Page1 –「始まりました!」

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団長の独り言 2022.08.07

8月7日(日)「始まりました!」

劇団ふぁんハウス第41回公演
「久美・美容室物語 板橋公演」
の稽古が始まった。

今年の2月に赤坂にて行った
劇団ふぁんハウス第40回公演
「久美・美容室物語」以来、
約半年ぶりにこの作品と向き合う。

稽古場となる
小学校跡地の一室に集まる皆さんは、
再び「久美・美容室物語」の登場人物と
生活出来る喜びを噛みしめながら、
稽古開始前から
笑顔の花を咲かせているのだが、

なんとも不思議なんだけど、
このメンバー達と毎週のように
稽古場で顔を合わせているのに、
何故か?すっごく久しぶりに
再会をしたかのような気持ちになる。

毎週、毎週ずーっと「人生芸夢」の
稽古で汗を流し、酸いも甘いも
知ったるメンバー達なのにね!

あのね、顔つきが違うんです。
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」の時は
稽古の回数を重ねる度に
みんなは
「人生芸夢」の顔つきになっているし、

「久美・美容室物語」の稽古を再開すると、
メンバー全員の顔つきが、
「久美・美容室物語」の登場人物に
なるんですよねぇ。

劇団ふぁんハウスで
長年芝居を創ってきたけれど、
こんな現象が起こるという事を
初めて知った。

「演じる」ってのは
そういう事なんですなぁ。

さて!その「久美・美容室物語」、
上野友記子ちゃん、岡田香錦さんという
メンバーが新たに加わり、
新生・「久美・美容室物語」として
始まる初日の読み合わせなので、
ちょっとギクシャクするかな?
って想像して挑んだ稽古なのだが、

初っ端の「久美先生」役の
みっちゃん(鈴木美千代)と、
ゆみさん(ますだゆみ)の掛け合いに
まずは度肝を抜かされた!!!

とにもかくにもテンポがいい!
そして二人のコンビネーションが
見事に噛み合っていて、
明日本番って言っても
おかしくないくらいの完成度。
二人の迫力ある芝居が頼もしく思えた。

そんな二人の
好調すぎる出だしに触発され、
あとに続く役者達もパワー全開!

2月の本番時よりも、
さらにグレードアップしている。

そんな中、新聞屋さんに嫁いだ
「聡子」演じる新メンバーのゆきちゃん
(上野友記子)が、どう絡んでくるのか?
というのがみなの関心事項。

どのメンバーも平静を装いながらも、
おそらく「お手並み拝見」的な気持ちで、
彼女の芝居をさりげなーく
観察している空気が伝わってくる。

これねぇ〜
経験したことのある人じゃななきゃ
理解出来ないかもしれないけれど、
本番を終え、完全に出来上がった
座組の中に新たに入って演じるのって、
緊張とプレッシャーで大変だそうです。

おそらくゆきちゃんも、
緊張でガチガチだったはずなのに、
まけちゃーいなかった。

彼女らしい「聡子」を見せてくれて、
お姑さん役となる
小池さんとのバトル?も
なかなか見応えがあり、
当初の予定では、
軽─く流す程度にしようと
思った今日の稽古なのに、

「じゃーね、ゆきちゃん、
そこはね、こうして・・・
ああして・・・こうなって」と
と彼女にとっては
初日の稽古であるにも関わらず、
かなり事細かにダメを出したら、
どんどんいい感じになっていく。

すると芸達者な他の役者達も、
最高のパフォーマンスをバンバンと
披露するので、1幕に登場しない私は
すっかり1観客となり、
読み合わせの域を超えた「芝居」に
引き込まれていると、

香錦さん(岡田香錦)演じる
久美・美容室の常連客「佐知」の
登場シーンへと進む。

「人生芸夢」で、香錦さんは、
元・SKD出身のかっこよくて
渋いダンサーを演じるのだが、
「久美・美容室物語」では、
彼女自身の出身地である「大阪の女性」を
演じて貰う事となり、
セリフも全て「大阪弁」に変更したら、
とってもいい感じの庶民的な
雰囲気を醸し出し、
「おもろいおばちゃん」で
「香錦ワールド」を炸裂させてくれた。

そこで、
「こりゃ〜負けちゃ〜おれん」
とばかりに、
私もチンピラ役の「啓介」を
結構チンピラっぽくやったけど・・・
どうだったかなぁ?

いずれにしても、稽古初日での
皆さんのこのクオリティーは
かなり期待できますぞ。

世の中、まだまだ息苦しい日々ですが、
お芝居を御覧になったお客様が
元気になっていただく芝居を目指し、
稽古に精進する劇団ふぁんハウスで
ありました。


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