Page15–「『夏の夜空へ』成功までの軌跡2」
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団長の独り言 2026.01.22-2
「『夏の夜空へ』成功までの軌跡 2」
搬入は20分程度で終わる。
まだ外気温は2℃とか3℃なのだが、
動き回っていたので汗をかく。
搬入が終われば、スタッフルームにて
大道具チームは仕込みの段取り打ち合わせ、
受付ブースチームは受付のレイアウトを考え、
あれやこれやの細かな作業を進め、
楽屋チームは、
パンフレットへのチラシの折り込みや
ファンクラブの皆様へプレゼントする
「団長の独り言」の製本作業等も行う。
こうした3班に分かれての準備作業は、
劇団ふぁんハウス公演での
いつもの光景なので、
指示を出す千秋ちゃん、
ゆみさんもメンバー達も慣れたもの。
私はと言えば、相変わらず
どのグループにも所属することもなく、
ビデオ片手にあっちウロウロ、
こっちウロウロしながら、
みなの仕事っぷりを記録していると、
ゆみさんが、
「アンケートを記入していただく
ペン(ゴルフのスコアーペン)を
倉庫に忘れてきた!」
と言う。
そういえばアンケート記入用ペンは、
綾部公演の時も使用して、
多くの小道具と共に
大きな箱に入れて宅配便にて
劇団に送り返したはいいが、
開梱せず、倉庫に置いたままの
状態になっていたので、
すっかり忘れていた!
「よし!そんじゃ~買ってくる!」
私の出番だ!
とばかりに張り切って
晴天だけど寒波到来の六本木の街に繰り出し、
まずはドンキ・ホーテのビルの
最上階(6階)から順番に見ていくが、
ゴルフのスコアーペンは見当たらない・・・。
実は私、ドンキホーテの
あの雑然と物が置いてある
システムがどうも苦手で、
1階に辿りついたころには、
もうくたくた。
この日はただでさえ睡眠不足の中、
早朝、倉庫での積み込み作業があり、
ちょっとフラフラぎみだったところへ、
ドンキでの商品探しですっかり疲れ果て、
他の店にまで行く気力もなく、
「ネットで注文して
明日までに届けてもらうか?」
なーんて考えていたら、
ゆみさんから連絡があり、
スコアーペンが見つかったとの事!
ほっとして劇場へと戻る。
それにしても、私の体力低下は情けない。
たかがドンキホーテを
グルグル回っただけで疲れしてしまうとは。
数年前の仕込みの時であれば、
たとえ寝不足であろうとも、
これしきの事は全て
気力で乗り越えていたのに・・・。
これが年をとるという事なのか?
でもそんな事は認めたくないよなぁ~。
そんなことを思いながら劇場に戻れば、
舞台面ではすでに舞台セットが立ち上がり、
物語のメインとなる「旅館・希望の星」が
姿を現せていた。
すごいなぁ~やっぱりプロの人達って。
高橋舞台監督の師匠で、
今回は社長役として活躍してくださる
堀越先輩が
仕込みに加わって下さっているのも
大きいよね。
(堀越さん、高橋さん、
そして舞台美術の三井さんの最強トリオは、
綾部公演の仕込みでも
素晴らしい活躍をしてくださっていた。)
舞台面が立ち上げれば、
今度はソファーやテーブルの位置や
役者の立ち位置等を決めていく。
こちらは演出である私の仕事。
客席から舞台全体を見渡して、
「テーブル、もう2寸上手!」
等の指示を出し、
道具類の位置が決まれば、
照明さんのシュートの始まり。
シュートというのは、
光の当たりの修正や、色の明るさ、
色合い等を微調整しつつ、
演出の意図に添えるような
明かりを創る作業で、
とても繊細な職人技が光る作業の事で、
相当な時間をかけて行う。
この作業もね、
舞台セットが立ち上がらないと
出来ないわけで、舞台上では暗くなったり、
色とりどりに変化したりと、
光のドラマが展開される。
そのシュート作業が終われば、
今度はサウンドチェック。
劇団ふぁんハウスの公演は、
毎回生演奏が必ずあるので、
まずはピアノとヴァイオリンを
実際に演奏してもらい、
劇場全体に響き渡る
音量等のチェックを行い、
続いて効果音(SE)のレベルチェック、
マイクのチェックと、
音に関する全てのチェックが行われ、
それらが全て終えたところで、
いよいよ場当たりが始まるのだが、
時計に目をやれば18時!
時間が経つのはあっという間・・・。
場当たりというのは、
照明、音響、舞台転換等の技術面の
確認をする作業で、
役者が実際に舞台上に立ち、
どんな照明になるのか?
衣裳の早替えは間に合うのか?
効果音や楽器の音のレベルはどうか?等、
総合的にチェックする作業のこと。
基本的にほぼ問題なく、
私のイメージ通りの照明と音響なのだが、
たまーに「う~ん・・・」という
場面も出てくるので、
その個所は修正を施してもらう。
ただ20年くらい前までは、
「演出的な要望=わがまま」
だと私は思っていたので、
「本当はそうじゃないんだけど、
まぁ~いいか・・・」
とかなり妥協していたところが
いくつもあった。
それがいつくらいからかな?
もう随分前からだけど、
少しでも私のイメージと違う転換の
明かりの変化とか音の入れ方があれば、
そこは遠慮なく言わせてもらっている。
ただ多くないし、
一発で「そう!それ!」を創ってくれるので、
その信頼があるからこそ
言えるんだけどね。
あとは当たり前だけど、
稽古場で出来た場面転換が
間に合わない箇所がいくつかあり、
衣裳の早替えも含め、
その都度練り直していくと!
おお!21時20分。
退館時間前、この日はここで終了として、
劇場をあとにするのでした。

