Page20 –「久美・美容室物語」

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団長の独り言 2022.02.13

2月13日(日)「久美・美容室物語」

「久美・美容室物語を終えた
気持ちを一言!」と言われたら、
「無事終わった〜」

もちろん、これまでも
そういう気持ちにはなったけれど、
コロナ禍という、
とんでもない世の中となり、
その中で「演劇公演を行う」って事は、
賭けみたいなところがあって、
「公演が出来るのが当たり前」
ではないという状況の中、メンバー達は
「感染しないぞ!」
という想いで日々を過ごして、

土・日には、検温・手指消毒、定期的な換気、
そしてマスクにフェイスシールドという姿で
芝居の稽古を行い、
感染者や濃厚接触者を出す事なく、
多くのお客様がお越しいただいた中で
本番を迎え、大きなミスもなくお芝居は
無事終了。

しかし、ここで油断をしてはいけない。
まだ後片付けが残っている。
さきほどまで舞台上にあった
「久美・美容室」は解体されて、
大道具や小道具は次から次へとトラックに運ばれる。
役の人物へと変身した楽屋は大掃除。
大勢のお客様をお出迎えした受付ロビーも、
ボランティアスタッフさん達による撤収作業。

そんなこんなの騒然とする楽屋、舞台、ロビーも
数時間後、ガラーンとした静粛な空間となる。

ここでまずは一旦解散。
その後、有志メンバー達と共に
荷物を積み込んだトラックを追いかけ、
気温3度と冷え込む中、
劇団倉庫での荷入れ作業に汗を流す。

そして倉庫に荷物を収めて鍵をかけ、
「終了しました!」と私が叫ぶと、
作業を行った全てのメンバー達から
拍手が沸き起こり、
感極まって涙するメンバーもいる中で、
笑顔でお互いの健闘をたたえ合い、
ようやく「公演無事終了!」となる。

メンバー達は、
充実感に包まれた疲れた身体と足と
大きなトランクを引きずりながら、
帰路に着いたのでした。

いやぁ〜今回も色々な事あったけれど、
終わりよければ全て良し!
その様子を何週かに渡りお届けしますね。

2月11日(金)「劇場入りの日」

数日前から天気予報では、
「2月10日は都心でも
大雪が降るでしょう」と、
しつこいくらい繰り返している。

2月10日に大雪が降れば、
翌日11日の交通機関は乱れる事必至だし、
首都高速も通行止めだろう。

しかも雪が積もれば、劇団倉庫に
トラックが入るのもままならない状態に
なるのも予測がつく。

こーゆときは
早め早めの対策が必要なので、
劇場入りの3日前、ホームセンターにて
「雪かきスコップ」を2本購入。

雪が積もった場合、
スコップがあるとないでは、
倉庫での積み込み作業の効率が全然変わる。

「備えあれば患いなし」
使う必要なかったね!
と笑顔で言えるに事を祈りながら、
常に天気予報をチェックして、
2月11日を迎えた。

朝4時起床、ベランダに真っ先に向かい、
とにもかくにも外の様子を見ると、
おつしゃ!白銀の世界は免れている。
しかし路面の凍結は確実なので、
ちょいと余裕を持って倉庫へと車で向かう。

午前6時過ぎ。
倉庫に到着すると大丈夫!
雪もないし、凍結もしていない。

トラックやメンバーは
まだ来ていないようなので、
平野一家だけでパイプで出来た
「移動式巨大階段」を、
劇団倉庫の入口に設置していると、
続々とみながやって来て、
やがてトラックも到着する。

私は移動式階段の最上部に行くと、
うぉぉぉぉー
階段に残っていた雪がカチンカチンに
凍り付いている。

これはあぶない!
最上段は高さ5メートルほどあるからね。
今、ここで滑って転んで落っこちて
誰かが大怪我をしたら、元も子もない。

まずは、家から持ってきた2リットル用
ペットボトル3本に入れたお湯を、
凍結している階段部分に掛けて、
使わないであろう・・・と思っていた
「雪かき用スコップ」で、
氷をガシャガシャと削る。

そして、滑らないのを確認してから
積み込み作業開始。

劇場入りの日というのは、
何気に時間との闘いなので、
効率良くテキパキとで荷物を積み込み、
作業開始から1時間後、
全ての荷物を積み終えたトラックが
出発したところで、
10数名のメンバー全員でコンビニに寄り、
朝ごはんを購入し、2台の車に分かれて
いざ!赤坂へと向かうと、
道が驚くほど空いている。

そうだよ!休日なんだよね。

いつもならば、すでに朝の大渋滞で
1時間以上かかる道のりも、
この日は30分ちょいで到着してしまう。

余裕のある事はいい事だ!
劇場入りまで約30分ほどあるので、
車の中で待機をして、
さぁ!さぁ!いざ搬入開始。

一番の心配事である
「全メンバーが集合しているのか?」
ってのを確認すると全員おります。

一人でもかけてしまうと大変な事になるからね。
何はともあれ全員劇場に来ているってのは、
とっても喜ばしい。

大道具を制作するチーム、
楽屋で事務作業を行うチーム、
ロビーでの受付周りを創るチームと、
大きくわけて3グループに分かれて、
それぞれみんなで
手分けしての作業を開始する。

私はといえば、何をしてたっけかな?
そうだ!
音声ガイドで使用する送信機を、
これまでのモノと違うモノへと変更したので、
その送信機が、ちゃんと役目を果たすのか
どうなのか?ジュヨン君とチェックを行いつつ、
劇場全体の作業状況にも目を光らせ、
手が足りない時は、様々なポジションの
助っ人として、私も忙しく動き、
あれやこれやで、
時間が過ぎていったのでした。
(続く)


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