Page27 –「課題を試すチャンス到来か?」(Amatias)

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団長の独り言 2022.03.27

「課題を試すチャンス到来か?」(Amatias)

「団長の独り言」をご愛読の皆さま、
約7ヶ月ぶりのご無沙汰です。
何週かに渡り、「劇団メンバーの独り言」ということで、
この「団長の独り言」をお送りしておりますが、
今回はAmatiasが音楽に関する
話題満載でお届けいたします。
よろしくお願いします。

公益財団法人
港区スポーツふれあい文化健康財団特別共催の下、
上演いたしました
「久美・美容室物語」も、
大成功のうちに幕を閉じることができました。

それに加えて
コロナ禍となって3度目となった40回公演にも、
大勢のお客様にお越しいただけたことに、
ただただ感謝の気持ちがあふれてきます。

ふぁんハウスの公演も40回という節目を迎えたものの、
タイミング悪くコロナが猛威をふるっていた時期だったので、

「何事もなく無事に幕が上がるんだろうか」

とか、

「公演そのものが上演できるんだろうか」と、
今回ほど不安に駆られたことはありませんでした。

手指の消毒や換気を欠かさずに行い、
マスクにフェイスシールド姿という予防対策を
これでもかというほど万全に行いながら稽古を重ね、
劇場入りをして場当たり・公開ゲネプロ・本番と進み、
大きなトラブルもなく幕が下りたときは、
何とも言えない安堵感が体中を駆け巡っていました。

やむなくイベントや公演などの
中止を知らせるニュースが次々と流れる中、
様々なポジションで
私たちを支えて下さった方々のご尽力と、
私たちの舞台を楽しみにして下さっている
お客様がいらっしゃったからこそ、
一人の感染者も出すことなく
成功を収められたことに、
大きな自信を感じたからだと思っています。

「久美・美容室物語」の台本をいただいたとき、
今回のメインテーマを作る参考にってことで、
25年前に放映されていた連続テレビ小説「あぐり」の
総集編のDVDを借りて、
時間を見つけてはそれを見ていました。

主要舞台が美容室という共通点もあり、
その時の音楽構成を確かめることで
曲作りのヒントが発掘できるかもしれないと
見始めたまでは良かったんですが、
当時リアルタイムでも見ていたからか、
ストーリー展開の方がどうしても気になってしまい、
なかなか一筋縄ではいきません。

それでも、
「あぁ、この曲よく流れていた」
って事など段々思い出し、番組を見終えた後、
「それほど派手さはない代わりに、
繊細さを前面に押し出した構成だったんだ」

という結論にたどり着きました。

前回のAmatiasの独り言で、
情熱的な演奏が特異な半面、繊細な表現が
苦手でこれを克服しようと突破口を探す一歩を
踏み出したことを書きましたが、早速それが
試されるときが来たんだと、脚本を読み進めながら
そう痛感したものでした。

人から教わったり本などで知識を得るよりも、
経験を繰り返していくことで身につくという
意味のことわざに、「習うより慣れよ」というのが
あります。

音楽はもちろんですが音楽以外のことでも、
机の上での理論よりも実践や体験を通じて
習得していく方が性に合っていました。

私自身の性格の問題もあるでしょうが、
論理や理論云々といった勉強が
あまり好きではありませんが、
現在でもこの点はあまり変わっていません。

前回の稽古がない期間中、
大学生の頃に教わっていた
先生に相談しに行ったときも、
「まぁとにかく、実際に弾いてみて、
その後順に進めていこうか」と、
理論よりもとにかく実践ありきで
助言をいただけたことも、大きな一歩となりました。

もちろん、理論や理屈を軽視してはいけませんが、
自宅で練習してもどうしても答えが出なければ、
普段の稽古で一つ一つ習得していこうと決めて、
毎回の稽古に臨みました。

加えて、常に満員の劇場を想像しつつ、
楽しみながら演じようという気持ちも
いつも忘れませんでした。

指全体にふわっと体重をかけるような
ソフトな打鍵方法を教わったことが
功を奏し始め、稽古も佳境に入ってきたころには
違和感なく役者と
ようやく一体化できたと思います。

道のりは長かったですが、
確かな手ごたえをつかんで臨んだ本番を終えた後、
「今回は優しい部分も結構演奏に
現れてたんじゃない?」

という、こちらが恐縮してしまうような
感想をお客様からいただきました。

まだまだ追及しなければ
いけないところはたくさんあるとは言えども、
このような意見をお客様からいただけたことで、
繊細さへの大きな一歩は
確実に踏み出せたと思っています。

「久美・美容室物語」は、
秋ごろに更にパワーアップした舞台を
板橋でもお届けする予定となっています。

赤坂公演をやむなく見逃してしまったという方、
初めてふぁんハウスの公演をご覧になるという方、
もちろん赤坂でご覧になった方にも
お楽しみいただけるよう、私自身も
今回いただいた感想を糧に、
繊細さも含めてより幅広い表現を引き続き
探求し続けていこうと、
気持ちを新たにしているところです♪


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