Page8 –「油断禁物」

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団長の独り言 2023.07.02

7月2日(日)「油断禁物」

今回の「人生芸夢〜夢のとおり道〜」は、
約20年前に上演した作品を、かなり
グレードアップさせてお届けするのですが、
公演パンフレットの挨拶文を書いていて、
「あっ!」って、思わず声を上げてしまう事を
発見した。

まっ、あの・・・発見ってのは大袈裟だけど、
実は、最初に「人生芸夢〜夢のとおり道〜」を
上演した劇場が、
板橋区立文化会館小ホールだったのですよ。

つまり!今回の公演は、
約20年の時を経て、「帰って参りました公演」
って事なんですねぇ。

その「人生芸夢〜夢のとおり道〜」は、
劇団ふぁんハウスの礎となった作品でもあるのです。

そう・・・かれこれ20数年前、
「人生芸夢」以前の劇団公演では、
舞台セットが今と違って、全て劇団員達による手作りで、
ほとんどが、平台を2枚並べただけの和室と、
手作りパネルがズラっと並ぶだけ・・・。

とにかくパネルさえ立てればいいや・・・
というような感覚で芝居を行っていた。

しかもそのパネルは、
ナグリすら持った事もないようなメンバーが寸法を測って、
生まれて初めてノコギリ手に持つようなメンバーが
ノコを弾いて・・・

ペンキなんて塗った事もないメンバーが、
パネル全体にムラだらけになりながらも、
灰色のペンキを塗りたくって完成!という、
かなりチープなモノだった。

それでも、
その手作りパネルが舞台上に立つと、
それなりの演劇空間が生まれたから、
不思議なんだけどねぇ・・・。

しかし6回公演(人生芸夢の前の公演)から、
照明を担当して下さる事になった
現在も大変お世話になっている
「六工房」のオペレーターさんから、

「作品自体は素晴らしいのだから、
どうせやるなら、大道具のセットは
ちゃんとプロに作ってもらったほうが
いいですよ。」

ってご指摘を受けたんだよねぇ。

なにせ、
いびつな形をしたパネルだったものだから、
パネルとパネルをちゃんと合わせても
隙間が開いてしまい、その隙間から
照明の明かりが漏れてしまう。

しょうがないので、
その隙間をガムテープで塞いで
なんとかごまかしたのだが、
挙句の果てにはお客様から、
「あのオブジェはなんですか?」
って言われる始末。

そこで7回公演
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」からは、
予算をちゃんと組んで、
舞台セットはプロの方にお願いをして、
舞台監督も、劇団メンバーがやるのではなく、
プロの方にお願いして開催したのですよ。

それからは、舞台セットも舞台監督さんも、
ちゃんとしたプロの方にお願いするようになり、
現在に至っている。

そういった意味では、
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」
というのは、劇団ふぁんハウスにとって、
記念すべき公演なんですねぇ。

あとは「人生芸夢」の前の6回公演の時、
公演中止の危機に追い込まれそうな出来事があり、
劇団内がひっちゃかめっちゃかの中、
なんとか6回公演を成功させたものだから、
その悔しさをバネに気合をいれて、
持てる力を最大限使って、
7回公演の脚本を描いた結果、
休憩なしで2時間半を超えてしまうという
「渾身の作品?」が
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」なんです。

そんな事からも、色々な意味で
とっても想い出深い作品だっただけに、
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」を、
また板橋区立文化会館小ホールで
上演出来るっていうのは、
なんとも感慨深いものがあるのです。

あれから20年、
今回の「人生芸夢〜夢のとおり道〜」は
現在のメンバーの皆さんのおかげで、
めちゃめちゃ面白いものに仕上がった。

稽古はすでに、
昼夜ぶっ通し稽古に突入しているわけなんだけれど、
昨日も今日も14時から通し稽古を行いまして、
役者はちゃんと本番用の衣裳を身にまとい、
女性陣の多くはメイクもバッチリで、
本番さながらの緊張感の中演じていたわけなのだが、
とりわけ今日の通し稽古は、最高の出来だった。

そんじょそこいらのプロの役者達だけで行う
商業演劇にもひけをとらないほど、
いや!それ以上のクオリティーだったと思う。
(自画自賛!)

とてもいいお芝居だったものだから、
当然ながら演じている皆さんも、
感触が良かったのは実感しているようで、
稽古を終えたその顔はどの顔も満足そう。

しかし、通しを終えて晴れ晴れとした
メンバー達の表情を観て、
今の段階で完成したことが、
逆に「油断」につながらないか?って、
ちょいと不安にもなった。

こういう時って、
大抵とんでもないミスを犯してしまうもの。

そこで私もみんなもヘトヘトだけど、
夜の稽古では、
ラストに向かう重要なシーンを細かく見て、
歌、踊りに立ち回りと、
緊張感を持ちつつの抜き稽古を繰り返した。

ただ・・・
緊張感を持っているつもりの私自身、
抜き稽古での立ち回りの大ラスで、
堀越さんと剣を交える際、
堀越さんの木刀と私の木刀が、
力いっぱい「ガチ〜ンッ」と
当たってしまったのは、
もうねぇ〜大いなる反省!

一瞬何が起こったのか分からなかったけれど、
私が立ち回りの手を間違った事が原因だと
後で知る。

稽古なので、木刀を使っていたから良かったものの、
「(本番用の)竹光(刀)だと完全に折れていたぞ!」
って、堀越先輩から喝を入れられた。

あ〜ほんまに「油断」はいかん!
あたらめて痛感したのでした。

残すところ、稽古はあと2回。
油断せず、緊張感を持って挑もうと思う。


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