Page11 – 「トチリ・ゼロ運動」

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団長の独り言　2021.06.13

6月13日「トチリ・ゼロ運動」

6月に入り緊急事態宣言は延長されたけれど、
稽古場として利用させていただいている
施設の「夜間利用禁止」が解除になったみたい。

但し、
本来は21時30分まで利用出来るけど、
21時までという時間制限があるそうだ。

それにしても、これって誰がどんな基準で
決定しているのだろうか？

5月の緊急事態宣言下では
「夜間の利用はダメ！時間の変更もダメ！」
だったのに、
6月の緊急事態宣言下では、
夜間利用オッケーって・・・？
どういう基準で決めているのかなぁ？

確かにね、それこそ今は平時じゃないから、
「しょうがないよね」って事で
納得するしかないのだろうけれど・・・。

まぁーでもね！何はともあれ、
「夜間利用」が再開したのはいい事だ。
きっと利用者の声を聞き入れて下さったんだと思う。

「じゃー我々も6月からの稽古は、
午後利用の分を夜間利用に戻しますか！」

となると、これがね・・・
そうもいかないのですねぇ。

5月の時点で、
「緊急事態宣言が伸びれば、
夜間利用禁止措置も延長されるかも！？」
という危機感の元、

大慌てで担当職員の方と相談しながら、
6月分、7月分の利用時間の変更手続きを行い、
それに合わせて、みんなも
スケジュールを調整したのですよ。

今更、
「夜間が利用出来るようになったので、
稽古時間を夜間に戻します」というのは、
いくらなんでも一生懸命対応して下さった職員の方や、
予定の変更、あるいは予定のキャンセルをしてまで
稽古時間を調整してくれたメンバー達にも申し訳ない。

そもそも
「変更手続きは1回だけ認める」
って決まりがあったんじゃなかったかな？

まぁーてな事で、
夜間も使えるようになったけれど、
劇団ふぁんハウスはこれからも、
朝から夕方までという時間で、稽古を行う事となった。

その稽古だが、
昨日の後半部分の通し稽古の時も
やや気になったのだが、今日の前半の部分通しでは、
その気になったところが大炸裂した。

先週、前半部分を見せて貰った時は、
今回の稽古で初の「通し」とあって、
前半だけとはいえども、
誰もがそれなりの緊張感を持って、
（あとは見学者の方がいらしたってのもあるが・・・）
みな、どこかしら気合が入っていて、
テンポはいいし、セリフのトチリもひとつもないし、
「これはすごいぞ！」って思ったのに、
あの時のやりきった感が余裕とマンネリを生み、
今日の前半の通し稽古はガタガタだった。

いえね・・・
初めのうちは面白くて、テンポも良く、
「♪のってくれ！Ｈａ〜Ｈａ♪」
（ｂｙ矢沢永吉の「止まらないＨａ〜Ｈａ」より）
ってな感じで、ノリノリだったのだが・・・。

ひとりがセリフをトチる→トチリが伝染する→
テンポが落ちる→集中力がなくなる→
間延び芝居の連発→疲れが芝居に出る→
またトチる→また伝染する・・・

と悪のループにはまってしまっていたのだ。

これの恐ろしいのは、演じている皆さんが、
悪のループに気づいていないって事。

「あれ？何かノリが悪いな？」
くらい思っている役者もいたかもしれないが、
本人達はそれなりに一生懸命やっているので、
「どうしていつもと違うのか？」
まで分析する事はせず、
ひたすら演じているように見えた。

いつか誰かが気づいて、
ペースを元に戻してくれる事を期待しつつ、
前半部分を最後まで通したけれど、
ひどくなるばかりで、
この日の前半の通し稽古を終えた。

本当に芝居というやつは、恐ろしいよねぇ。
ちょっとした油断、気のゆるみ、集中力の欠如で
こうもガタガタと崩れてしまうんだからねぇ。

その昔、建設現場でバイトしていた頃、
「事故ゼロ運動実施中」
って標語が、大きく掲げられていたのを
見た事あったけれど、

今の我々には、
「トチリ・ゼロ運動実施中」
って標語を稽古場に掲げる必要が
あるかもしれないなぁ・・・。

いや当たり前の事なんだけど！
セリフをトチらないってのは・・・。

ただね・・・分かっちゃいるだけど、
つい基本中の基本をおろそかにしてしまう。

はぁー私自身もそうだけど、情けない・・・。
これは大いに反省すべき点だなぁ。

今週末の土曜日から、
いよいよ9時から17時までのロング稽古が始まる。
気持ちを入れ替えて、「夢」と「希望」と「勇気」を
ご提供出来る芝居を目指し、
芝居が出来る事に感謝して、明るく元気に頑張りましょう。