Page4 – 「また出たぞ！」
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団長の独り言 2021.04.25
４月２５日「また出たぞ！」
緊急事態宣言が発令された。
これで３度目・・・。
１回目の緊急事態宣言の時は、
誰もが何が何だかよく分からないけれど、
感染拡大を防がなきゃ！という事で、
日本はロックダウンに近いほどの処置を施し、
何もかもがストップした。
劇場はおろか、
稽古場となる公共施設も全日使用禁止で、
我々の夏の公演は劇団史上初の中止とした。
あの時は未知のウイルスに怯えながら、
誰もがひたすら「マスク探し」に明け暮れ、
５０枚入りの不織布マスクが５０００円でも
６０００円でも飛ぶように売れていた。
それから徐々にマスクの値段も下がってきて、
感染者の数もなんとなく落ち着いてきたと思ったら、
日本政府は税金を大量投入して、
「ＧＯ ＴＯなんちゃら」を行い、
人を全国各地に動かしながら、
やがて年末・年始に突入。
様々なイベントの行われた
年末年始に感染者が急増し、
年明けには東京の感染者数が２０００人を超えた。
そこで２度目の緊急事態宣言。
稽古場の利用も午後５時までとなり、
夜間の利用は中止となった。
「このまま芝居を続けていてもいいのか？
平野恒雄！どうする！」
吐き気がするほど悩んだ。
もう本番まで１か月を切っている。
悩んでいる猶予はない。
長渕剛の「Captain of the ship」って歌が
頭の中でグルグル回る。
♪お前が行け！お前が走れ！
お前が行くから道になる～！♪
お前が決めろ！お前がしっかり舵を取れ！
気が付いたら、
稽古場の利用時間を午前・午後の枠に
変更する手続きを行っていて、
出演者全員に連絡をとれば、
「本番に向かってやりましょう」
と全員が言ってくれたので、
早速、早朝からの稽古に切り替えて、
本番直前の追い込み期間をなんとか乗り切って、
劇場の使用制限こそあったものの、
感染予防対策を万全にして、
緊急事態宣言下であるにもかかわらず、
一人の感染者も出さず、
無事、公演を終える事が出来た。
やれやれ・・・と胸を撫でおろし、
２か月ほど劇団活動をお休みして、
昨年の板橋公演のリベンジとなる
７月公演の稽古を４月よりスタートさせ、
出演者も全員揃い、
いい雰囲気の中で稽古を進めていたら、
東京は３度目となる緊急事態宣言・・・。
１度目よりもややゆるやかだけど、
２度目よりもキツイ措置がとられる。
スポーツイベントは無観客、
大劇場での公演も中止・・・デパートも休み・・・。
で！我々に一番影響のある稽古場となる
公共施設の利用も、５月１日から１１日まで
全日利用禁止という事となった・・・。
期間こそ約２週間と短いものの、
この間に稽古は４回ある。
毎日稽古していての４回ならば、
なんとかなるかもしれないが、
週末の土日のみしか稽古を行っていない
我々にとって、本番まで日があるとはいえ、
４回の稽古が飛ぶってのはかなりキツイ！
そこでこの連絡が来たあと、
すぐさま思い当たる「集会所」へ
向かい、なんとか部屋を押さえる事が出来た。
というわけで、
５月からはいつもの稽古場から一旦離れて、
稽古時間もイレギュラーとなり、
使い勝手のよろしくない部屋での稽古となる。
その事を昨日の稽古で皆に伝えると、
「頑張ろう！」ってみんなが前を向いて、
頷いてくれた。
こうした前向きな姿勢で
挑んでくれるみんなとの昨日今日の稽古は、
いつにも増して、ノリノリでテンポのいい芝居を
次から次へと見せてくれたので、
「やる気の塊軍団」
の芝居をさらに盛り上げたくなり、
どのシーンも、かなりパワーアップしたものへと
変化していった。
ただパワーアップはしたけれど、
感染予防に抜かりはない。
休憩時間ともなれば、窓を開け換気を行い、
手指消毒に検温。
そして今じゃーすっかり当たり前の日常となった
「マスク＆フェイスシールド」姿だし、
自然とソーシャルディスタンスにも心掛けている。
正直、
２週間で感染が収まるとは思えないけれど、
願わくは緊急事態宣言が予定どおり
５月１１日で解除されて、施設の利用が出来るように
なってくれればいいのだが、世の中では、様々な業種の方が、
我々の何百倍、何千倍も大変な想いをされているわけで、
そこをきちんと理解して、
この事態をも真摯に受け止めなきゃいけない。
そんな中でも救いなのは、
とにかくメンバーの皆さん達が、
稽古場を元気で明るく「盛り上げよう！」って、
すごく努力してくれているって事。
こんな時だからこそ、
笑顔いっぱいで芝居に取り組み、
必ずや！７月公演では、劇場全体に
笑顔の華を咲かせようと思うのでありました。
