Page2 -「こりゃー面白くなりそうですわ。」

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団長の独り言 2021.10.09

10月9日(土)
「こりゃー面白くなりそうですわ。」

先週、初読み合わせを行った際、
大体の上演時間が知りたかったので、
途中で止めたい気持ちを抑えつつ、
通して読んでもらった。

2時間半くらいは
余裕でかかると正直思っていたので、
そうなると
脚本を大幅にカットしなきゃいけなくなるなぁ・・
とドキドキしていたけれど、
2時間4分に収まりややホッとはした。

ただねぇ・・・いざ皆さんに読んでもらって
気づいたのだが、説明セリフの
なんと多い事よ・・・。

私の描く脚本っていつもそうだけど、
小説の如く、登場人物に事細かくセリフを
言わせてしまう傾向がある。

なんでかなぁ?
セリフに様々な想いが詰まっているから、
あんなに回りくどくなるんだろうけれどねぇ・・。

ただ不思議なのが、
目で追って読んでいる時は全くそう感じない。

それがいざ演じる役者が読むと、
とーっても長ったらしく
感じてしまうんだよなぁ。

描いている時は夢中で描いているので、
違和感がなく仕上ったつもりなのに、
いざ演じる皆さんの生の声を聴くと、
やったら長ったらしいセリフが沢山あり、
そのおかげでテンポもかなり悪くなってしまう。

そこで先週の読み合わせのあと、
説明セリフをどんどんカットして、
大分すっきりさせ、
今回3度目の読み合わせとなる。

稽古開始前、
まずはカットした箇所を
演じる皆さんに伝えるのだが、
役者の立場からすれば、
「ここからここまでカットしまぁーす」
と言われると、
その部分に自分のセリフがあれば、
そりゃー内心面白くない感情が湧くってもの。

ひょっとしたら、カットされたセリフの中に
好きなセリフがあったかもしれないし、
自分がしゃべるべきセリフが減る事への疑問、
不満の出る役者もいるかもしれない・・・
いやいるはずだ。

やっぱりセリフが減るってのは、
どんな役者でも嫌なものなのです。

セリフが減って喜ぶようでは、
役者なんてやらないほうがいいと思う。

そういう役者心理が理解出来るだけに、
一旦皆さんにお披露目した脚本の
セリフをカットするって事は
出来る事ならば行いたくない。

だから脚本が完成したら発表する前に、
何度も何度も読み返し、
削らねばならないセリフや場面は削りまくり、
「すっきりさせたつもり」で
出演者にお披露目しているんだけどねぇ・・・。

いざ読み合わせを行うと、
回りくどいセリフが
まだまだ沢山あることに気が付く。

カットした箇所を、
すべて残せるものならば残したいけれど、
でもね、お客様のためのお芝居を創るのだから、
「ごめんなさい」って思いながら、
淡々とカットするセリフを発表する。

あの・・・
でもこれは分かってもらいたいのだが、
苦労して苦労して描き上げた大切なセリフの数々を
カットされるってのは、
作者自身も非常に辛いんですよ。

これが小説ならば、カットしなくても
済むんだけどっていつも思うもん。

こうして、とりあえずすっきりさせた脚本で
3度目の読み合わせを開始。

所要時間はなんとなく把握出来たので、
気になった箇所があればその都度止めて、
ダメを出しながらの読み合わせを行う。

まずはオープニング。
「久美役」のみっちゃんと、「桃子役」の由美さんの
テンポのいいセリフのやり取りが非常に良くて、
そんな二人のやり取りを聞いていると、
フッと演出的な「ひらめき」が湧いてきた。

早速「ひらめき」のイメージを
ピアノ演奏のアマティアズに伝えれば、
アマティーは私の意図を汲んで、
イメージ通りの演奏をしてくれる。

その素敵なピアノ演奏に合わせて、
みっちゃんと由美さんには
あーしてこーしてもらうと、
おお!って感じ。

こんな演出にする予定は全くなかったのに、
二人のやり取りが、
私のイマジネーションを膨らませてくれて、
劇団ふぁんハウスらしからぬ?いや?ある意味、
劇団ふぁんハウスらしい、とっても明るい
オープニングシーンが誕生した。

ただし、まだ読み合わせの段階だからね。
これから立ち稽古に入れば、
変更するかもしれないけれどね・・。

それでも他のシーンも、
各役者の芝居からヒントをもらい、
考えもしなかった演出が、
次から次へと生まれてきて、
「こりゃ〜楽しい芝居になるぞ!」って
予感する今日の稽古でありました。


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