Page6 –「夢のとおり道」

『団長の独り言』PDFファイル(A4サイズ)
↓ こちらからダウンロードできます。
団長の独り言 2023.06.18

6月18日(日)「夢のとおり道」

7月15日(土)、16日(日)に開催する
劇団ふぁんハウス第43回公演
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」には、
物語の核となるテーマ曲がある。

タイトルは「夢のとおり道」。

芝居の内容に沿った歌詞に、
素敵なメロディーは、
一度聞くと忘れられなくなるほど
感動してしまう素晴らしい曲。

前回の「人生芸夢・赤坂公演」を
御覧になった方々からも、

「素敵な曲ですね!」
「お二人の歌に引き込まれました」

という感想も沢山頂戴し、
なかには
「娘達にも聞かせたいのですが、
どこで配信されているのですか?」
というお声まで頂く。

実はこの曲、劇団ふぁんハウスの
完全オリジナル曲でして、
配信だとか販売だとかは
特に行っていなかったのだが、
前回の赤坂公演を終えてから

「CDが欲しい」
「何度でも聴きたい」

という要望や問合せが結構あり、
そこで「夢のとおり道」の音楽CDを創ろう!
って事となり、
2月の赤坂公演が終わった翌月の3月に
「CD制作プロジェクトチーム」を発足し、

何度も何度も録り直し、
何度も何度も編集をし直し、
何度も壁にぶつかり、
完成までに3か月以上も要し、
誰もが納得出来るCDがこの度完成した。

劇団公式ホームページや、
YouTubeの劇団ふぁんハウスチャンネル、
ツイッター、インスタグラム、フェイスブック等の
SNSからのお申込みと、
劇場でも販売を致しますので、
ぜひお買い求めいただければと思います。

さて、その「夢のとおり道」という曲は、
約20年前に上演した
劇団ふぁんハウス第7回公演
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」の主題歌として、
劇団の創立メンバーである「咲美」ちゃんが
作詞・作曲した作品。

あの時、
私がまず「人生芸夢」の脚本を描いて、
作品のイメージに合わせて、
咲美ちゃんが曲を創ってくれるという
事になっていたのだが、
いつもならば、
すぐに曲を創ってくれる咲美ちゃん、
この曲に関してはかなり苦戦し、
稽古が始まって2か月経っても
曲が出来なかった。

「人生芸夢」という芝居は、
主題歌あっての作品なので、
曲がないまま稽古を進めるているという事に
不安を抱きつつ、稽古をしたのを覚えている。

しかし一番不安で、
そして苦しみぬいていたのは
曲作りを任された咲美ちゃんだったのは
間違いない。

私もモノを創る苦しみが
どんなものか知っているだけに、
極力催促はしないように心掛けていたけれど、
つい・・・
「まだ?」って彼女に聞くようになり、
その聞く回数も増えてきて、
それがまた
咲美ちゃんを苦しめてしまっていた。

その咲美ちゃん、
苦しみ抜いて苦しみ抜いて
本番まであと僅かとなったある日、
ついに曲を完成させ、
稽古場で彼女がピアノを弾きながら
歌ってくれたものを皆で聞いたのだが、
出演者全員感動してしまい、
なかには涙するメンバーまでいた。

その歌を当時の歌姫役の二人が
咲美ちゃんの指導の下、
劇中で歌ってくれるのを聴き、これまた感動!

おかげ様で
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」は
大成功を収める事が出来た。

そんな咲美ちゃんが、
中学生となった二人の素敵なお嬢さんと共に、
本日、劇団ふぁんハウスの稽古場に
やって来てくれた!

彼女と会うのは十数年前に開催した
「ライブショー」にスペシャルゲストとして
参加してもらった時以来で、
劇団ふぁんハウスの
「芝居の稽古場」に彼女が参加するのは、
なんと約20年ぶり!

積もる話もあるけれど、今回の座組になって初の
「通し稽古」を観て貰う予定になっていたので
話もそこそこに、
通し稽古が出来る状態になったところで、
咲美ちゃんを皆さんに紹介し、
まずは名刺代わりに
彼女が劇団ふぁんハウスに在籍していた時、
芝居のオープニングで必ず熱唱した
オリジナル曲「輝きの季節」を歌ってもらう。

予定にない私の無茶振りに咲美ちゃんは、
「えー!そう来る!?」
とかなり困惑していたけれど、
ピアノの前に座るとふぅーと深呼吸をして、
ゆっくりとイントロを弾き始めた。

あ〜このイントロ!
何度聴いたことだろうか?
イントロ聞いただけで私の涙腺は緩み始め、
昔と変わらぬ迫力ある歌を聴いていると、
もうだめ・・・。

劇団ふぁんハウスを
25年前に設立した時のあの場面この場面、
みんなで大笑いしたあの日あの時、
そして劇団解散の危機・・・
色々な事があったけれど、
様々な困難を乗り越えて今がある・・・
そんなことを思い出していると、
自然と涙が頬を伝う・・・。

いやぁ〜歌の力ってすごい!

その「輝きの季節」を、
当時と変わらぬ迫力で熱唱する
咲美ちゃんの歌を聴き終えると、
メンバーから大きな拍手が沸き起こる。

よし!今度はみんなが咲美ちゃんに
芝居をお披露目する番!

彼女にとっても大変想い出深い「人生芸夢」を
じっくり観て貰うと、その姿は真剣そのもの。

特に生みの苦しみの中完成した
「夢のとおり道」を歌う場面では、
身を乗り出して、
審査委員長のように厳しい表情。

さぞやこの歌を歌うまり恵さんも、
千秋ちゃんも緊張した事と思う。

約2時間の芝居を終え、
咲美ちゃんに感想を述べてもらい、
さぁ!さぁ!お待ちかね!
ご本人によります「夢のとおり道」を
聴かせていただくと、
20年前のオリジナルから更に進化した
ジャズ風のとってもカッコいい
「夢のとおり道」を聴かせていただいた。

その後、約1時間の休憩に入ったのだが
歌姫役の千秋ちゃんとまり恵さんは、
咲美ちゃん直々に歌の指導を受ける。

咲美ちゃんからの指摘で、
ハモリの部分が物足りないとの事。

そこで吹奏楽部で全国大会出場の
長女さんの意見も聞きつつ、
1時間ビッシリ、咲美ちゃんから
熱烈なる指導を受ける二人。

指導後の二人の歌声を聴かせてもらうと、
全然違う!いや!本当に!

歌全体の幅が拡がったし、
何より迫力が増していて、
めちゃめちゃいい感じになった。

作った人が指導すると、
こんなにも変化するものなのか!
と感動した。

そして咲美ちゃんがお帰りになる時間。
みんなで記念撮影してご挨拶をして、
私は咲美ちゃんとお嬢さんを駅までお見送り。

道中、彼女が
「団長、よくぞここまで続けて
こられましたよねぇ〜」って、
シミジミ言ってくれたその言葉が胸に沁みた。

初めて咲美ちゃんと出会ったのは、
劇団ふぁんハウスを設立する更に2年ほど前だから
もう27年くらい前になる。

彼女は「クロスロード」というバンドで
ボーカル兼キーボードを担当していて、
その音楽センスに惚れ込み、

「1回だけの劇団だから」
と彼女を口説き創立メンバーとして
参加して貰う。

その後、劇団ふぁんハウスの音楽担当として
数々の名曲を生み出し、役者としても出演をした。

そんな昔話から、
誰々さんが誰々さんと結婚したんだって!とか、
あの時はこうだったね!ああだってね!
って大笑いしつつ、昔を懐かしんでいると
あっという間に駅に到着。

咲美with254様御一行は、
明るい笑顔と共に、改札口に続く
階段を下りって行ったのでした。

咲美ちゃん、
劇団ふぁんハウスも設立から25年が経ち、
随分と色々な事が変化したけれど、
25年前と変わらぬものは、

「熱意」と「やる気」さえあれば、
障害があろうがなかろうが
本物の芝居が出来る!

という想いで活動を続けているって事と、

「夢」をテーマにした作品を
創り続けているって事。

咲美ちゃんが
創りだしてくれた「夢のとおり道」、
これからも大切に大切に、
劇団ふぁんハウスで育てていきますので、
たまには稽古場に顔を出して、
ご指導のほどよろしくお願い致しますね。

そんで機会があれば、
また一緒にお芝居を創ろうね!

今日は本当にどうもありがとうございました。
それでは7月!劇場にて、お待ち致しております。


共有: