「綾部公演を終えて」 小池陽子
皆様、週替り日記初登場の小池陽子です。
ふぁんハウスでは、役名は違えどマイペースなオバハン役で出演し続けて早5年、
思いがけず綾部公演にも同行させて頂くことになりました。
公演が決まり、まず思ったのが、
自分が住んでいる街を舞台にした芝居の役者に、
やって欲しいことまたやめて欲しいこと。
勿論お客様に良い街だと感じて貰いたいし、嘘や誤解はあって欲しくない。
私が演じた「山本陽子」は、おそらく関東圏で生まれ育ち、
東京近郊の老人ホームに住んでいます。
ラスト近くで初めて綾部を訪れ、その後リピーター旅行者になりましたが、
綾部を語るセリフは、東京からの交通経路ぐらい。
その中で何ができるかと、綾部市のホームページなどを探していたら、
「綾部踊り」が目にとまりました。
「やしとこせ」という囃子詞が特徴の 三百年を超える伝統を持つ踊りで、
毎年グンゼスクエアで盆踊り大会も行われているとのこと。
ふぁんハウスの芝居は、すべての登場人物に見所が用意されていて、
山本陽子にも一幕のラスト近くに、センターで思い切りアピールできる、
芝居の全エネルギー…とはいかないまでも6割ぐらい注ぎたくなるシーンがありました。
そこで試しに稽古で「やしとこせ!」とやってみたところ、団長のOKをいただき、
日本舞踊の名取でもある主演のますだゆみさんが元の踊りを参考に振りを考えてくれました。
殘念ながら私がやると優雅のカケラもなく申し訳ない限りでしたが。
ただ、気になったのは情報源がネットだけなので、
綾部の方々の多くが実は御存知なかったらどうしよう、ということ。
どなたか地元の方に伺いたいと思いつつ、綾部入りするまで機会もなく、
ようやくご挨拶できた地元の方々にも、
いきなり「綾部踊はご存知ですか」と尋ねるのもはばかられ…
ようやくお話できたのがホテルの受付の気さくなおじ様。
「あれはこの辺りとは違う地域の踊りなんだよね。
若い頃ちょっとやったけど忘れちゃった」という情報をいただき、
余程うまくやらないと思い切りスベるかも…と一晩快適なホテルで熟睡しながら考えましたが、
やはり空気読めないオバハンの見せ場はテンポリズムが命!なので、
稽古通りやらせて頂きました。
嘘や誤解を感じたお客様が、おられましたら、この場を借りてお詫び申し上げます(汗)
ちなみに、一番湧いていだけたかな、と思えたのは、
件の交通経路説明セリフ「京都から特急きのさきに乗ればいいんでしょ?」でした。
勿論、他のシーンでもほぼ満員の客席から、たくさんのパワーをいただき、
舞台はお客様と共につくり上げるものだと改めて実感しました。
暑い中ご観劇くださったお客様、公演にご尽力また応援してくださった多くの方々、
本当にありがとうございました。
今回は、劇場、スーパー、ホテルの三点移動で終わってしまったので、
次はゆっくり訪れたいです。


