Page13 – 「熱意とやる気 その2」

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団長の独り言 2021.12.26

12月26日(日)「熱意とやる気 その2」

今年の5月、団長の独り言に掲載した
「平野恒雄と読書の関係」で、
「山本有三作・路傍の石」を紹介した。
以下はその時の記事。

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今の私は、そこそこ読書するように
なったのだが、小学生の頃は、
文字を読むのが大嫌いな少年だった。
それなのに父親の口癖は「本を読め」。
しかたなく
字の大きな小説を図書館で借りてきて
読もうと試みるが、
何が読みたいのか分からない・・・。
文字が頭に入ってこない・・・。

それでも、
本を読めば賢くなるはずだと言い聞かせ、
小学4年生の時、本気で小説ってものを
読み始めたのが「路傍の石」だった。
(人生初・ちゃんと購入した小説)

だけど、相変わらず内容が全然頭に入らず、
最後まで読んだかどうかも怪しく、
結局、どんな話だったのか
全く思い出せない。・・・・

ここまで=====================

というような感じで、 いくら努力しても
一向に読書が好きになれないまま、
私は高校生となり、
やがて、役者を目指し上京・・・。

しかし、
そんな読書嫌いの私だったのだが、
役者の道を志すと決めてからは、
「勉強のため」に読書するようになった。

すると知らず知らずのうちに
読書も苦痛じゃなくなり、
今では暇さえあれば「本」を読む体質となる。

で、またまたこの団長の独り言で
「読書」の事を取り上げた際、
当時親父が薦めてくれた「路傍の石」が
一体どんな作品なのか?
なぜ親父は「路傍の石」を私に薦めたのか?
とっても確認したくなり、
アマゾンで「路傍の石」を購入したのが
今年の6月15日。

すぐに読めば良かったのだが、
ちょうど
7月公演の稽古が佳境に入っていたし、
時間があれば執筆していた
「新作」(久美・美容室物語)を
描かなきゃいけない!っていう
強迫観念もあったので、
読書なんてしている暇もなく、
「路傍の石」はページを開けないまま、
半年近くが経ってしまい、
よくやく読み始めたのが11月だった。

かなり昔に書かれた作品で、
しかも小学生向けと思われる
仮名遣いも結構あったので、
最初は「調子狂うなぁ」って思ったけれど、
知らず知らずのうちに
主人公の吾一少年の成長に一喜一憂し、
自分の少年期とダブらせながら
読み進めていると、
すっかり「路傍の石」に引き込まれ、
吾一!がんばろ!吾一!負けるな!といつも
吾一の「頑張り」に励まされながら、
「路傍の石」を読むのが
日々の楽しみとなっていた。

しかし・・・
なんとまぁー残念な事にこの作品、
途中で終わってしまっているのです。

文庫本自体、かなりのボリュームで
読み応えあり、これだけ読めば十分なほどの
量ではあったのに、「路傍の石」の世界に
引き込まれている身としては、
この先がどうなるのか?
もう気になる気になる・・・

山本有三先生が
ご存命であれば、
是非とも続きが知りたいのだが・・・
でも、途中で終わったものはしょうがない。
そう言って自分を納得させ、
いざ稽古場へ向かう。

そういえば、先日「公演のご案内」を
皆様の元へお届けしたでしょ?
そうすると早速、ネットや電話等で
チケットの予約が入り始める。

ネットでの予約や電話で
予約をされる方というのは、
純粋なる劇団ふぁんハウス応援団の
方々が大多数。

出演者の知り合いならば、
直接出演者に連絡されるからね。

今回は港区在住、在勤、在学の方限定での
公開リハーサルも開催する予定ですので、
公開リハーサルにお越し下さる方からの
ご連絡もボチボチ入っている。
(公開リハーサル・・
詳しくは劇団ホームページ
公演情報詳細を御覧ください)
http://www.funhouse.ne.jp/archives/1639

そんな中、1通の現金書留が届いた。

「40回公演 すばらしいです。
行けなくて申し訳ありませんが、
チケット代送ります」

と書かれた手紙とともに、
チケット代3000円が入っていた。

この方も、何度となく劇団ふぁんハウスの
公演にお越しになられたのだろう。

で、今回も公演のご案内が届いたのに、
なんらかの事情でお越しになれないとのことで、
わざわざチケット代を添えて、
心温まるありがたいお手紙を下さったのだ。
本当になんとありがたい事か。

劇団出演者の知り合いでもなく、
御覧になれないお芝居のチケット代を
律儀にも送って下さる方がいらっしゃる。
もう感謝、感謝の気持ちでいっぱい。

こうして劇団ふぁんハウスを応援して下さり、
お芝居を楽しみにして下さっている方が
大勢いて下さるというのは我々の励みとなり、
「お客様のための芝居」を創らねばならない!
と身も引き締まる。

だからね、やっぱりちゃんと
稽古しなきゃいけないのですよ。
本気でね。
ただね・・・こういう事を言い続け、
「本気」ってやつを
出演する人達に押し付けると、

「何もプロじゃないんだし・・
そこまで強制されてもなぁ・・・」
「自分が楽しいからやるんだけど」
「頼まれたから出演してんだけど」
「色々と忙しくてねぇ・・・
稽古どころじゃないんですわ。」

等々、色々と言う人も
過去にはいたけどね。

そういう人はやはり1回出演したら、
二度とふぁんハウスとはかかわってくれない。
それはしょうがないよね。

それでも私はぶれない。
「熱意とやる気さえあれば、
本物の芝居が出来る!」
って旗印は掲げ続けて本気で
稽古して、本気で芝居を創る。

とはいうものの、
まだまだ「本物の芝居」ってのに
到達していないけれど、
スローガンで掲げた想いは絶対に曲げないで、
必ずや今回の「久美・美容室物語」を
劇団史上最高の公演にしてみせますので、
どうぞ!ご期待くださいね。

では、皆様、良いお年を。


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