Page10 –「還暦を迎えました。」

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団長の独り言　2022.10.08

10月8日（土）「還暦を迎えました。」

本日10月8日（土）は私の誕生日でして、
ついに60歳となってしまった。

実は1週間くらい前から、
今日と言う日が来るのが恐怖だった。

だってねぇ・・・
還暦って、イメージ的に
「おじいちゃん」って感じでしょ？

なんだかなぁ・・・って気持ちがあり、
それでも「そんなものは気にしない」って
自分にいい聞かせ、平常心でいつものように
「いつもの誕生日が来るだけ」と思い込もうと
努力をして日々を過ごしてはいた。

しかし・・・
実は「還暦を迎える日」というのは、
私の中ではやっぱり特別な日であり、
すごく大切にしたい日でもあったのは
間違いないんだけどね・・・。

そんな複雑な想いを胸に、
12時30分過ぎに稽古場に到着。

今日から、
本番の舞台とほぼ同じ寸法の広々とした
部屋での稽古となるので、
みんなもいつもとは違った雰囲気で、
ワクワクそわそわ？なんだかそんな感じ。

全員でわっさわっさと荷物を運び込み、
図面片手に実寸どおりに
マーキングをするメンバーや、
小道具類の確認＆設置を行うメンバー、
音声ガイド送信機器や、大型電子ピアノを
セッティングをするメンバー等、
自然と役割分担が出来た中で、
通し稽古に向けての準備が行われる。

私はと言えば、
稽古風景を収録するためのビデオの設置。

稽古風景全体が
まんべんなく録画出来る位置に三脚を立て、
そこに広角レンズを装着したビデオカメラを
設置する。

その映像はユーチューブにアップし、
それを各自に観てもらうのが目的。

自分の演技を客観的に観るのは
とても重要だと私は思っている。

この動画は限定公開で、
アドレスを知ってるメンバーしか
見られないように設定しているのだが、
アップ後の再生回数が40回とか
50回とかになっていた！

出演者が14名なので、つまり
1人何回も何回もこの動画を
見たって事になる。
皆さんのその「やる気」には敬服！

それにしても、
世の中便利になったものだねぇー。
ネット回線を通して、
一斉に動画を共有出来るんだからねぇ。

ただ未完成の稽古風景なので、
さすがに一般公開ってわけにもいかず、
劇団メンバー達だけでひっそりと
共有しているんだけどね。

そのビデオ撮影の成果が
本番に活かせられるように、
大いに研究してもらいたいものですね。

さて約1時間程度の準備を経て、
通し稽古がすぐに始められるよう
全員衣裳に着替え、まずは転換稽古から。

転換スタッフの舞ちゃん（木村舞子）が、
フルで稽古に参加してくれるので、
これまで行う事が出来なかった「舞台転換」に
絡む箇所を抜き出し、問題点がないか検証して、
事細かな確認作業を終える。

そして
「10分後、通し稽古を開始しましょう！」
と私が言ったその瞬間、
突然アマティアズのピアノ演奏が始まった。

「？？？？？」
となったのは私だけで、
みんな笑顔で私を見つめ、
音楽に合わせて全員でハッピバースディーの
合唱が始まる。

何の事だかすぐに理解した私は、
照れながら立ち上がって、
合唱を聞かせていただき、
歌が終わると皆さんの盛大の拍手と、
「団長〜還暦おめでとう〜」
の大声援！

そして、みっちゃん（鈴木美千代）が代表して、
皆さんが寄せてくれた直筆のメッセージカードが
張り付けられた見開きのメッセージボードを頂く。

劇団活動を続けてきた中で、
誕生日と稽古日が重なった日は
そこそこあったけれど、
皆さんに気を遣わせたくないって気持ちと、

「誕生日なんて、所詮人生の通過点の
一日にしかすぎねぇぜ！ケッ！」

ってな感じで、
天邪鬼精神で稽古に挑んでいたので、
こうして皆さんから祝福されるのは、
20数年前の「人生芸夢」の稽古の時に
1度あっただけで、
あとは「そんなもんするなオーラ」を出し続け、
極力「誕生日」を隠し続けていたのだが、

いやはや・・・
今日、こうして皆さんから心のこもった歌と、
いつの間にか用意してくれていたメッセージボードに
描かれた文章を読んで、グッとくるものがあった。

私の天邪鬼精神を知っているメンバー達は、
「誕生日セレモニー」を行うかどうするか？
最初躊躇したらしいのだが、

どうやら無意識のうちに、私はあちらこちらで
「今年で還暦」ってのを連発していたらしく・・・
（この団長の独り言にもしつこいように
描いていたみたい）、

その私の言動に、「団長は還暦ってのを
すごく気にしているな」と察し、
一か八かで「誕生日セレモニー」を
行ってくれたそうだ。

ただ・・・
そのタイミングをいつにするのか？
かなり悩んだみたいで、
この日行う通し稽古の後だと、
万が一、
通し稽古の結果が散々な結果で、
私がヒートアップしていたら
「セレモニー」どころじゃないだろうし・・・

団長の精神状態によっては
今日のセレモニーは中止ってのもあるぞ！
ってのも全員承知の上で、
「タイミングよく祝福できるか？」
みんな内心ドキドキしていたんだって。

こうして心のこもった祝福を受け、
感激しつつ皆さんへのご挨拶を行い、
その中で
「私もついに高齢者の
仲間入りさせていただく事になりました」
ってフレーズを言うと、〇〇さんが
「ようこそ！いらっしゃーい」って
言って手招きしてくれて、
稽古場は温かい爆笑と拍手に包まれる。

そして気持ちを切り替え、
ひろーい部屋での通し稽古開始！

温かい雰囲気の中、
手応えのあった通し稽古となったのは
言うまでもないのでした。