Page23–「みんなと共に!」
『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2024.7.21-8
7月21日(日)「みんなと共に!」
楽日の朝、今日もいいお天気。
でも相当暑くなるみたいで、
夏だから暑いのはしょうがないけれど、
それにしてもここ数年、異常ですわね。
昨晩帰宅後に、
初日のお客様から頂戴した
アンケートに目を通すと、
読んでいて涙が出そうになるほど、
ありがたい感想ばかり。
皆様が昨日のお芝居を
心から楽しんでいただけたのが
伝わってくる。
「着物が着崩れて・・・」とか、
そんなものは一切ない。
やはり鈴木美千代は
ただものではない。
ミスはもちろんいけないが、
そのミスに気持ちを引きずられず、
堂々と演じるってのは、
なかなか難しい事。
しかもそのミスって、
セリフをとちったとかじゃ
ないからね。
彼女にとっての
見せ場中の見せ場でもある
歌のソロ!
しかも花道からの登場で、
ピンスポットバァ~ン!
カッコつけるところで、
ビシッと出来ず、
それでも堂々と歌い、
そのあとは、動揺を見せず、
キチンと演じ切ったんだからね。
これは後日談で
色々なお客様から伺ったのだが、
「まったく気づかなかった」とか、
「そういう演出かと思った」
「草履を履いていないのは、
老人ホームの畳の上で
歌っているんだと思っていた」
等々・・・。
いやぁ~ほんとに
お客様はありがたい。
しかし、だからと言って
「良かったねぇ」で、
普通に楽日を
迎えるわけにはいかない。
朝9時、役者、スタッフ
全員劇場集合で、
まずは、たけもっちゃん(竹本)演じる
「社長」が入ってくるところの
歩数の確認と、
すぐそばに座っている
「照代」演じる美佳ちゃんと
「田代」演じる橘田君の
リアクションを交えて、
たけもっちゃんが2人にぶつからず、
自然と居酒屋に入って来る事が
出来るのか?の確認作業やら、
上手前の明かりの中(サス明かりの中)に、
キチンと入り切れていなかった
役者の位置の確認等を行い、
そして!みっちゃんの
早替え箇所の確認稽古を行う。
早替えと言っても、
意外と長いシーンが続くので、
みっちゃんがはけて(退場して)、
着替えに入るシーンから、
ずーっと歌のシーンまでを
普通に続ける事になる。
まぁ~そこまで続けるのならば、
折角なので、
歌が終わって次のシーンまでやって、
1幕の最後まで
やろうという事にしたのだが、
これは他の役者達にとっても、
本番通りの環境の中、
部分通しが出来るので、
気持ちを引き締めるためにも
丁度いい。
昨日の疲れもなんのその!
みな集中して行えば、
みっちゃんは
キチンと着物を着て髪も整え
堂々と登場し、彼女の中でも
問題点の整理も出来たようだ。
そうこうしていると、
あと1時間ほどで「開場時間」となる。
「では楽日!よろしくお願いします」
という号令と共に、
各自本番に向けての
最終確認をあちらこちらで行う。
私も早々にメイクをして、
衣裳を着込み、心を落ち着かせるために
客席に腰を下ろしていると、
舞台上では、ゆみさんとみっちゃんが、
これでもか!ってくらい
合わせ稽古をしている。
「お二人さん、たのみまっせ~」
という気持ちで目を閉じていると、
受付スタッフさんに
ご挨拶する時間となったので、
役者全員ステージ前に集合をして、
恒例の「1、2、さぁ~ん、ダァ~」と
大声で叫び、こぶしを天につき上げ、
皆様との心をひとつにして準備へと入る。
午後1時55分。
役者、舞台スタッフが男子楽屋に集合。
円陣を組んだ状態の中、
私はひとりひとりの目を見て、
「楽しもう!落ち着いて!
稽古通りに行こう!」と言うと、
全員が右手を伸ばし、
手の甲を重ね合わせ、
「いくぞ~」「お~」の掛け声で、
気合を入れ、
各自舞台袖へとスタンバイ。
私は袖にいる
それぞれの役者の元へ行き、
一人一人とグータッチ。
小声で「よろしくね」と笑顔の交換会。
やがて1ベルが鳴り、
ボイスエマノンさんのナレーション、
そして2ベルが鳴り終わると、
アマティアズとかぶちゃんの
ピアノとヴァイオリンの演奏が始まり、
「ふたりのゆめ・板橋公演」
の千秋楽が幕を開けた。
幕開きから、どの役者も
めちゃくちゃテンポがいいし、
生き生きした芝居で、
ノリに乘っているのが伝わってきて、
お客様を「ふたりのゆめ」の世界に
引き込んでいく。
いやぁ~本当に皆さん、すごいわ。
よくぞここまで成長してくれたもんだ。
稽古を始めたばかりの頃は、
「ほんまにどーしようかぁ・・・」
と頭を抱える事、数えきれず・・・
そのみんなが、
こんなに堂々とキラキラと輝いていて、
後半のクライマックスでは、
感動的なシーンでお客様を魅了し、
今回も無事幕を降ろす事が出来たのでした。
この回には、
綾部市の関係者の皆様が
大勢お越しだったので、
カーテンコールのあとの
私の挨拶の中で、「知世」演じるゆみさんに、
「知世さんは、どこで歌うのが
『夢』なんですか?」
とあえて振ると、
一瞬、えっ?って顔をして
「日本武道館」と彼女は言うので、
私は「違うでしょ!」と
目で合図をしたら、ゆみさんは慌てて、
「(京都府綾部市)中丹文化会館でーす」と
間違い?をただした。
作品の中で「中丹文化会館」というのは、
とても重要な場所として登場する。
様々な奇遇と、
素晴らしい方々との出会いから、
その「知世」の夢が、
現実のモノになるやもしれない。
だからこそ!
劇団ふぁんハウスは
これからも夢を大切に、
みんなで前に進むのでありました。


