「『役者ロス』のその先に」 福岡美佳
「夏の夜空へ 麻布公演」が終わってから、2週間ほどが経ちました。
毎回、公演が終わると、私はちょっとした「抜け殻」状態になります。
あれだけ稽古を重ね、毎日役のことを考え、台詞を口にしていたのに、
急にその時間がなくなると、軽い「ロス」のような感覚に襲われます。
「あ、今度の週末は稽古がないんだ」
そう思い出して、少し手持ち無沙汰になる。
時間ができたはずなのに、何をしていいのか分からない。不思議な感覚です。
それでも、公演が終わってもしばらくは役が抜けません。
普段の会話の中で、ふと役の口調が混ざってしまい、
「あれ、素の私はこんな話し方じゃなかったよな…」と自分で驚くこともあります。
きっとそれは、その役を本気で生きようとしていた証拠なのだと思います。
また、公演後はカーテンコールの時に見えた客席の景色を、何度も思い出します。
舞台の上から見えたお客さんの笑顔。あの時間を一緒に過ごしてくれた人達の表情。
舞台は終わっても、その光景はしばらく心の中に残り続けます。
そして、稽古も本番もないこの時期になると、不思議と芝居のことばかり考えています。
「次はどんな役をやりたいだろう」
「もっとこんな表現ができるようになりたい」
ストーリーの核になるような役や、シリアスな役にも挑戦してみたい。
そんなことを、今はあれこれ思い巡らせています。
私は、役に入り込んでいる時に一番「生きている」ことを実感します。
だからこそ、この「役者ロス」の時間は、
次にまた誰かを生きるための準備期間なのかもしれません。
抜け殻になり、終わった公演を振り返り、また芝居が恋しくなる。
この繰り返しが、私にとっての役者の日常なのだと思います。
次は、2月28日の「劇団ふぁんハウスpresents 演劇と音楽のパフォーマンスショー」。
短い準備期間ではありますが、全力で取り組みます!


