Page17 –「音声ガイド収録」

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団長の独り言 2024.1.13

1月13日(土)「音声ガイド収録」

劇団ふぁんハウスが
「音声ガイドサービス」を始めた
約20年ほど前から、
ずーっとボランティアで音声ガイドの
ナレーションを担当して下さっていて、
現在は全国放送のラジオ番組で
メインパーソナリティーをされている
「ボイス・エマノン」さんが
稽古場にお越しになる日。

14時からのお約束なんだけど、
劇団ふぁんハウス
音声ガイドテクニカルチームは、
収録場所となる三田の稽古場へ
10時に集合し、
簡易スタジオを創るべく、
収録に使用する機材、パソコン、マイク等の
テストを念入りに繰り返す。

その収録、前回までのmp3形式から
今回はwav形式に戻して録る事になった。

元々劇団ふぁんハウスでは、
音声ガイドの収録はずっと
wav形式で収録していたが、
数年ほど前からmp3って形式で
録っていたのだそうだ。

収録方法等、テクニカル全般は
担当者に任せていたので、
wavだのmp3だのっては
私自身、考えた事はなかったけれど、

今回より音声ガイド・エンジニアとして
十数年ぶりに本格的復活した、
たけもっちゃん(竹本和弘)から
「音声ガイドはwavでいくべき」と言われ、
「何それ?」と尋ねたら、
wavというのは、録音したそのままの音質で
保存するファイルの事で、
そのwavを圧縮したものが、
mp3というらしい。

そこでこの二つのファイルを
よーくよーく聞き比べてみたら、
確かにwavのほうが音質がいいように感じた。

それなのにここ数年、何故にmp3形式で
収録していたのか?

それはmp3はデータが圧縮されている分、
音質が多少劣化するものの、
データ量が多くなっても、
パソコン間でのやり取りが容易である
っていう利点や、編集がし易いとの理由から
mp3で収録していたそうだ。

ただ、パソコン間でのやり取りとか
編集がし易いというのはこちらの都合であり、
利用される方の立場からすれば、
モノラルラジオから流れる
ガイドをイヤフォンで聞くとは言えども、
当然ながら音質良く
収録した方がいいに決まっている!
そこで今回から、
再びwavで収録する事にしたのだ。

あとマイクもね、大きく分けて
コンデンサーマイクとダイナミックマイクの
2種類あるんですよ!
それも今回たけもっちゃんから教わった。

コンデンサーマイクは
電源供給が必要だけど、ものすごく感度が良くて、
ありとあらゆる細かい音までちゃんと拾う。

一方のダイナミックマイクは、
電源供給なしで使用出来て、
マイクに向かって真っすぐの音を拾うのに
特化しているのが特徴。

どちらがどうってのは、
使う場所や用途によりけり。

そこで
今回は音声ガイドを収録するにあたり、
この2つのマイクを用意して、
何度となくマイクを交互に使用しての
テストを繰り返した結果、
完全防音でない部屋での収録なので、
ダイナミックマイクで収録する事になった。

そんな話はさておいて、
準備もすっかり整った収録現場に、
ボイスさんは、
昔と変わらず若々しく爽やかに登場!
(私と同じ歳・・でも学年は私の方が
ひとつ下だから私の方が
彼よりも若いけどねぇ~)

1年に1度しかお会いしないのだが、
毎日ラジオで元気な声は聴いているので、
そんな「おおおお!久しぶり~」って
感じがしない。

まずは控え室にて打ち合わせを行い、
「録音スタジオ」に移動してもらい、
早速収録開始!!

一応「録音室」って名の部屋を
お借りしての収録だけど、
研究に研究を重ねて、
凝りに凝った高性能な
「ダイナミックマイク」を購入したため、
感度のいいコンデンサーマイクではないのに、
施設を利用されている
他の団体の方の様々な音をも
マイクが拾ってしまうという事態となり、

その都度、
録音中断をせざる得なかったのだが、
ボイスさんは穏やかに協力的に、
そんな環境下の中でも
音のしないタイミングを見計らって、
妥協のない、
めちゃめちゃパーフェクトな
ナレーションをして下さった。

普段は、それこそ世界を代表する(と思う)
完璧な収録スタジオでお仕事をしているのに、
こんな環境での収録で、
なんとも申し訳なかったけれど、
おかげ様で、
今回もとても素敵な音声ガイドが完成。

収録後の恒例となった
劇団メンバーとお菓子をつまんでの座談会では、
ボイスさんの貴重なお話が聴けて、
皆大変喜んでおりました。

お忙しい中でのご協力、
本当にどうもありがとうございました!
またお会い出来る日を、楽しみにしております。
これからもお互い健康に過ごしましょうね。

と言うわけで!
今回の劇団ふぁんハウスの音声ガイドは、
最高レベルのナレーションをして下さった
ボイスさんと、さらなる音質向上に
努めたテクニカル軍団の総力を挙げた
ガイドとなりましたので、
ご利用される方は
ご期待いただければと想います。

収録を終え、この日の夜は
舞台スタッフさん勢ぞろいの
緊張感あふれる中、
「通し」稽古を行った。

全員が衣裳を着てメイクを施し、
本番がいよいよ迫ってきたっていう
気迫が感じられる稽古。

舞台の前面が広くなった事による動きの修正と、
登・退場の整理もついてきたので、もう一息!
次回の最終稽古を待つのでありました。


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