「役者・福岡美佳としての歩み」 福岡美佳
私がお芝居を始めたのは2014年。社会人になってからでした。
きっかけは、アルバイトでやっていた「着ぐるみアクター」。
「中の人」として跳んだり跳ねたり、
ピアノの演奏(着ぐるみは視界が非常に悪く、
ほぼ目隠し状態でした)をしたりしているうちに、
「これ、いっそ『素顔』で演ったらもっと楽しいのでは?」
という欲が生まれてしまったのです。
とはいえ当時は30代半ばで、学生時代の演劇経験もゼロ。
「今からお芝居を始めるって、もしかして無謀?」
そんな不安を抱えながら、ワークショップや養成所を転々とし、
初心者OKの舞台を探しては出演し…と、まさに手探り状態の毎日でした。
始めたばかりの頃は、とにかく「大きな声」が出ない。
後ろの席までしっかり届く声量なんて夢のまた夢。
滑舌も残念で、「手紙」が「毛ガニ」に聞こえ、
稽古場をざわつかせたこともありました(当時は本気で落ち込みました…)。
舞台用語も謎だらけ。
「上手・下手ってどっち?」
「板付きって板にくっつくの?」
毎回、頭に「?」を浮かべながら、付いて行くので精一杯でした。
「やっぱりこの歳でお芝居を始めるのは無理なのかな…」
と落ち込んだこともありましたが、仲間に救われ、
積み重ねた経験が少しずつ自信に変わっていきました(まだまだですが…)。
ふぁんハウスとの出会いは2017年。
扉座研究所の卒業公演のチラシ折り込みがきっかけでした。
「視覚障害者の方も楽しめるバリアフリー観劇」
を進めているということに強く心を惹かれ、
「まずは観客として行ってみたい」と思いました。
そして2018年、『ふきのとう物語』を観劇。
ほっこり温かくて、心がやさしくなる世界に感激し、
「私もこの舞台に立ちたい…!」と強く思うようになりました。
勇気を出して団長にメールを送り、面接を経て入団しました。
私の初舞台は2018年の『夢めぐり』です。
右も左も分からない私を、メンバー全員が支えてくれて、
なんとか幕を下ろすことができました。
気付けば、入団からもう7年(自分でも驚いています…!)。
これからも、ふぁんハウスの一翼を担えるよう、
役者として少しでも力になりたいと思っています。
そして、来年1月の公演『夏の夜空へ』では、
山の上ゆかりとして、精一杯舞台の上で生きてまいります!


