Page28–「『ふたりのゆめ』を終えて」(鈴木千秋)

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団長の独り言 2024.4.2

「『ふたりのゆめ』を終えて」 (鈴木千秋)

皆様こんにちは。
今週は代表の平野恒雄に代わり、
鈴木千秋が「独り言」を担当いたします。

新年度が始まりました。
新たな環境で生活をスタートされる方も
多いと思いますが、劇団ふぁんハウスは、
いよいよ今月から、夏の板橋公演
(「ふたりのゆめ」の再演)に向けて
稽古が始まります。

「ふたりのゆめ」
の脚本を初めて読んだとき、
(平野作品では毎度のことですが)
クスっと笑えるところがいくつもあり、
涙するところもたくさんありました。

テンポ良く進む会話の数々。
文字では、いくらでも自分の好きなように
イメージすることができます。

それを演じるのは
簡単なことではありませんが、
チーム一丸となり
稽古に取り組みました。

物語の主な舞台となるのは、
主人公・三浦知世が暮らす
東京の有料老人ホームと、
京都府綾部市にある居酒屋門です。

私は居酒屋門出の女将・村野惠津(えつ)役
を演じました。

「門出」といえば、
劇団ふぁんハウスの作品では
お馴染みの店名です。

過去に、居酒屋門出、定食屋門出、
スナック門出…など、
度々登場しています。

以前から劇団ふぁんハウス公演を
ご観劇されている方のなかには、
「門出ファン」の方も
いらっしゃるかもしれません。

その伝統ある「門出」の女将役を
演じることができるのは、
たいへん光栄なことです。

私がイメージした「女将さん」は、
包容力があり、温かく安心感のある女性。

お店に来られるお客様や、
周囲の人々に、そのような
印象を持たれる「女将さん」を
イメージしました。

当然そのような面だけではないですし、
それなりに人生経験を重ね、
また色々な人生を見てきている
役のようです。

自分とはちょっと遠いところに
いる人でしたが、
余計に「惠津」への興味が湧きました。

興味を持つのはとても
大切なことですよね。

興味を持ったら惠津が
暮らす京都府綾部市へ
行ってみたいという気持ちが
強くなりました。

多分一人でも行っていたと思いますが、
なんと、他にも同じようなことを
考えているメンバーが
何人もいました!

そして数名のメンバーと共に、
京都府綾部市へ
取材旅行(弾丸日帰りツアー!)へ
行くこととなりました。

同行した人数分の視点で綾部を辿り、
町の魅力を感じ、
一人で行くよりもはるかに多くの、
貴重な体験をすることができました。

再演の前に、
また綾部へ行ってみたいです。
一緒に行く出演メンバーの方は
いらっしゃいますか?(笑)

それから衣裳の力もお借りしました。
衣裳は着物に白い割烹着にしました。
(台本のト書きには、
「割烹着姿」と書かれていました)

かなり久しぶりに着物を着ました。
20代前半だったかなぁ?
着付けを習っており、
その頃は時々和装で
出かけることもありましたが…。
着付けはすっかり忘れていました!

箪笥から着物や和装小物を探し出し、
動画を見ながら練習しました。
和服を素敵に着こなす劇団メンバーの、
ますだゆみさんや、鈴木美千代さんの
ご協力もあり、
なんとか本番に間に合いました。

余談ですが、
母から借りた一着の着物は、
むかーし仕立てたきりで、
しつけ糸がついたままのものでした。

私が惠津を演じなければ
着る機会がなかったかもしれません。
日の目を見ることになり、
良かったなぁと思います。

初めての女将役に、
多少の不安と驚きもありましたが、
衣裳や京都府綾部市への取材旅行で
得たことからも、物語や役のイメージを
膨らませていきました。

舞台制作の仕事でも、
新しく担当することが多くありました。
なかなかのドタバタぶりで、
焦ることも多々ありましたが
(あまり慌てているようには
見えないようですが・汗 )、

本番当日の玄関口、
劇団の顔でもある受付スタッフの
皆様とのやり取りを経て、
無事に公演を終えることができたことは、
なんともいえぬ感動がありました。

公演を終えてからは、ふぁんクラブの皆様・
受付スタッフの皆様とのアットホームな
雰囲気の懇親会や、
一般の参加者を募っての
ワークショップがありました。

そして今週末から始まる本稽古!
皆様と切磋琢磨しつつ 、
ふぁんハウスらしくチームワークで
舞台を創り上げていきたいと
思います。

皆様どうぞ、
よろしくお願いいたします。


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