Page8 –「時間を有効に使う会」

『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2022.09.25

9月25日(日)「時間を有効に使う会」

本番まで1か月を切った。
それにしても月日の流れってのは、
歳をとればとるほど早く感じる。

長く生きていくと
誰もが通る感覚だから仕方ないけれど、
なんてーのかな?寂しいというか
空しいというか、焦るというか・・・
若い頃の1時間と、
還暦を迎える今の私の1時間では、
同じ1時間でも価値が違うよね。

そんな事を考えながらフッと
中学校の頃の自分を想い出す。

私は中学3年生の時、
「時間を有効に使う会」なるものを結成し、
何かにつけ
「時間がもったいない」
「時間がもったいない」が口癖で、
とてもせっかちな奴だった。

だからと言って、じゃー本当に
時間を有効に使っていたのか?と言えば、
そんな記憶は全然ない。
ただぼーっとはしていなかったかな?
(でも勉強はまるでダメな奴でした。)

その「時間を有効に使う会」を結成したのは、
母親が蒸発して、弟と親父が愛知県に行ってしまい、
私一人で香里団地に残り、
借金取りの電話に怯えながら
生きていたあの頃あたりだったと思う。

あの当時は、
「こんな事で負けへん!」
「ちゃんとせなあかん!」
と自分にいい聞かせ、
自炊をして、弁当も自分で作って、
ラッキーボクサーで買い物もして、
歯を食いしばって生きていた。

もしあの時、
「時間を有効に使う会」を結成せずに、
「もう〜どうでもええわ」って
やけくそになっていたら、
貴重な人生の時間を無駄にして、
私は転げ落ちた人生を過ごす事に
なっていたと思う。

でもそこで踏ん張れたのは、
父親を悲しませたくない!って想いと、
3年5組の仲のいい数名の仲間達との
何気ない充実した日常を大切にしたかったのと、
あとは、
「一人で晩御飯を食べるのは寂しいかろう」と、
クラスは違うが親しくしていた水田が、
しょっちゅう家(うち)に来て、
晩御飯の時間を共にしてくれたってのも
ドロップアウトしなかった理由だと思う。
(水田は、自分の家で晩御飯を食べたあと、
自転車で15分ほどの我が家に来てくれた。)

ちなみに
「時間を有効に使う会」の会員は私一人だった。
恐らく当時の友人達は、
私が「時間を有効に使う会」の会長だった事は
知らなかったんじゃないかな?(多分・・・)

そんな性分でこれまできたものだから、
この年齢になり、
時間の過ぎ去るスピードが増すにつれ、
「貴重な時間を無駄にしたくない!」
って思いもより一層増してきて、
時間の流れの速さに焦るのを通り越し、
寂しさすら覚える今日この頃。

だからこそ本番までの時間も、
とにかく有効に使うべく、
金曜日の夜は受付会議をリモートで行った。

今回の公演は平日のみの公演なので、
いつも多くの方が参加して下さる
「受付ボランティアスタッフ」の方が、
とても少なくて苦しい状況となっている。

それでも目のご不自由なお客様も
多くお越しになる劇団ふぁんハウスでは、
気持ちよく観劇してもらうべく、
万全の体制でお出迎えせねばならない。

そこで望月リーダーを中心に、
3時間にも及ぶ受付リモート会議を行い、
時に激しく意見を出し合いながら、
なんとか道筋が見えるまでになった。
(それでも受付スタッフさんの数は
まだまだ少ない・・・ご希望の方は
是非とも劇団までご連絡下さい。)

その会議を経ての昨日今日の稽古では、
いよいよ13時から21時30分までの
昼夜連続稽古の時期となり、
まず稽古開始前、「音声ガイド」を行う際の
ラジオの受信状況を出演者全員でチェックする。

前回公演では
「音声ガイド」を行うにあたり、
FM送信機の調子が思わしくなくて、
仕方がないので、
業者さんから送信機と専用の受信機数台を
お借りして音声ガイドを行った。
(お試しという事で、サービスでお借り出来た!)

結果は、
そりゃーもうとってもクリアーな音質で、
いう事なしだった。

ただ今回もその送信機&受信機を
お借りするとなると、さすがに
サービスってわけにはいかないので、
結構なお値段となる。

そこで
劇団の送信機のご機嫌を直すべく、
まずは土曜日、全員で様々な角度から
受信状況をチェックしたが、
うーん・・・ダメだねぇ・・・。

この日の稽古では
昼夜ともに後半部分を徹底的に行い、
稽古自体はそれなりの成果は得たけれど、
家に帰っても、頭の中では
「音声ガイド」の事が廻りっぱなし・・・。

「こりゃー
今回もレンタルするしかないか・・・」
と半ば諦め、予算繰りをしながら
風呂に入っていると、
数か月前、元劇団員の竹本和弘に
この件を相談した時の事を思いだす。

彼曰く、
「もしかしたら、周波数がずれてきているのかも
しれないですよ。」と。

「そっかぁ〜!」となった私は、
早速その日の夜、電子機器には
まるで疎いくせに機械の上蓋を開け、
分からないながらも、一か八か
それらしきモノを調整しまくって、
本日、再びチェックしてたら、
おおお!
とても感度よく聞こえてきた!

これにはラジオのチェックをしていた
みんなも大喜び。

「よーし!
これで今回も音声ガイドが出来る!」

気を良くしたところで、
今日の昼の部は、前半部分を徹底的に行い、
夜、この座組初となる
通し稽古を行ってみたら・・・
(本番通りに通して行う稽古の事)

上演時間が前回の赤坂公演の時よりも
10分以上延びている・・・
シーンを追加したわけじゃないのに、
10分以上も延びるなんてのは異常事態だ。

恐らく皆さんが芝居に慣れてしまい、
余裕が出来てきたからなのか?
ちょっとずつ余計な間をとり、
タップリと演じてしまったがために、
こんなにも間延びした芝居となって
しまったのだと思う。

こりゃーなんとかせにゃいかん!
これではお客様が完全に居眠りしてしまうわ。

次回の稽古では、その間延び芝居を、
徹底的に修正しようと思う団長でありました。


共有: