Page3 – 「どんな環境下でも!」

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団長の独り言 2021.04.18

4月18日「どんな環境下でも!」

コロナ感染が収まらず、

まん延防止等重点措置が発令された東京では、

稽古場の使用も制約されるようになり、

午後8時までの利用となった。

本来ならば、

午後9時30分までは利用出来るわけで、

この1時間半の時間差はとっても大きい。

しかも

1時間半も利用時間が短くなったのに、

利用料金は減額されない。

「それでもいいならば利用出来ますがどうします?」

「それが嫌ならキャンセルして下さい。

その際、還付金を支払います」

との事。

そもそも区の施設には、

「時間単位で割引く」という概念がないから、

緊急時にはこうした対応になるのも分かるけれど、

民間のレンタルルームでは、

「こちらの都合」ではなく利用時間が短くなった際、

利用料金が減額されない何てことはまずありえない・・・。

昨年からのコロナ禍で

施設の利用制限が何度も行われているわけだし、

まだまだしばらくはコロナの終息も

見込めそうにないし、時短になった場合の

施設利用規約みたいなものを

見直してもいいのではないかと思う。

と・・愚痴めいた事を言いましたが、

緊急時に施設を利用させていただけるだけでも

感謝せねば。

さて、前回公演では緊急事態宣言下の中、

迷いながらも悩みながら、

感染対策を万全にして公演を行い、

大勢の方々のご協力の下公演は無事終わり、

それと同時にコロナ感染も

徐々に下火になってきたような雰囲気だったので、

7月公演での稽古では、フェイスシールドも

マスクも必要ないかな?くらいの気持ちでいたのに!

まったくとんでもない・・・。

嫌な感じで感染者数が増えていて、

先週から立ち稽古を開始したけれど、

全員マスクにフェイスシールド姿。

慣れたとはいえ、やはり違和感は否めないが、

世の中のみんなが、

色々な事に我慢に我慢を重ねて

過ごしているのだから、違和感があろうとも、

お芝居を行う事が出来るのだから、

ここも感謝せねば。

こんな世の中だからこそ、

ささやかではあるが夢と希望や笑いをお届けしたい。

そのためにも、感染予防対策を講じながら、

楽しいお芝居を創っていこうって思い、

普段の生活では色々と苦労もある中、

メンバー達は、笑顔いっぱいで稽古場に顏を揃えた。

いつもなら、なんとなく雑談めいた話をして、

空気を和ませてから徐々に稽古へと入るのだが、

時短稽古だからね!開始時間前だろうとも、

メンバーが揃った時点で、スパッ!と稽古を開始する。

今回は1月公演の再演ではあるが、

二人の役者が代わっただけで、

動きやらセリフの間合いやらも変化していくので、

場面、場面に合わせて事細かく稽古を繰り返す。

演出席の私は、つねに時計とにらめっこ。

ダラダラしないで効率よく、

稽古を進める事に全神経を集中する。

新メンバーのお二人には、

舞台セットの雰囲気を早く掴んで貰おうと、

平野カーにほぼ満載のクリーンキーパーグッズを

稽古場にズラリと並べ、

本格的な稽古を繰り広げていると、

あるシーンで、

クリーンキーパー達が全員がくつろぐ控え室に、

遠慮がちに座る「美咲役」の美帆ちゃんの

位置が今一しっくりこない。

そこで、「美咲はどこに座るのか?」

について、皆さんがなんとなく議論し始めた。

「そこだと、私の芝居にかぶるのよねぇ・・・」

「ここだと狭いしね」

「ここに座られたら私が動くのに邪魔になるし・・・」

各々意見を出し合っているのだが、

一向にまとまる気配はない。

そのクリーンキーパー達の「言い合いっこ」に

美帆ちゃんは完全に押されてしまい、

どうしていいのか分からず、

お姉さん達の議論に目を回している。

私はと言えば、役の人物のキャラクターそのまんまの

皆さんの「言い合いっこ」が面白くて、

「リアル清掃員控え室」を

笑いながら眺めさせてもらい、

頃合いを見計らって、

「じゃー美咲はここにしよう」と提案したけれど、

時間があればもう少し、「リアル清掃員控え室」
の皆さんが観たかったなぁ。

それにしても、全体のチームワークがすごくいいから

こうしたやり取りも生まれるというもの。

気心の知れたクリーンキーパー達の物語は、

この先、一体どんなドラマを見せてくれるのだろうか?

益々楽しみな団長でありました。


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