「『ふたりのゆめ 綾部公演』を終えて今思う事」 生島唯斗

初めて私が「ふたりのゆめ」を見たのは、ちょうど2年前の事でした。
初演の麻布公演と再演の板橋公演のどちらも見させて見させていただき、
板橋公演の最後に「いつか自分もあのメンバーの中に交じって一緒にやってみたい」
という夢を持つようになりました。
それがまさか現実の出来事になるなんて、なんだか今こうして終えてみると、
とても感慨深いものがあります。

今回は、P版歌手でありキャバレーなどの司会者としても活躍している、
「売田事内容」を務めさせていただきました。
この役を務めさせていただくにあたり、
事前に演歌歌手の司会の研究をしておくようにと指示があり、
実際にタイミングよくシビックセンターで開催されていた歌謡祭に出向き、
演歌歌手の司会を勉強させていただきました。
しかし、いざこれを自分に結び付けてみると、とても難しいもので、
なかなか稽古中に完成できるかという不安がありました。
さらに、最終稽古ぎりぎりまで板付き(暗転の状態からすでに舞台上にいる事)に
なるのか、ピンが入ってから登場するのか全く分からず、
リハーサルになるまでどうなるか分かりませんでした。
しかし、多くの皆様のご協力もあり、板付きにはならずに、
明かりが入ってから登場という運びに持ち込む事が出来ました。

会場の様子を知りたくて、前半と後半の間の休憩時間に舞台袖に行ってみると、
前回の公演とは違い、
明らかに舞台袖からも観客の皆さんのざわざわした声が伝わってきました。
さらに、後半部分が始まると、皆さんのリアクションや拍手などが、
楽屋とはまた違ってより鮮明に聞こえるので、
気持ちの高ぶりが自分でもよく分かるような感覚に陥りました。
そして、前半部分ではいろいろといじられていた彼の登場シーンが!
マイクを持って登場した瞬間、観客の皆さんのあふれんばかりの拍手に包まれて、
無事紗幕に当たらず登場する事が出来ました。
そしてセリフを言った瞬間から脳内のアドレナリンがぶわっと放射されている感覚が
自分でも分かるくらいにテンションが上がる感覚がありました。
そして以前から考えていた
「会場と一体となるように」という私自信の目標も達成する事ができました。
まさに当時思い描いていた「夢」が実現した瞬間でした。

さて、しばらくの数週間は次のステージに向け、英気をしっかり蓄え、
来年に開催される「夏の夜空へ」に向けて、気を引き締めて行きたいと思います。
皆さん、引き続き応援よろしくお願いいたします。


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