Page19–「『再演』の楽しさ」(ますだゆみ)

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団長の独り言 2026.03.03

「『再演』の楽しさ」  (ますだゆみ)

今週は団長の平野恒雄に代わり、
公演終了後の特別編として、
「ますだゆみの独り言」
をお届けいたします。
どうぞ最後までお付き合いください。

「夏の夜空へ 麻布公演」が終わって1ヶ月余りが過ぎました。
ずっと同じ役と向き合ってきたので、
公演が終わると役と別れるのが寂しくなります。
特にふぁんハウスは1年のうち同じ演目を2回上演するのが常なので
その1年間を共に過ごして来た役とは離れ難い気持ちです。

入団したばかりの頃は「再演」という事に慣れていなかったので
台詞や動きを忘れたりしないか、新鮮味が失われてしまわないか
戸惑いもありました。
が、実際に体験してみると、一度「本番」を経験することが
何よりも自分自身の「実」になり、
残っていくものだという事を実感しました。
演劇は、台本と役者と劇場、そして最後にお客様が入って完成する。
学生の頃、何度も聞いた言葉です。正にその通り!
本番を通して気づくことが沢山あります。
もっと良くしたいという欲も出てきます。
次の稽古までの間が、もう一度役と向き合う貴重な時間となります。
そしていざ稽古が始まると、新しい発見もあり、
役が「熟成」されたような感覚になります。

一度きりの公演なら、終わった芝居はそれっきりですが
ふぁんハウスの場合、否応にも?
「再演までの振り返りの時間」を与えてもらう事で
より深く掘り下げた役作り、芝居作りができるのだと思います。

又、公演によっては、一部のキャストが変わる事があり、
それによって演出や動きも変わるので
気持ちに変化が出てくることもあります。
「ああ、こんな感じ方もあるな」
「前には気づかなかった感情が沸いて来た」等

そして、ご覧頂くお客様にも
「同じ芝居なのに、前より全然面白くなった」とか
「ここが前とは違って良くなった」等
2回ご覧頂く事での面白さを感じて頂けるのが
ふぁんハウスのお芝居の特徴であり、
楽しみ方かもしれません。
そしてそこには団長の演出が大きく影響しています。
より楽しく、もっとお客様に喜んで頂けるお芝居を!
そんな団長の強い思いに引っ張って頂き、
私達も必死に取り組んでいます。

1年を通じての再演、そして年月を超えての再演、
もちろん最初の公演から真摯に
そして一生懸命取り組む事に変わりはありません。
が、一役者としては、何度も役と向き合う事で
前に進める、進化を実感できる事がとても有難く
それを観て下さるお客様の存在が
何より幸せな事だと思っています。

自分の理想とする夢に向かって、これからも
じっくりと役に向き合い、暖めていきたいと思います。


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