「昭和館とリンクして」 Amatias

「昭和館とリンクして」 Amatias

「久美・美容室物語」は、昭和の暖かな雰囲気の美容室をメイン舞台に、
そこに集う人たちの人間模様を感じることのできる作品ですが、
公演が終わってしばらくした頃に、
3年前に行った昭和館のことをふと思い出しました。
日本全国には、昭和をテーマにした見学施設はたくさんありますが、
私が行ったのは岐阜県高山市にある「高山昭和館」というところでした。

ここは、一つの建物の中に雑貨屋さんや診療所、電気屋さんや
玩具屋さんといったエリアが所狭しと並んでいて、
その中に置いてある物にも自由に触れたり動かしたりして楽しむことができるんです。
パーマ屋さんはありませんでしたが床屋さんが再現されていて、
ブラウン管テレビでは昭和30年代くらいに放映されていた紅白の模様も流れていて、
なかなかいい雰囲気でした。(テレビで放映される内容は逐一変わるそうですが)
2階には暖炉が据えられた昔ながらの家があって、
テレビではアニメや当時のドラマなんかも流れていたり、
一家団欒の風景まで忠実に再現されていたのには驚きました!
さらに、日にもよりますが小学校のエリアでは、
その頃主流だったアルマイト製の食器で当時の給食を食べることもできるのですが、
私が行ったときはゴールデンウィークだったので、その企画はありませんでした。

初めて台本をいただいたときに真っ先にイメージしたのが、
この昭和館のような風景でした。
近所同士の付き合いも今よりも強くて、
奥様達の井戸端会議と題したコミュニケーションを積極的に取ったり、
調味料の貸し借りなんかもしょっちゅう行われていたりしたのかなぁとか、
想像はどんどん膨らんでいました。
「久美・美容室物語」の主人公の久美さんも、きっとこんな環境の中で
育ってきたのかも知れないなぁなんて考えたら、
何だかほのぼのと暖かい気持ちになりました。
コロナが少し落ち着いてきたら、また高山の昭和館を訪れたいものです!


共有: