説明台詞をまくしたてながらテキパキと動く演出がついて、
とてもでないけど台本を見ながら出来るものではなく、
大変な思いをしました。
これって「荒立ち」じゃなくすでに「立ち」稽古!?汗って感じでした(笑)
その時、例に挙げて団長がお話されたのが「佐々木蔵之介さんのデビルマン」でした。

団長はどんな時でも解りやすい言葉で丁寧に演出してくださいます。
そればずっと変わってないです。

先週の稽古の時も、
役者でもある団長はプロの役者の話の流れから、
荒立ち稽古になり、
自ら動いて演出(演技指導)してくださいました。
二枚目であるはずの団長が、
目線、歩き方、立ち止まり方、振り向き方、間の取り方、メリハリ、
すべてにおいて面白く、ちょっと大阪テイストで引き込まれてしまう動きをします。

団長は役者としても本当にすごい方なんだなぁーと感じると同時に
自分の小ささを痛感しました。

もっともっと頭も心も柔らかく柔軟性をもって、
想像力を働かせてどんどん動いて、
舞台「久美美容室物語」をつくって行きたいと思いました。


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