「ギャルの役をやりました。」  須藤あゆみ

いよいよ5月ですね!ふぁんハウスでは、既に本格的に稽古が始まっています。
今回は、そんな稽古の中でふと思い出したことを書こうと思います。

高校時代に、ギャルの役をやったことがありました。
正確に言うと、ギャルで不良で彼氏への依存が凄い女子高校生でした。
(これだけ聞くとなんか凄い子ですよね、何せ最初の登場が、
先生に無理矢理引っ張られて生徒相談室に入ってくるのですから。)

この情報だけだとなんだか破天荒な物語なのかなと感じるかもしれませんが、
ストーリーは、女子高校生がその生徒相談室で出会った子と交流して少しずつ成長していく、
心温まる素敵なお話です!

彼女は、先生や親等の周囲の大人に対してとにかく生意気で、
口を開けば先生に対する反抗した言葉や彼氏の自慢をしていて、
ネタバレにはなってしましますが、彼氏から別れ話をされると、
彼氏の家に石を投げに行くような人でした。

正直最初は、なんでこんなに先生や親を拒絶するのか、
なんでここまで彼氏にゾッコンなのか、あまり分からなかったです。しかし、

「(先生に)はっきり言ってよ、バカだと思ってるって。頑張っても無駄だって。」

「(彼氏は私のこと)嫌いなんだって。もう。同じこと母親にも言われた。」

という台詞などから、

彼女を受け入れてくれる大人がいなかったこと、
親身にではなくあくまでも仕事として、
上辺だけの正義感を振り翳して接してくる先生に
うんざりしていたことが原因なのかなと思いました。

彼氏の家に石を投げに行ったのは、
何も彼氏が超絶イケメンだからとかではなく、
彼氏しか心を開ける相手がおらず、
失えば誰も頼れる人がいなくなってしまうという恐怖心から
異常な程執着していたのだろうなと感じました。

彼女を役作りをする上で、台本に書かれていることは勿論、
書かれていないことでも予測できる過去の出来事を考えてみると、
同じ言葉でも重みが全く変わってくるし、

お客さんには台本に書かれている「今」しか見せることが出来ないけれど、

役の人達だってそれまでの人生が台本には書かれていないだけでしっかりあって、
だからこそ、今の人となりだったり、
今の状況が生まれるんだなあと考えていたことを思い出し、
そういえばそんなことがあったなと「ふたりのゆめ」の稽古中に感じました。

ちなみに、ここでは書ききれませんでしたが、
共感できる部分も実は沢山ありました。

そしてお陰でギャルライフを体験できました(笑)

制服や所持品をギャルっぽく改装するのは新鮮でした…。

そんなこんなで最後になってしまいますが、
これからも稽古を頑張っていこうと思います!


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