Page2–「キャスト変われば!全てが新鮮」

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団長の独り言 2025.06.23

「キャスト変われば!全てが新鮮」

「ふたりのゆめ」という作品は、
2024年1月、
麻布区民センターにて初上演。
その後、その年の7月に
板橋区立文化会館で再演し、
この度、9月7日、京都府綾部市
中丹文化会館にて、
公演を行うのはお伝えしているとおり。

再々演だし、それほど
ガッツリ稽古しなくてもいいでしょう?
と思われるかもしれないが、

いえいえ!
全くそんな事はございませんでして、
板橋公演の時からも、
なんだかんだでキャストが代わったので、
稽古自体も初演作品を行うのと
同じ感覚で行う事になるのだが、
先週の土日の稽古では、
とりあえず、前作をなぞる感じで
一通りの立稽古を行ったてみた。

ただ「前作をなぞる」とは言えども、
約半分のキャストが入れ代わっているので、
「ふたりのゆめ」は初めての
役者達にしてみたら、
全てが初めての事なので、
「なぞる」も何もあったもんじゃない。

それなりの芝居をしつつ、
戸惑いながらも、動き回ってくれて、
それがなかなか面白った。

そうなると、再演メンバー達は、
当然ながら「前回と同じ」という
わけにはいかなくなり、

自由自在に動く
新メンバーの芝居に合わせながらも、
時に自分のペースでの芝居も行い、

観ているほうからしてみたら、
ちょっと噛み合わないところもあるにせよ、
程よい緊張感の中、先週の土日で、
全編通す事が出来た。

そこで今回の土日の稽古は、
前回観させてもらった
皆さんの個性を活かすべく、
細かく役者の動きを付けていく。

ストーリーは同じなのに、
役者が代わればこうも変わるものか?
ってくらい変化していく中で、

特に大きく変わったのは、
オニタン事、鬼丸禎子演じる
老人ホームの従業員「立花」のシーン。

オニタンは、
前回の「夏の夜空へ」では、
鋭い眼光で、
共演者達をビビらせていた
「長尾刑事」を熱演し、
劇団ふぁんハウスデビューを果たした。

出番こそ少なかったものの、
その存在感を観客に植えつけた演技力は、
今回の「ふたりのゆめ」でも
如何なく発揮する。

そんなオニタンではあるが、
最初の立稽古の時は、
無色透明の教科書のような
芝居をしていた。

「それじゃ~
オニタンの本当の魅力はでない。」

そう思った私は、
彼女に存在感を出してもらうべく、

「色っぽくて、
破天荒な立花でやってもらえる?」

という・・
なんやねん!そのダメは??と
思える抽象的な注文をつけ、
その宿題を出したのが1週間前。

相当悩んだだろうね。
でも彼女の事だから、
何かしらやってくれるだろう!と
期待を胸に昨日の稽古では、
芸能事務所の「岸本」が、
「立花」の働く有料老人ホームに
訊ねて来るシーンから開始する。

「ここはまず最初に『立花』のみ登場して、
そこで『色気と破天荒さ』を出しながら、
岸本を招き入れて!」

というと、
シーンが始まるや否や、
オニタンはスイッチが入って、
稽古場にいる誰もが度肝を抜かされるほどの
「色気と破天荒」な芝居というよりも、
すごいパフォーマンスを披露!

普段の物静かでおしとやかな彼女からは
想像もつかないような
自己解放した「立花」が現れた。

「ふたりのゆめ」という作品では、
これまで2人の役者が個性的な
「立花」を演じてくれたけれど、

オニタンの「立花」は、
この2人の何百倍も衝撃的な
「立花」を作り上げてくれた。

想像を超えた
オニタンのパフォーマンスに
最初はあっけに取られたけれど、
これくらいのエンターテインメントさを
出してもらると、私の想像力も
どんどん膨らむというもの。

オニタンと同じような事を
センスのない下手な役者がやると、
ただの「悪ふざけ」になって
しまうかもしれないが、
彼女の素質は素晴らしく、
破天荒で色気のある芝居を
堂々と披露して、
稽古場にいるみんなを惹きつけた。

当然、このパフォーマンスは採用となる。

他にも「ふたりのゆめ」初登場となる
メンバーでは、
芸能事務所・社長を演じる堀越さんの
芝居も斬新で面白く、
マネージャー岸本との絡みが楽しみになる
芝居を連発してくれた。

ベテランの味でこの二人のシーンは、
お任せしようと思っている。

「居酒屋門出」の常連客・田代主任を
演じる大野さんも、稽古を重ねるにつれ、
彼の持ち味が出て、昨日の稽古での
居酒屋門出の常連客「大槻照代」を
演じる美佳ちゃんのパワーアップした
変幻自在の芝居を受たリアクションは、
あれは彼じゃなきゃ出来ないなぁ~って、
思った。

そして老人ホームの住人・健三を
演じる澤さん。

相変わらず
飄々としたぎこちない芝居だが、
今回はそのぎこちなさが役に合っていて、
老人ホーム住人であり恋仲の
「吉野」を演じるあざみさんとの
リアルな「でこぼこさ」がいい感じだ。

そして!やる気の塊のイクシー。

「チラシ配りでもなんでもやるので、
僕も綾部に連れて行って下さい!」

と言ってくれた、
彼の素直さに心が動かされ、
急きょキャスティングをした。

インチキ司会者・「売田事内蔵」という役を
やってもらうつもりだったけれど、
ただ、あの役は60歳以上という設定。

さすがにイクシーが、
60歳以上の役をやるには
無理がある。

そこで、
「売田事内蔵(うれたことないぞう)」
の一番弟子、
売田事内容(うれたことないよう)」を、
彼は演じる事となる。

今回も「見える人物」として、
今から特訓が始まる。

こうした新メンバーに刺激を受け、
「ふたりのゆめ」は、
どんどんと「綾部仕様」へと
進化していくのでありました。


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