Page2 –「お盆に思う事」

『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2022.08.14

8月14日(日)「お盆に思う事」

いつもの劇団ふぁんハウスならば、
夏公演は7月か8月の上旬に
本番を行っていたので、
公演の終わったばかりの時期というのは
ちゃんとお盆休みがとれていた。

ただ今年の夏?公演は、
10月20日〜21日が本番なので、
先週の8月6日(土)より
「久美・美容室物語」の稽古が
始まったのだから、当然ながら
8月13日(土)も14日(日)
も稽古となるわけで、通常であれば
今年は「お盆の時期」も稽古となるはず。

でもねぇ〜
劇団活動が続けられるのも、
家族や身内の方の協力があればこそ。
お盆の時期って、
メンバーの皆さんのご家族、親戚との
お付き合いもあるだろうかと思い、
ここは「休む勇気」を持つ事も
大切だと割り切り、先週より
「久美・美容室物語」の稽古が
始まったばかりだけど、
今年も劇団ふぁんハウスでは
「お盆休み」なる日を
ちゃんと設ける事にした。

そもそもお盆とお正月というのは、
「家族と過ごすもの」という想いが
私は子供の頃からあった。

しかし、それも中学生の頃、母親が蒸発して
行方不明となってからというものは、
「家族みんなで・・・」
ってなわけにはいかなくなったけれど、
父は「盆と正月くらいは家族と過ごす」
ってのを、とても大切にしてくれる人
だったので、
私と弟はそんな父の想いを受け止め、
時には「お盆・年末年始に、
友達と旅行に行きたいなぁ・・・」
と思った時もあったけれど、
盆と正月は、なんとか親子3人で過ごす
時間を設けてきた。

劇団の長である
私がそんな思想なものだから、
「お盆の時期は夏休み!」
にすべく、
劇団活動を24年間続けてきたが、
冬公演はねぇ・・・
劇場の抽選結果の関係で、
1月7日の新春公演なんてのもあったし、
2月に公演を行う事もあるので、
最終通し稽古や、追い込みとなる
昼夜稽古を行う時期は、必ず正月と
重なってしまう。

そうなるとさすがに
正月3が日はのんびりと・・・
ってなわけにも行かず、
1月2日か、1月3日も
稽古を行っているのが、
ここ十数年来の劇団ふぁんハウス。

但し、
それでも「正月は家族と過ごす」という時間は、
大切にしてもらいたいので、

稽古不足を感じていようとも、
元日だけは稽古を入れないように
してきたけれど、稽古の重要性ってものを
痛感しているので、本番直前ともなれば、
気持ちとしては、
元日も稽古をしたいところではある。

さて、
その稽古の重要性って事に関連する話だが、
先日、長女の結婚式があった。

本来ならば2年前の夏、
劇団活動が夏休みの時期に
式を行う計画を立ててくれていたのだが、
2年前の夏といえば、
コロナ感染真っただ中で、
全国各地で結婚式の延期・中止の
オンパレードの時。

その後も劇団活動のないタイミングを見計らって、
2度ほど式の計画を立て直したのだが、
いずれも延期・・・
それでもコロナの終息は見えない。

長女は、
「芝居の稽古の重要性」ってのを
とても理解してくれていて、
結婚式の日取りを考える際、
「劇団の稽古のない時期」を
選んでくれていたけれど、
さすがに3度も延期となると、
結婚式場の予約の関係もあるし、
終息するのを待っていては、
いつまでたっても結婚式は出来やしない。

そんな折、ひょっこり
7月31日(日)の14時挙式、
15時から披露宴の枠に空きが出来た。
そこで、このタイミングで
式を行う事となったのだが、

ただこの日は、来年の2月に開催する
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」の
前期の最終稽古の日なのだ。

5月から行ってきた稽古を
一旦終わらせるにあたり、
けじめをつけたい大切な日。

だから、どーしても稽古を休むって
なわけにはいかないし、
貴重な稽古時間なので遅刻もしたくない。

結婚式の時間帯が早ければ問題ないのだが、
この時間帯しか空きがない。

そこで長女達は、分刻みの
タイムスケジュールを色々と練ってくれて、
予定通り進めば、稽古には間に合う
プログラムを完成させた。

ただし万が一、
5分でも時間を押してしまうと、
新婦が両親に対して「感謝」を
告げる手紙を読むタイミングに被ってしまう。

いくらなんでもねぇ・・
式のクライマックスである
「両親への手紙」のシーンで、
新婦の父が「では、私はここで・・・」
ってのは、さすがに避けたいよね。

そうなると、
もっと前の段階で中座するほうが
目立たなくていいので、進行次第では、
披露宴の前半に中座する事も考えつつ、
時計とにらめっこしながら、
披露宴に挑んだ。

おそらく、これを読んでいる方は、
「本番は来年の2月なんでしょ?
プロじゃあるまいし・・・
新婦の父なんでしょ?そんなねぇ〜
稽古なんて、
休んでもいいんじゃないの?」

って思われる人のほうが圧倒的に多いと思う。

でもね、劇団ふぁんハウスの代表と
いう看板を背負っている私が、
もしそんな考え方をする人であったならば、
恐らく劇団ふぁんハウスは
ここまで続いていなかったと思う。

それほど「芝居の稽古」ってのは、
最優先課題としてこれまで活動してきた。

じゃ〜お盆や正月も稽古すれば?
ってな発想になるかもしれないが、
結婚式の披露宴は
私のプライベートな都合だけど、
盆、正月というのは、
メンバーとそのご家族全体の事。

普段は「芝居の稽古」って事で
ご家族や身内の方に無理を言って
活動をしている人も多いはず。

だから「せめて盆と正月は」
という想いになるのですよ。

あ、あの・・・ちなみに長女の結婚式は、
新郎新婦、ならびに劇団メンバーの
寛大なるご理解とご協力の下、
とりあえず最後の最後までいられる事が
出来ました。

本来ならば、式にご出席いただいた
ご親戚の皆さんへのお見送りまで
しなきゃいけなかったのだが、
慌てて稽古場に向かうという
不義理をしてしまったので、

このお盆休みを利用して、
東海地方、関西地方の親戚周り、
遠方からお越し下さった方へのお礼と
ご挨拶を致しまして、
かなりヘロヘロ状態で、
大・大渋滞の名神高速、東名高速を
ノロノロと帰路につき、

気持ちも新たに、
次回の稽古に気合を入れる
団長でありました。


共有: