Page11–「稽古が出来る喜び」

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団長の独り言 2024.6.16

6月16日(日) 「稽古が出来る喜び」

稽古場で全員の笑顔を見ると、
いつも元気になれる。
だから私も稽古場では、
疲れた顔は出さないよう努力して、
明るい雰囲気作りに心掛ける。

なんだかんだ言っても笑顔ってのは、
劇団活動を行う上でとっても大切。

みんな色々あるけれど、
それでも、ちゃんと予定を調整をして、
星の数ほどある演劇集団の中から
劇団ふぁんハウスで芝居を行う事を選び、
一生懸命!芝居創りに情熱を傾ける。

そんな「当たり前の日常」。

しかし
「稽古が出来る」「芝居が出来る」
ってのは、実は当たり前の事ではない。

それを痛感したのは、
何と言っても約13年前の
「東日本大震災」の時と、
3年ほど前に世界中を震かんさせた
「新型コロナ」の感染拡大。

東日本大震災が起きたのは金曜日。
翌土曜日は、まだ始まったばかりの
第20回記念公演「門出食堂」の稽古の日。

世の中は何がなんだか分からない中、
とりあえず
稽古場に集まろうって事になったはいいが、
電車が動かず来れないメンバーもいたので、
結局その日の稽古は中止。

翌日の日曜日。
稽古場に出演者達が顔を揃えたが、
はてさてどうしたらいいものやら?
と当然そんな話になった。

それでも
「公演を中止しよう」
という意見は全くない。
それどころか、どのメンバーも前向き。

これから先、身も心も疲れた方々が
増える状況は続くはず。
だからこそ!
劇団ふぁんハウスのお芝居で、
皆さんが元気になっていただこう!
そのためにも、キチンとした
芝居を創る責任をかみしめ、
稽古を行おう!という事で
活動を続けることにした。

しかし、日を追うごとに
東北地方の
被害状況の凄まじさが報道され、
東京での混乱も増す一方。

スーパーやコンビニでは
食料や水の品切れが続出し、
ガソリンは供給を規制し、
ガソリンスタンドは大混雑、
電車も動いたり止まったり・・
高速道路も自由には使えず、
おまけに計画的停電を実施。

また災害に伴い、
交通機関がストップしたことや
国民感情を考慮するとの理由から、
演劇公演を中止するところも出始め、
各学校では卒業式を中止する
なんて事態にまでなる・・・・。

東日本の方々は、
大変な想いをしながら、
歯を食いしばって
不自由な生活をされている。

それなのに・・・
腹の足しにも何もなりゃしない事を
している場合なのか?って、
ニュースで伝え聞く
東北地方の現状に触れるにつれ、
自問自答を繰り返していたら、

劇団ふぁんハウスを
応援して下さるからのメッセージが届く。

「世の中が暗くなりがちな今だからこそ、
劇団ふぁんハウスのような
元気になれるお芝居が必要なんです!」

「そうだよな!」
とそのメッセージに強く頷き、
腹を決めてガムシャラに稽古を続け、
本番当日は、
大勢のお客様の笑顔と暖かい拍手の中、
無事公演を終える事が出来た。

それから十数年後、
記憶に新しい新型コロナの感染が拡大。

「緊急事態宣言」が発令されて、
日本から演劇が消え去った。
劇団ふぁんハウスでも、
創立以来初めてとなる「公演中止」を経験。

その数か月後、
様子をみながら稽古を再開したはいいが、
まだまだ芝居を行うという雰囲気ではない。

それでも出来るかどうか分からない
「本番」に向けての稽古を始めた。

しかし・・・
稽古場では利用時間に制限があり、
夜間の利用は禁止で、
その上何名以上は集まらない事・・・等々。
しかもマスクにフェイスシールド姿で
芝居の稽古をしなきゃいけない。

表情が見えない中で芝居の稽古なんて
「ありえない」状態だけど、
あの時はそれが「当たり前」だった。

いま考えれば、めちゃくちゃ異様。

そんな状況下であるにも関わらず、
「絶対成功させる!」]
という強い意志の下、

集団感染に怯えながらも、
ようやく「公演が出来る!」
というところまで漕ぎ付けたら、
劇場へ行く事に
躊躇する観客の方が大勢いらして、
感染のリスクを避けるためという事で、
ボランティアスタッフさんの
キャンセルも相次ぐ。

それでも、
「劇団ふぁんハウスのために頑張ろう!」
と集まって下さった皆様と共に、
キスポート財団、港区の
ご理解とご協力の下、
感染対策を万全に行うとの条件の中、
赤坂区民センターにて
「ざ・クリーンキーパー」を上演。

すると!
人数制限リミットギリギリの
お客様にお越しいただき、
感激の涙、涙の公演は、
大成功を収めることが出来た。

公演終了後、痛感したのは、
芝居を行うのは当たり前じゃない!
稽古場に集まるのは当たり前じゃない!
という事。

だから、
みなが笑顔で稽古場に来てくれる環境が、
すっごくありがたく感じる。

貴重な稽古時間を無駄にはしたくない。
妥協しない真剣勝負の稽古は続く。

昨日も充実した稽古を旧小学校にて行い、
本日はいつもの稽古場。
仕事のため1時間半ほど遅れたけれど、
熱い熱い稽古をしていたようで何より!

とにかく!
どんな事があろうとも、
稽古場では、
明るく!元気に!爽やかに!
そして「ガムシャラ」になって、
本番に向けて進み続ける、
劇団ふぁんハウスでありました。


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