Page14 –「昼夜稽古が始まる。」

『団長の独り言』PDFファイル（A4サイズ）
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言　2023.12.24

12月24日（日）
「昼夜稽古が始まる。」

昨日から昼夜稽古が始まった。
昼夜稽古とは、
13時から21時30分まで
ビッシリ行う稽古の事で、
劇団ふぁんハウスでは、
本番の約1か月前から昼夜稽古を行っている。

せっかく昼夜連続稽古を行うのだから、
稽古場も
極力実寸の取れる広い部屋を押さえて、
追い込み体制をとることにしているので、
役者陣は、
いつも以上に気合が入っている感じ。

昨晩、舞台美術の三井さんから
正式な図面が届いたので、まずはその図面に従い、
間口、奥行き、役者が出入りするところ等を
メジャーで計り、紐や養生テープ等を用いて
印を付けていくと、舞台セット全体の寸法が
見えてきたので、
そこに本番でも使用する予定のテーブルや丸椅子、
居酒屋門出のカウンターに見立てた、
長テーブル等を図面どおりに設置すると、
思っていたよりも広い！

ここの劇場は、通常のホール劇場と違って、
上手・下手の袖にプロセミアム用の
巨大な壁（プロセ）が収納されているのだが、
これが意外とやっかいで、
収納したままの状態だと
プロセが舞台袖を塞いでしまい、
袖幕から役者の登場・退場（出ハケ）が
出来なくなってしまう。

じゃ～って事でプロセを舞台面に出すと、
今度は間口がかなり狭くなってしまい、
いやはや・・・
なんともやっかいなものがあるのだ。

一応三井さんは
「プロセあり、プロセなし」の
両方の図面を用意してくれたけれど、
袖幕からの出入りが出来ずとも
舞台全体が広く使える「プロセなし」の方が
いいと思ったし、

この日、稽古場にお越しになったＴさんに
「観客目線」からの意見を伺っても、
「プロセなし」がいいとの事だったので、
「プロセなし」バージョンで行くことにした。

ただ、そうなると・・
これまでの稽古で動いていた
舞台袖からの出ハケが出来なくなるわけで、
役者の動きも変更しなきゃいけない。

そこで稽古に入る前、
まずは役者の出ハケの修正を
場面を追って行うが、
出ハケの位置が変われば、
動きも変るし当然芝居も変わる。

だから最初は、
みんなちょいと戸惑っていたけれど、
舞台セット内にある出入口から
直接役者が登場したり退場したりする事により、
動きがより立体的になり、
芝居の面白みが増したのは嬉しい誤算。

その舞台セット内にある出入口は、
時に老人ホーム、
時に居酒屋門出の出入口にもなるので、
照明さんにメリハリを付けてもらい、
役者がそれなりの芝居をすれば、
益々いい感じになるはず。

そんな事を思いつつ、
昼夜稽古をスタートさせる。

これまで
夜のみの約3時間の稽古だったのが、
昼夜連続で、
約8時間もの稽古が出来るので、
追い込みを行うには大変ありがたい。

「後回し」にしてきた気になる箇所も
徹底的にダメを出しつつ、
皆さんに演じてもらう。

いまだにセリフを完璧に覚えきれず、
それが余計な間をつくり、
その余計な間が伝染して、
随分と間延びした「なんじゃこりゃ？」って
場面があったのは残念だったけれど、

ラストシーンに向かうにつれ、
自分で書いた脚本なのに感動してしまい、
演出席にいるにもかかわらず、
うるっとしてしまう場面もあった。

翌日曜日、
私は仕事のため夕方からの合流となったが、
皆さんはこの日も昼間からの稽古。

舞台転換の打ち合わせ、
出ハケの確認等を念入りに行い、
その後、前半を通したとのこと。

かなり充実した稽古を行ったとの事なので、
1時間の休憩後、
もう一度前半を通してもらうと・・・

うーん。
疲れたのかなぁ？どうしたのかなぁ？
集中力の欠いた芝居が連鎖していた。

その前半部分の通しを終えてたあと、
特にテンポの悪かったシーンを抜いて、
あーでもない、こーでもないってやってみたが、
私も役者もモヤモヤは晴れない。

そこで、
役者本人が創ろうとしている
重たい芝居は捨てて、
カラッと明るく軽く演じてもらってみる。

ダメを出された本人は、
なぜにダメをだされるのか理解はするものの、
これまで自分が「よし」と思っていたものを
がらりと変更させられたとあって、
なんだか浮かない顔をしていたが、
言われるがままの芝居をすると、
誰からも「すごくいい！」って言われ、
その変化に驚いていた。

あとは、
共演者との
コミュニケーション不足だと思うけれど、
お互いの芝居の息が合っていないの
も気になったので、

そこはね、
充分に詰めて貰うって事にして、
この日の稽古を終えたが、
気が付けば、本番まで稽古も数回。

年末30日にも稽古を行えば、
いよいよ1月。

いい年を迎えるためにも、
最高の本番を迎えるためにも、
ガムシャラに行きましょうね！！