Page16–「『夏の夜空へ 板橋公演』 を振り返る・その2」
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団長の独り言 2025.04.17-2
「夏の夜空へ板橋公演」を振り返る・その2
劇場内に全ての荷物を運び終え、
舞台上では
まず照明さんの仕込みが始まる。
その間、大道具チームは控室にて
建て込み手順の打ち合わせ。
女子楽屋では、
お客様にお配りする「お知らせ」等を
パンフレットに挟み込む作業を
目の見えないメンバーが中心となり行い、
一方、受付ブースでは、レイアウトから
巨大看板造り等の作業に取り掛かかっている。
私は、なんとなく全体をチェックしつつ、
劇場内をフラフラ歩いていると、
ゆみさん(ますだゆみ)が
血相を変えて私の元にやってくる。
「団長!受付さんが付ける
腕章の入った箱と、
受付さんが使用する懐中電灯一式が
どこを探しても見当たらないんです」
「よく探した?」
「はい!劇場にはありません!」
というので、ならば搬入口の
1階エレベーター付近かな?と思い、
私は1階エレベーター前に行くがない・・・
あと考えられるのは
トラックから下ろし忘れたか?
あるいは倉庫にあって
積み残しか?というところ。
トラックの荷台の最終確認は私もしたので
可能性としては考えにくいが、
万が一って事もあるし、
念のため「シゲタ」さんに
連絡を入れるが、「ない」という。
となると・・・「倉庫」しかない。
しかし、
「腕章の入った白い箱、
積んだ記憶はあります。」
と千秋ちゃん。
私もそんな気はするが、
でも「絶対積んだ!」とは言い切れないので、
「よし!じゃ~倉庫に行ってくる!」と私。
幸いにして今の時間(午前9時半過ぎ)は、
道路の渋滞もひと段落した時間帯。
倉庫までは片道30分ちょいの距離。
昔々のふぁんハウスであれば、
仕込みの日も、
私がずっと劇場にいなきゃ
何も回らないくらい、
全て私が仕切って作業をしていたが、
今では舞台面に関しては、
超・優秀な舞台監督の高橋さんがいるし、
その他に関しては、ゆみさん、千秋ちゃんが
仕切ってくれているので、
私の仕事は写真を撮るくらいで
「仕込みに絶対にいなきゃいけない」
というわけでもない。
フットワーク命の平野恒雄は、
すぐさま、倉庫へと向かうべく
支度をしていると、
「団長、
肩の事もあるので1人じゃなくて・・・」
とゆみさんが、
小路さん(小路敦)と同行するよう
助言してくれた。
確かに倉庫に設置する
大きな階段(イントレ)を動かすには、
結構な力がいる。
私の右肩の事を考えると、
もう一人いたほうが助かる。
そこで高橋さんの許可を得て、
舞台作業の段取り中の
小路さんに声を掛け、
小路さんと共に平野カーに乘りこみ、
劇団倉庫へと向かう。
小路さんとの付き合いも、
もう26~7年。
彼は第4回公演に初めて出演し、
数か月後に行われた
愛知県の蒲郡公演の時は、
劇団員を乗せたマイクロバスを
私と二人、交互に運転して蒲郡まで行き、
(彼も大型免許を持っていた)
23年前、
第6回公演「セカンドステージ」の
本番直前に公演中止になるほどの
大事件が起きた時も、
当時在籍していたSさんと共に
私を精神的に支えてくれて
「団長!やりましょう!」と
励ましてくれた。
あの時、小路さんとSさんがいなければ、
おそらく6回公演は中止にしていだろうし、
そうなれば
劇団ふぁんハウスも
あの時点で終わっていたと思う。
そういう意味では、
彼は劇団ふぁんハウるの恩人?
だと私は思っている。
そんな彼と倉庫へ向かう道中、
久々に二人だけで語りあえた。
設立時の話が出来るのは、
今や小路さんだけ。
「あんな事あったなぁ~」
「こんな大変な事もあったね~」
と還暦を超えたおじさん二人で
昔話に花を咲かせる。
彼はその後、様々な事情から
劇団ふぁんハウスから
随分と長い間遠ざかっていた。
受付スタッフとしては、
ちょくちょく顔は出してくれていたが、
そーだなぁ~
その受付スタッフからも遠のいてからは
数年間は全く音信不通だった。
そんな彼が、役者としては
奇しくも初演「夏の夜空へ」以来、
18年ぶりに
劇団ふぁんハウスの舞台に
役者として戻ってきた。
人生って不思議だね!
って話やら、色々な話が出来たのは
本当に良かった。
約30分後、倉庫に到着。
大階段を設置して、倉庫の扉を開けると、
「ない!」
どこをどう探しても
目的のものはない!
どこにあるんだぁ?と諦めかけた時、
「あっ!」と急に朝・積み込んだ時、
腕章の入った白い箱を
ソファーとテーブルの間に
詰め込んだのを
はっきりと思い出した!
すぐゆみさんに電話をする。
「絶対に劇場にあるはず!」
と伝えた10分後、
「団長・・・ありました・・・
申し訳ございません」
との連絡。
テーブルの下のなんじゃらの
かんじゃらが上にあって、どうのこうので
見つけられなかったとの事で、
私をわざわざ倉庫まで走らせた事に対して、
しきりに反省していたけれど、
私的には小路さんと
劇団の歴史を語り合えたし、
何はともあれ二つの荷物が
出て来たので良かった~という思い。
(池袋で購入する段取りをしていたので。)
すごく申し訳なさそうなゆみさんに、
「大丈夫!出て来たんだし、
気にしないで作業続けてよ」
と伝えて、
小路さんと共に再び劇場へと向かう。
劇場に到着すると、すでに舞台上では
立派なセットが建ち上がっていて、
私が顔を出すや否や
待ってました!とばかりに、
舞台監督の高橋さんが、
「ソファーやテーブルの
位置の確認をお願いします!」
との事で、
私は客席から各道具類の位置を
細かく指示を出し、
決定した道具類は全て床に印をつけ、
その道具類の位置を元に
照明さんの明かりの合わせ
作業(シュート)が開始されたのでした。


