Page2 –「稽古が出来る事に感謝しましょう。」

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団長の独り言 2023.05.14

5月21日(日)
「稽古が出来る事に感謝しましょう。」

稽古真っ最中の
「人生芸夢?夢のとおり道?」は、
7月15日(土)、16日(日)に
板橋区立文化会館にて開催する。

物語は、山形と秋田の県境にある
温泉街にある架空の芝居小屋のお話。

前回は2月に
赤坂区民センターにて上演して、
大好評の中、幕を下ろした作品なので、
今回の位置づけとしては、
一応「再演作品」って事にはなっている。

しかし、
一部のキャストが代わった事により、
役名こそ同じだけど、
設定から何から何まで変更した役があり、
その上、新なる登場人物も加えたので、
「再演作品」とはいえども、
物語の大筋は同じだけど、別物の作品となった。

そのため稽古を行う度に、
どんどん動きや芝居が変化していて、
「新作」の稽古を行っているかのよう。

新メンバーのお二人も、
フレッシュな芝居を披露してくれるので、
稽古は毎回刺激的で、
楽しい雰囲気に満ち溢れている。

ギスギスしている稽古場は、
基本的にはあまり好きでないので、
なるべく
「楽しい雰囲気」の稽古場にしようと、
心掛けてはいる。

ただ、だからと言って
お遊びの演劇サークルとは違うし、
身内だけで楽しむ発表会を行う
団体だとも思っていない。

そういったことは
メンバー達も
重々理解しているとは思う。(多分)

昨日の土曜日は、仕事のため
稽古場到着が20分ほど遅れたのだが、
部屋に入ると脚本が変更になった箇所の
芝居をみなで真剣に行っていた。

こういうメンバー達の芝居にかける情熱が、
私を動かす原動力なんです。
この日は朝5時前に起きて
仕事を終えてからの稽古なので、
正直クタクタのヘロヘロだったけれど、
一生懸命なメンバー達の姿を見ると、
疲れたなんて言っていられない。

まずはキリのいいところで、
平野カー満載の芝居用の道具類を
みんなで運び込む。

道具類が運び込まれたら、
手分けしてテーブルの組み立て、
ベンチの組み立て、小道具の確認等、
手際よくみんなで行う。

するとあっと言う間に
「簡易舞台セット」が完成する。

しかし、とっても狭い稽古場の中に
簡易的なセットを組んでいるものだから、
距離感は勿論のこと、何から何まで
本番の時の舞台セットとは
まるで違うものが稽古場に並ぶ。

でもね・・・コロナ真っただ中の時は、
公演が中止に追い込まれて、
その約1年後、何とか本番が出来るかも?
ってなってからも、
稽古場確保は困難な状態は続き、
それこそ、
今、稽古場としてお借りしている施設は、
PCR検査場になってしまったので、
やむなく他の公共施設を探しに探し、
ようやく確保出来たとか思えば、
時間の制約が厳しくて、苦労しながら、
様々な環境下の中で稽古を行い、
なんとか「ざ・クリーンキーパー」
を上演する事が出来た。

そんな経験をしただけに、
今、こうして自分達が設定をした時間帯で、
自由に使える稽古場があるというのは、
とってもありがたく思う。

「当たり前」が、
「当たり前ではない」ってのを、
分からせてくれたピーク時のコロナ感染。

あの時は演劇を行う事も、
当たり前じゃないんだってのを
痛感させられた。

そういう想いをしただけに、
部屋が狭かろうが、簡易セットだろうが、
稽古が出来る場所があるって事だけで、
とてもありがたいと感じる。

ましてや、
マスクもフェイスシールドもしないで
顔の表情が分かる中、お芝居の稽古が
出来るようになったのだから、
1分1秒だりとも無駄な稽古はしたくない。

そもそも芝居の稽古というのは、
キャストが揃って、
初めてちゃんとした稽古が出来る。

何度も言うけれど、劇団ふぁんハウスは
「お遊び演劇サークル」ではない。

偉そうなこというつもりもないけれど、
私は劇団ふぁんハウスを立ち上げた時から、
ブレる事なく、そういう信念で、
これまでやってきたからこそ、
ここまで続けられていると思っている。

セリフがある事は当たり前じゃない。
役がある事も当たり前じゃない。
稽古が出来るのも当たり前じゃない。

それらを今一度噛みしめて、
今回も多くのお客様に、
元気をお届けする作品をお届けするためにも、
ちゃんとした稽古を行うのでありました。


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