Page9 –「最終通し稽古でした。」

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団長の独り言 2023.07.09

7月9日(日)
「最終通し稽古でした。」

稽古場での最後の稽古の日を迎える。
午前中は主要メンバー達が都内某所にて、
公演当日お客様にお配りするパンフレットに、
入れ込む
「劇団からのお知らせチラシ」と、
「販売用・団長の独り言」
の印刷作業を行なってくれる。

朝早くから、それらの作業も
率先してやってくれるのには
感謝、感謝である。

そして13時、
平野カーに超満載の荷物を、
みんなで稽古場へ運び込む。

この時期ともなると、
本番用の大型電子ピアノあり、
ギターアンプにギターに、
組み立て式のテーブルに・・・
あれやこれやに、
それぞれ役者の衣裳にと、
本当にすっごい量の荷物なんだけど、

平野カーの積載能力はとっても優秀で、
驚くほど沢山の荷物が積み込める。

劇団活動をしてから数十年、
ずーっと国産のワンボックスカーに
乗っていたのだが、
途中で何を血迷ったのか?
ジープのラングラーなんて車に乗ったら、
めちゃくちゃ意外にも、
そこそこの積載能力を発揮してくれて、
すっかり外国の車に魅了されてしまい、

ジープを6年乘って、
10万キロになったのを機に、
国産車にとらわれることなく、
積載能力があり、
なおかつ人も大勢乗れる車って事で探したら、
フォルクスワーゲンのトゥーランに辿り着いた。

この車は、
普段使いとしてとても良くて、
高速走行性能もアウトバーンを走行する事を
想定したさすがのドイツ車だけあって、
めちゃめちゃ安定しているし、
何より、ジープラングラーよりも
全然燃費が良くて、税金も安い!
(ジープの燃費が悪すぎた・・・)

しかも7人乗りなので
劇団メンバーが大勢乗る事が出来るし、
なんといっても一番のお気に入りが、
国産ワンボックスカーとの大きな違いとして、
シートが完全フル・フラットになるところ。

派手さもなく、
そんなに大きくも見えないのに、
シートをフルフラットにすると、
めちゃめちゃ荷物が載るのですよ!

以来、トゥーランを
2台乗り継いで現在に至る。

その2代目トゥーランに
満載の荷物を運び込んだ本日の稽古場は、
この団長の独り言「6月24日・テンポ命」で書いた
例の「台」が使える2部屋ぶち抜きの
広─い部屋なのですよ!
そりゃーね、いつも以上に気合も入りますわね。

みんなで手分けして
仮設の舞台セットを創るのだが、
もうねぇー皆さん、完全分担制なので
準備が早い!早い!
30分足らずで準備が完了し、
それぞれが衣裳に着替えメイクを施し、
いざ最終通し稽古開始の時を待っていると、
まず音響の野中君登場!

今日は立派な音響機器を稽古場に持ってきて、
慣れた手つきで設置をしていたら、
照明の大塚さん、
舞台監督の高橋さんもお越しになり、
舞台関係者全員が稽古場に揃う中、
最終通し稽古を始める。

今日の稽古は、
私の中では役者の芝居を観るというよりも、
スタッフさんへの要望を確認しながら
芝居を観ていたので、
役者の芝居を細かくは観る余裕はなかったが、
さすが「最終通し稽古」だけあって、
これまでとは皆さん迫力がまるで違う。

テンポもいいし、
ダメを出す箇所なんてほとんどない。

それでも役者の芝居に関しては、
重箱の隅をつつくようなダメを2、3か所
「ダメ出しノート」にメモを取り、
その部分に関しては夜の稽古で修正するとして、

約2時間10分の「最終通し稽古」を終え、
テーブルを向かい合わせにして、
スタッフ会議を行った。

議事進行は舞台監督の高橋さんで、
幕開きから順を追って、
照明、音響絡みのキュー出しの確認と、
ありとあらゆる舞台進行についての
打ち合わせを行いつつ、
演出的には、
「ここは、こんな感じでお願いしたい!」
という、私から各セクションへの
無理難題的なお願いをも遠慮なく
言わせていただく。

しかし
「そんなもんは無理ですわぁ〜」
とは誰も言わず、
限られた予算、限られた環境の中で、
私の作品への想いを実現するために、
スタッフさんが真剣に議論して
下さるのは感謝しかない。

通常、
最終通し稽古終了時の最後の
スタッフ打ち合わせは
1時間もかからないのだが、

今回の芝居は25周年記念公演だし、
色々な装置の使える劇場だしって事もあり、
私はいつになく、
かなりわがままを言わせていただいたので、
1時間半みっちり使って
かなり白熱した打ち合わせとなり、
「普通の演劇」の枠をとっぱらった
エンターテイメントな
「人生芸夢〜夢のとおり道〜」が
現実的なモノとなるところまで話が出来た。

あとは実際に劇場に入って
照明、音響と芝居を
合わせてみてどうなるかだけど、
「平野組」のスタッフさん達なら大丈夫!

そんな手応えを感じた
スタッフさんとの打ち合わせを終え、
夜の稽古では、
歌、立ち回り、芝居の抜き稽古を
ヘロヘロになるまで行い、
キリのいいところで時計に目をやれば、
稽古終了時刻までは30分以上あったけれど、
皆も毎週の昼夜連続稽古で
かなり疲れている様子だったので、
本番に向けての体調管理の事なども考慮して、
「そろそろ終わりますか・・・」
と言うと、

「すみません!もう1回いいですか!」
との声がメンバーからあがる。

「えっ!?でも、みんな疲れているし・・・」
と私はメンバーの事を気遣おうとしたが、
稽古場から、
「良く言った!」
「よーし!やろう!」
って声が次々とあがる。

みんな、もうヘロヘロなんですよ!
それなのに、それなのに!
この熱意とやる気、涙が出るよね。
本当にいい劇団になりましたよ。

結局、
稽古場での最後の稽古も時間一杯まで行い、
いよいよ劇場へと向かうのでした。

皆様、いよいよ始ます!
7月15日(土)、16日(日)は、
ぜひとも、劇場へ足をお運びくださいね。
メンバー一同、皆様のお越しを心より
お待ち致しております。

劇団ふぁんハウス代表
平野恒雄


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