Page11 –「最終通し稽古」

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団長の独り言　2022.10.16

10月16日（日）「最終通し稽古」

昨日の土曜日、天気予報では
あまり
いい天気っぽくないような事を言っていたが、
12時半、稽古場に到着すると！
なんかいい感じのお天気だ。

平野カー満載の小道具類等を
みんなで降ろし稽古場に運び込むと、
図面片手に舞台と同じ寸法を測るチーム、
小道具の点検しながら所定の位置に
並べるチーム等に分かれて、
まるでお祭りの準備でもしているかの如く、
和気あいあいのいい雰囲気の中、
全員で手分けして作業を行い、
通し稽古の準備を進める。

さてそんな中、いつもなら
正面に演出席用の長テーブルを1つ置くのだが、
この日は3つもの長テーブルが演出席を陣取る。

それもそのはず、
この日は照明さん、音響さん、舞台美術さんが
稽古場にお越しになるので、なんとなくいつもの
稽古場とは違った緊張感が漂っている。

ワイワイ言いつつも、
キチンとした通し稽古を行えるべく、
真剣に準備を進めるメンバー達。

そこへまずは照明の唐沢さん登場！
その後、音響の野中君に照明の喜屋武さん、
そして舞台美術の三井さんと、
錚々たるメンバーが顔を揃えた。

皆さんにご挨拶をさせていただきながら、
早速各パートの方々と、
図面片手に打ち合わせを行っていると、
先程までの和気あいあいの
稽古場は静まり返り、

衣裳に着替えた役者達は台本に目を通し、
相手役との動きやセリフの確認等・・・
これから始まる「通し稽古」に向けての
準備態勢に入っていた。

各スタッフの方々との
打ち合わせを終えた私は演出席に戻り、
時計に目をやると「通し稽古」開始の3分前。

大きく深呼吸をして
「では、始めます」とみなに声を掛け、
まずは各スタッフさんの紹介をして、
全員の気持ちをひとつにして通し稽古開始。

通し稽古というのは、読んで字のごとく、
芝居を最初から最後まで本番通りにちゃんと通す、
今まで数か月間に渡り稽古を行ってきた
集大成の稽古。

だから、よほどの事がない限り
途中で芝居を止めるなんて事はしない。
それほど需要な稽古なのだ。

その重要な稽古を厳しい表情のスタッフさん達が
大勢見守っているので、
そりゃーいつも以上に緊張するってものですわ。

そんな中で「通し稽古」を始めると、
出だしから
「久美」役のみっちゃん（鈴木美千代）に
エネルギーがないのが気になる。

相手役の
「桃子」を演じるゆみさん（増田ゆみ）が、
みっちゃんを引き上げようと
パワフルな芝居を行うが、
みっちゃんにこれまで指摘してきた
悪い癖が次から次へと出てしまい、
芝居はよろしくに方向へ向かい、
ついにはみっちゃんにしては珍しく、
芝居を止めてしまうほどの
大きなセリフ忘れを起こしてしまう。

まだ芝居が始まったばかりなので、
ここで一旦芝居を止めて、
仕切り直そうかとも思ったけれど、
プロ中のプロのスタッフさん達が
お越しなんだし、こんなハプニングは
本番でも起こりうるわけなので、

芝居を止めず、
舞台上の二人に全てをゆだねて静観していると、
ゆみさんが落ち着いて、
ナイスなフォローをするアドリブセリフを
さらりと入れると芝居はそのまま続行し、
シーン1は事なきを得た。

つづくシーン2も、今度は新聞販売店の大女将
「高木」役のラムさん（小池陽子）が乗り切れず、
新聞販売店の若女将「聡子」役の
ゆきちゃん（上野友記子）も、
芝居が止まるほどのトチリが発生・・・

幸い共演者が機転を利かせて
上手くフォローをして芝居は流れたが、
続く千秋ちゃん（鈴木千秋）、けいちゃん（小山恵子）も、
ミスこそないけれど、
お二人の悪い癖が出た芝居の連続。

みんなの少しずつの不調が芝居全体に伝染し、
かなり悲惨な通し稽古となってしまった。

原因は、
前回の通し稽古でかなり上手くいって、
役者もそれなりの手応えを感じたが故の
油断がひきおこした完全なるいわゆる
「二日目芝居」だと思う。

当然ながら「こりゃ！いかん」と
みんなも反省しまくりで、
通し稽古終了後、スタッフさん達と
私が打ち合わせをしている間の
休憩時間の食事中も各自一切口を利かず、
まるでお通夜のよう・・・。

その日の夜は、かなり厳しく
徹底的にこれでもかっ！ってくらいの
抜き稽古を行い、
迎えた本日の「最終通し稽古」。

今日は準備段階から皆さん、
かなり気合が入っているようで、
おしゃべりも必要最小限度・・・。

やがて時間となったので、
舞台監督の高橋さん、照明の唐沢さんが見守る中、
引きしまった雰囲気の中、最終通し稽古を行うと、

ヒヤヒヤした場面もなく、
これまでの稽古の集大成として
上手く楽しくのびのびと演じて、
最高の最終通し稽古を見せてくれた！

・・・けれど、これで終わりじゃなくて、
これからいよいよ始まるわけで、
上手くいったからって、
浮かれている場合じゃない。

でもね、
皆さんに自信を持ってもらうためにも
最高のねぎらいの言葉をかけ、
我々は笑顔いっぱいで、
劇場へと乗り込むのでした！！

明日！10月20日（木）19時
21日（木）14時
板橋区立文化会館小ホールにて、
「久美・美容室物語板橋公演」

まもなく開演です。
是非とも、
劇場へ足をお運びくださいね。

詳しくは、