Page21 –「一生懸命やろうよ！」

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団長の独り言　2023.01.07

1月8日(日)「一生懸命やろうよ！」

2023年の初稽古を7日（土）に行う。
前回の稽古は、
約1週間前の12月30日（金）に
特訓稽古を行ったので、通常の稽古パターンと
ほぼ同じ間隔での稽古なんだけど、
「正月三が日」を挟んでの稽古となると、
すっごく久しぶりの稽古って感じがする。

それほど「正月」ってのは
特別のものなんだろうねぇ・・・

正直、「正月ボケ」を恐れてはいたけれど、
初稽古となる昨日の土曜日の稽古は、
そこまで崩れる事もなかったけれど、
だからと言って
「おっ！良くなってきたな！」
ってのを感じさせてくれるほどの
芝居は全然現れず、進歩も後退もない、
前回の稽古をそのままなぞったような、
工夫も何もない芝居のオンパレードだった。

みんな余裕があるのかなぁ？
稽古のための稽古って雰囲気の役者達ばかり・・・。
危機感を持ちつつ本日日曜日の稽古を迎えるが、
やっぱり、どこか緊張感がない。

そこで今日の稽古前、
ニッポン放送
「うえやなぎまさひこのちょっといい話」という
17年前に放送された番組を皆さんに聞いてもらう。

昨年末、劇団の資料の整理をしていたら
ラジオ・パーソナリティーの上柳昌彦さんが、
劇団ふぁんハウスの事を紹介して下さった
番組を録音したCDが出てきて、
久々にこの番組を聞いたら、
感動してしまったんです。

番組は、劇団ふぁんハウス立ち上げの
きっかけから始まり、
私がずーっとこだわり続けてきた
「熱意とやる気を持って本物の芝居を創る！」
ってスピリッツもBGM入りで、
とってもドラマチックに
熱く熱く語って下さっていて、

番組の最後に、
「それでは、団長の平野恒雄さんが、
勝手に劇団の歌と決めているという
ハウンドドッグのフォルティシモ、
聞いて下さい！」と上柳さんが紹介し、
フォルティシモが流れ、
公演情報まで伝えて下さる。

これを聞けば
劇団ふぁんハウスの全てが分かる！
ってくらい本当によく出来ていた。

過去に何度か聞いていたはずなのに、
フォルティシモを聴きくと、何故か涙が出てきた。

この番組から17年経ったけれど、
ラジオで紹介して下さったスピリッツを、
全くブレさせる事なく、ここまで続けてきた
想いが込み上げてきたんですねぇ。

そのCDには、たけもっちゃん（竹本和弘）が
TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」に
出演した番組も収録されていて、
それもまた！
たけもっちゃんのトークが良くまとまっていて
素晴らしかった。

ぜひともこの2つの番組を
今いるメンバーにも聞いていただき、
より一層真剣に！
稽古に取り組んでもらおうって気持ちで、
貴重な稽古時間を割き番組を流すと、
みんなそれなりに聞き入ってくれた。

で・・・いざシーン1から順を
追ってシーン7まで通してみると、
ちゃんとやっているようだけど、
エネルギーのかけらも感じられない
ダラダラ芝居が続いていた。

しかも一番ネックのシーン5では、
セリフのトチリがすさまじく、
どの役者もへんな間の連続で・・・
前に見せてもらった最悪のシーンに
逆戻りしてしまっていた。

このシーンを修正するのに時間を割き、
ようやく「これならなんとか」って感じにまで
なったのに戻ってしまっている。

1から丁寧に手取り足取り「指導」している
時間はもうないので、思い切ってこのシーンの
半分をカットする事にした。

出来ない箇所を切って
出来る箇所を伸ばす作戦に変更しなきゃ、
間に合わない。

そんな事、
作者である私が一番やりたくない事だけど、
役者がいつまでたっても、
緊張感を持って演じてくれないんだから
しょうがない。

「カットします」と宣言すると
稽古場はシーンと静まり返るが、気を取り直し、
カットしたバージョンのシーン5をやってもらうが、
だめ・・・だめ・・・だめ・・・

こうなりゃー私も開き直り、
「今日は徹底的にこのシーンだけやる」と決め、
一人でもセリフをとちったりつまったりしたら、
最初に戻るという稽古を行う。

何回くらい繰り返したかなぁ？
7、8回はやったかもなぁ。
それでも「やってられねーよ」と
腐ったり、
なげやりになったりするメンバーはいない。
何度も何度も一所懸命に演じる。

するとどうだろう？
どんどんエネルギーが出て来て、
たわいもないシーンなのに、
皆の熱量ある芝居に引き込まれていく。

いやぁ〜これには本当にびっくり。

数回目かくらいで、
ようやくトチリなしで出来たときには、
このシーンを観ていた誰もがうなずくほど
素晴らしいシーン5が現れていた！

出来るんだから
最初からこの迫力でやってちょうだいよ！
ってなところ。

あとの稽古も、熱い熱い稽古を
繰り広げられたのはいうもなでもない。

真剣さと緊張感を本番まで持続出来れば、
きっと今回も成功するよ！
そう確信の出来た今日の稽古でした。