「演劇人・夢あるある」 福岡美佳

私には、お芝居をしている人達にアンケートを取ってみたいと常々感じていることがありました。
それは「本番中に台詞が飛ぶ夢を見たことがありますか?」というものです。

私は「段取りも分からず台本も覚えていない状態で本番の日を迎え、
舞台に立って頭が真っ白になって右往左往する」という夢を定期的に見ます。

一度も読んだことのない台本を演じるので、何を言ってどう振る舞うべきなのか、
更にはストーリーの結末すら分からず、しどろもどろなので当然舞台はグチャグチャ。

心臓バクバクの状態で半泣きで目覚めるのですが、それを誰かに話しても、
イマイチその怖さやリアリティを伝え切れず、
更なるフラストレーションを抱えてしまうことがしばしばでした。

でも、お芝居をしている知り合いと話していると、
同じような夢を見たことがあるという話を意外とよく聞きます。

以前はビビリで心配症なことがコンプレックスでしたが、
どんなに舞台上では堂々と演じている人でも、
潜在意識には「失敗するかもしれないという不安」を抱えているのかもしれないな、
不安なのは私だけではないのかも、とも思えるようになってきました。

先日Twitterで、冒頭のアンケートを取ってみたところ、
94%の人が「はい」と答えたという、なかなか興味深い結果が出ました。
やっぱり、これは「演劇人あるある」なんだなぁと確信しました。
ただ、残りの6%の人が羨ましいです…。

このメルマガが配信される日は、
ちょうど「久美・美容室物語 板橋公演」の本番1週間前。
1週間後、皆様にお楽しみいただける舞台をお届けできているのか、
その不安が全くないと言えば嘘になりますが、
仲間を信じて、今までの稽古で積み重ねてきたことを信じて全力でがんばります!


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