Page18–「『夏の夜空へ 板橋公演』 を振り返る・その4」

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団長の独り言 2025.04.18-4

「夏の夜空へ板橋公演」を振り返る・その4

4月18日(金)、初日を迎える。
快晴の青空。
家に祀っている「明治神宮」の
お札の入ったお社に向かい
二礼二拍手一礼。

毎朝の行っている事だけど、
いつも以上に長くお祈りをして、
いざ出陣。

美鶴さんと共に「平野カー」に乘りこみ、
毎度おなじみ、
「ハウンド・ドッグ」の「フォルティシモ」を
大ボリュームにて車のスピーカーから流す。

聞きなれたイントロが流れ出すと、
体中のアドレナリンが出てきて、
「おっしゃぁ~」って気持ちになる。

この儀式?を始めたのは、約26年前、
第1回公演「風に吹かれて」の初日の時。
曲を流しながら(爆音で)劇場に向かうと、
めちゃめちゃ精神統一出来て、
第1回公演は大成功を収めた。
それ以来初日の朝、
劇場に向かう車中では、
必ずフォルティシモを聴く。

「激しく たかぶる 夢を眠らせるな!
あふれる思いを あきらめはしない」

ここのフレーズになると体中が震える。
劇団ふぁんハウススピリッツそのもの。

ボーカルの大友庸平さんは、
体調を崩されているとかで、
すっかりお目にかからなくなったけれど、
私は人生の節目で
何度ハウンド・ドッグに
励まされただろうか?

そういえば、自分の結婚式の
「入場の曲」もこのフォルティシモだった。

「新郎・新婦の入場でございます」
で暗い場内の中、まずは
フォルティシモのイントロが爆音で流れる。

そしてイントロ終わりの歌い出しと同時に
会場後方のセンター扉が開くと、
ピンスポットに照らし出された
新郎新婦が笑顔で登場!

フォルティシモの勇ましい曲に合わせて、
こぶしを突き上げながら
場内をゆっくりと歩き、
高砂の席に着くという演出を
私が考えたのだが、

会場の友人達も、
こぶしを突き上げてくれていたので、
ほとんどボクシングの
世界タイトルマッチのような
感じの新郎新婦の入場だった。

まぁーそんな話はさておいて、
フォルティシモを
何度も何度も繰り返し
聞きながら会場に到着。

開門まであと15分程あるのだが、
すでに劇団ふぁんハウス関係者全員が、
楽屋口付近に集まっていたので、
車を降りて、一人一人にご挨拶。

うん!大丈夫!誰一人欠けることなく、
全員集まっている!
出演者、スタッフ全員が
集まっているというのは、
当たり前のようで当たり前じゃないからね。

怪我も病気もなく、こうして初日の朝、
みんながいるという事に感謝しつつ、
緊張をほぐすかのように
他愛もない話をしていると、さぁ!開門!

楽屋でしばし休憩等しての30分後、
劇団ふぁんハウス公演では
恒例となっている、関係者一同による
「成功祈願」を舞台上にて行う。

今年も正月に明治神宮にて、
お札をいただいてきた。

普段は我が家に祀っている
「劇団ふぁんハウスの神様」だが、
本番中は、劇場にてお迎えをする。

そのお社に祀っているお札をみなで囲み、
アマティアズの祝詞に合わせ首を垂れ、
願いはひとつ!
「成功しますように!」

成功祈願後、昨日やり残した、
ラストのクライマックスシーンから
最後までの場当たりを行う。

クライマックスってのは、
当たり前だけど、芝居がもっとも
盛り上がる場面であるため、
必然的に場当たりも念入りに行う。

私は照明さん、音響さん、役者の皆さんに
遠慮をする事なく、
「もっとこうして欲しい」を伝えるが、
一度でイメージ通りに行かなければ、
何度となく同じシーンを繰り返し、
予定どおり、
12時30分に場当たりは終了する。

昼休憩後の14時、ゲネプロ開始。

1ベルが鳴って、
場内アナウンスが入るところから、
照明、音響、そして当然ながら
役者達もメイク、衣裳姿で本番通り。

途中で間違いがあったとしても
中断する事なく進めていく。
無観客であることを除けば、
本番と全く同じ状態で行う総合舞台稽古を
ゲネプロという。
(ドイツ語のゲネラールプローベの略)

「場当たり」では、場面の変化する箇所のみ
演じて動いてみたけれど、
それら全てが上手くいくのかどうか?
最終的に確認すべく、本番なみの緊張感の中、
ゲネプロが開始される。

約2時間、緊張の連続だったけれど、
そのゲネプロも問題もなく、
終える事が出来た。

この後舞台上で集合写真を撮り、
10数名の受付スタッフさん達と
出演者全員が客席に集まり
「1、2、3、ダァ~!」
の掛け声で気合を入れて、
各自が思い思いの時間を過ごし、
開演を待つばかりとなったのでした。


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